小洒落爺

 

一条真也です。
わたしは、多くの言葉を世に送り出してきました。
今回は「小洒落爺(こじゃれじじい)」という言葉を提案します。意味は、ずばり、ちょっとお洒落な老人ですね。あと、老人がマスクや帽子やサングラスといった小物を使ってお洒落をする意味もあります。拡散希望(笑)


今年で還暦を迎えました

 

わたしは、今年5月10日に60歳となりました。
無事に「還暦」を迎えたわけですが、正直、「ついに還暦か。俺もトシを取ったものだなあ」と思いましたが、還暦用に赤のネクタイ、ジャケット、帽子などを着用しているうちに「綺麗な色のファッションをすると気分が明るくなるし、元気になるな」ということに気づきました。


小洒落爺として生きる

 

そこで、今後はちょっとお洒落な老人を目指そうと思い、「小洒落爺」という言葉を思いつきました。ちょうど、東京は赤坂見附ショットバーで「出版寅さん」こと内海準二さんと飲んでいるときに思いついたのですが、内海さんもバーのマスターも「いいね!」と言ってくれました。最初は「ちょい悪オヤジ」に倣って「ちょい悪ジジイ」にしようかとも思いましたが、それだと「いじわる婆さん」ならぬ「いじわる爺さん」みたいになるので止めました。

 

「小洒落爺」は、「子泣き爺」に響きが似ていますね。「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な子泣き爺とは、徳島県の山間部などで伝承される妖怪です。民俗学者柳田國男の著書『妖怪談義』に記述のある妖怪の1つで、本来は老人の姿ですが、夜道で赤ん坊のような産声をあげるとされます。一般には、泣いている子泣き爺を見つけた通行人が憐れんで抱き上げると、体重が次第に重くなり、手放そうとしてもしがみついて離れず、遂には命を奪ってしまうとされます。書籍によっては、子泣き爺は石のように重くなることで抱き上げた人間を押し潰すなどと記述されています。


コバルトブルーの不織布

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スカイブルーの不織布(天道塾で)

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ピンクの不織布(サンレー社長室で)

f:id:shins2m:20211110181741j:plainオレンジの不織布(上智大の講義で)

f:id:shins2m:20211228233519j:plainスグリーンの不織布(サンレー本社貴賓室で)

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イエローの不織布(北九州空港で)

 

わたしが「小洒落爺」に目覚めたのは、じつはコロナ禍の最中でした。ブログ「マスクを楽しむ!」に書いたように、わたしはマスクを着ける生活が最初は嫌で仕方がありませんでした。しかし、「何事も陽にとらえる」という信条を持つ者として、「どうせマスクを着けるなら、ファッションの一部にしよう」と考えることにしました。わたしは、大学を卒業して入った会社が広告代理店だったこともあり、社会人となってから、ネクタイには必ずポケットチーフを着けています。

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バイオレットの不織布(京都大の講演で)

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ラベンダーの不織布(スターフライヤーの機内で)

チリアンパープルの不織布(スターフライヤーの機内で)

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パンジーの不織布(銀座久兵衛の前で)

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レッドの不織布(羽田空港内のバスで)

f:id:shins2m:20211214123927j:plain次女のインスタに登場!

 

ポケットチーフの色はネクタイに合わせます。マスクもそんな感じです。ネクタイ、ポケットチーフに続く第三のファッション・アイテムですね。東京に住んでいる次女がインスタグラムをやっているのですが、今年の「父の日」にわたしのマスクのことを取り上げていました。「父の日のお祝い」と題した投稿で、「いつもありがとう」「最近カラフルマスクをコレクトしてるらしい笑」と絵文字を交え、わたしのマスク姿の写真を投稿しています。


ザ・リッツカールトン東京のエントランスで


神戸に向かう新幹線のぞみ号の中で


川越観光のバスの中で


銀座トラヤ帽子店を愛用しています!

 

新型コロナウイルスが5類に移行してからは、マスクをする機会も減りました。しかし、コロナに代わって手強い敵が出現しました。猛暑です。帽子を被らずに炎天下の中を歩くとフラフラします。わたしはもともと、ブログ「新しい帽子を買わなくちゃ」で紹介した銀座トラヤ帽子店でボルサリーノを求めていましたが、同店が2022年10月に移転したので、新しいお店に向かいました。そこで、今度はテシの綺麗な色の帽子を買いました。


JR小倉駅のホームで


久留米市美術館の庭園で


松柏園ホテルのバーカウンターで

松柏園ホテルのプールサイドで

 

銀座トラヤ帽子店は、神田・神保町のすずらん通りに大正6年(1917年)3月に開店しました。学生相手に帽子を売り始めますが、これが当たりました。在庫がなくなってしまうことも、しばしばあったといいます。銀座に出店したのは昭和5年(1930年)3月。続いて昭和6年に日本橋店、丸ビル店と出店。昭和20年、東京大空襲により閉店を余儀なくされます。昭和23年、銀座店を再開、同時期に浅草店も開店。昭和35年(1960年)から銀座2丁目、令和4年(2022年)10月から現在の銀座1丁目で営業中です。

人間関係を良くする17の魔法』(致知出版社

 

トシを取ってもお洒落は大事ですね。
拙著『人間関係を良くする17の魔法』(致知出版社)では、第1の魔法として「身だしなみ」を取り上げました。最初に、人間関係を良くする魔法とは「礼法」のことです。礼法において最も基本となるものは、「身だしなみ」「立ち居振る舞い」「言葉遣い」の3つです。最初の魔法である「身だしなみ」とは、身なりを正す心がけです。具体的には頭髪を整え、衣服を正しく着ること、そして女性であれば、化粧を正しくするということも入ります。衣服や化粧で自分を飾るということではなく、相手に不快感を与えない自分でいなければなりません。人間関係を良くするためには、まずは相手に不快感を与えないことが大切です。というより、他人に不快感を与えないことは社会生活を送るうえでの大前提ですね。

年長者の作法』(主婦と生活社

 

しかしながら、「身だしなみ」だけでは小洒落爺にはなれません。もちろん「立ち居振る舞い」や「言葉遣い」も大切ですが、年長者にはもっと心の豊かさというものが求められます。美には外見の美だけでなく、内面の美があります。トシを取ると頑固になり、わがままになって、他人に傍若無人なふるまいをする老人も目立ちます。そういった人は「老害」と呼ばれるのがオチです。わたしも還暦を迎えて老人の仲間入りをしましたが、内面の美しさを追求して、他人に優しい老人になりたいと願っています。そんな想いから、わたしは『年長者の作法』(主婦と生活社)を書きました。10月13日に発売予定です。


小笠原家の三階菱の前で小倉織を着る

 

ファッションに話を戻しますと、わたしは還暦を記念して、小倉織の着物を作りました。染織家の築城則子先生が織って下さったものです。築城先生は小倉高校・早稲田大学を通じてのわたしの大先輩です。大学在学中に能の世界にふれ、その舞台衣装の美しさに強く惹きつけられ、それが染織を始められるきっかけとなったそうです。その後、郷里である小倉にかつて小倉織という伝統文化が存在していたことを知られたといいます。現在、築城先生は小倉織の第一人者として知られ、数多くの賞を受賞されています男の着物は羽織の裏地もポイントですが、。今回の羽織の裏地は「月と兎」。わたしが大の月狂いで、しかも卯年であることから作っていただきました。一生の宝物です!


心ゆたかな老人になりたい!

 

2023年9月28日  一条真也