「ダンスウィズミー」

一条真也です。
夏バテのせいか、どうも身体の調子が優れません。
17日の土曜日は出社しましたが、夜は、景気づけに日本映画「ダンスウィズミー」を観ました。ブログ「イソップの思うツボ」で紹介した作品に続いて、連日の映画鑑賞ですが、前日に続いて今日の作品もショボかったです。(涙)小倉のシネコンで、全部で10ある中の6番目の大きさの劇場だったのですが、ガラガラでした。

 

ヤフー映画 の「解説」には、こう書かれています。
「『ウォーターボーイズ』『ハッピーフライト』などの矢口史靖が監督を務め、自身初のミュージカルに挑んだコメディー。ミュージカルスターになる催眠術をかけられた女性が、ゆく先々で騒動を起こす。ヒロインを、オーディションを勝ち抜いた『旅立ちの島唄 ~十五の春~』などの三吉彩花が演じ、華麗な踊りと歌声を披露する」

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ヤフー映画の「あらすじ」は、以下の通りです。
「一流商社に勤務する鈴木静香(三吉彩花)は、曲が流れた途端に歌って踊らずにはいられなくなるという催眠を催眠術師にかけられる。翌日から静香は、テレビから流れる音、携帯電話の着信音、駅の発車メロディーなど、ちまたにあふれる音楽に体が勝手に反応してしまう。なんとか術を解いてもらおうとするが、催眠術師はどこにもいなかった」

 

「イソップの思うツボ」も「ダンスウィズミー」も、16日が公開日でした。お盆明けという大切な日に何を観ようかと考えたとき、わたしの脳裏にまず浮かんだのは、美しい三吉彩花が主演の「ダンスウィズミー」のほうでした。しかし、ネットでの評価があまりにも低くて鑑賞意欲が萎えてしまいました。現在は3点を超えているようですが、公開前日の15日の時点では2点台だったのです。それで、公開当日までネットで「未評価」となっていた「イソップの思うツボ」を観たのですが、この映画、とても御都合主義で作られており、ガッカリしました。


 

 

それで、「やはりネットの評価など気にしてはいけない。自分の目で確かめなければ」と思って鑑賞した「ダンスウィズミー」でしたが、こちらも負けず劣らずで御都合主義の映画でした。特に主人公の静香が所持金がないのに東京から東北や北海道まで遠出する費用の捻出方法がまったくもってリアリティ・ゼロでした。ホラー映画やSF映画を愛するわたしは、つねづね「非現実的な物語ほど、細部は現実的でなければならない」と考えています。「イソップの思うツボ」も「ダンスウィズミー」も、ある意味で非現実的というか荒唐無稽な話なので、ディテールにはリアリティが欲しかったですね。

 

まあ宣伝文句でしょうが、「ダンスウィズミー」をブログ「ラ・ラ・ランド」で紹介したミュージカル映画の名作の日本版だという意見があるようです。しかしながら、それは「ラ・ラ・ランド」に対して失礼でしょう。ダンスのレベルうんぬんを言う以前の問題があります。「ラ・ラ・ランド」をはじめとするハリウッド産のミュージカル映画では、登場人物たちがハッピーに歌って踊りますが、「ダンスウィズミー」の場合は違います。なぜなら、主人公の静香は催眠術にかけられて無理やり踊らされているのであり、けっして踊りたくて踊っているわけではないからです。

 

この音楽が流れると踊り出す催眠術に主人公がかかっているという設定は、矢口監督には自慢のアイデアかもしれませんが、はっきり言って、アイデア倒れ。というか、ミュージカル映画として最大の弱点になっています。だって、ハッピーでもなんでもなく、嫌々踊っているわけですから。矢口監督といい、「イソップの思うツボ」の上田慎一郎監督といい、それぞれ「ウォーターボーイズ」や「カメラを止めるな!」の大ヒットという過去の成功体験を引きずっているというか、ちょっと自身のアイデアに過剰な自信を抱いているのではないでしょうか。

 

「ダンスウィズミー」の主人公の静香は、小学校時代の学芸会のトラウマもあって、ミュージカルが嫌いです。その証拠に、姪の女の子に対して、「そもそもミュージカルって、おかしくない? さっきまで普通にしゃべってた人が急に歌い出したりしてさ」「ミュージカルなんて、バッカみたい!」などと言い放ちます。じつは、わたしも高校生ぐらいまで、静香と同じ考えでした。意味もなく急に歌ったり、踊ったりするミュージカルが間抜けに見えて、仕方なかったのです。でも、大学生になってレンタルビデオ店でMGMの往年のミュージカル映画の名作などを観まくって、考えが変わりました。ミュージカルとは、このクソ面白くない世界を一瞬で面白くする魔法であることに気づいたのです。

 

しかし、この変てこりんな催眠術映画のおかげで、急に歌い出したり、踊り出したりするミュージカルというものがやはり「おかしな行為」「やばい行動」のように思えてくるではありませんか。たしかに、主演の三吉彩花は頑張っていたし、その長い手足を使ってダイナミックに踊るダンスは見事でした。彼女なら、海外に行って踊っても、当地のプロ・ダンサーたちに見劣りしません。それにしても、「ダンスウィズミー」は脚本が悪すぎます。単なるアブない映画という印象で、わたしはヒロインを演じた彼女が不憫で仕方ありませんでした。

 

というのも、わたしは2013年5月5日に当時16歳だった三吉彩花を初めて見てから彼女の魅力に取りつかれ、ひそかに応援し続けてきたのです。ブログ「昭和館」に書いたように、わたしは小倉の名画座のスクリーンで彼女に出会ったのです。2012年12月15日に公開された「グッモーエビアン!」という映画で多感な女子中学生を演じたのです。「グッモーエビアン!」は、麻生久美子大泉洋三吉彩花らが出演するハートウォーミングなホームドラマです。かつてパンクバンドのギタリストとして鳴らしたシングルマザーとしっかり者の中学生の娘、それに海外の旅から戻ってきた超・自由人の男の物語です。原作は吉川トリコの小説で、「キズモモ。」の山本透が監督を務めています。

 

グッモーエビアン!」では、麻生久美子大泉洋もなかなかの名演技でしたが、とにかく三吉彩花がムチャクチャかわいかった! 吉高由里子成海璃子を足して2で割って、さらにキュートにした感じでした。顔は美形ですし、スタイルは抜群、加えて演技力もありました。わたしは、ブログに「まだ16歳とのことですが、こんな素晴らしい才能が日本映画界にいたとは初めて知りました。10年後には、間違いなく映画界を代表する女優になっていると思います」などと書いています。ちなみに「グッモーエビアン!」には、三吉彩花演じる女子中学生の親友役で「あまちゃん」の主演女優のんも出演しています。

 

現在の三吉彩花は23歳ですが、これだけの美貌があれば、本当はNHKの朝ドラ女優ぐらいとっくに務めていたって、おかしくないと思います。ただ、ファッションモデルだけあって、身長が171センチと、朝ドラのヒロインにしては大きすぎるかもしれませんね。ちなみに、彼女はもともとダンスが特技で、E-girls武部柚那と親交がありE-girlsのファンだそうです。また、乃木坂46のファンでもあり、白石麻衣のファンでもるとか。モデル仲間で仲の良い江野沢愛美とコンビを組む際は「みよまな」、中条あやみとコンビを組む際は、「みよぽー」と称しているそうです。さくら学院の同期でもある松井愛莉とコンビを組む際は「みよまつ」と称するそうです。特に江野沢とのコンビは2人で腕を組み合わせ、ハートマークをを作るポーズの生みの親であり、ファンの間では「みよまなポーズ」と称されているとか。同じ事務所の八木アリサとも仲が良いそうですが、それにしても美女の友達も美女ばかりですね!


 

 

 現在のわたしは今後の日本映画界を担う女優として広瀬すず浜辺美波の2人に期待していますが、じつは彼女たちより先に三吉彩花の魅力を発見していたのでした。そんな彼女がオーデイションまで受けて、やっと話題の映画の主役を務めると知って、父親のように喜んでいたのに、よりにもよってこんな変な映画とは・・・・・・まったく、トホホです。もっと、普通の恋愛映画のヒロインを演じてほしかった。初日舞台挨拶で、監督からのサプライズの手紙に大粒の涙を流した彼女の表情を見て、そう思いました。

 

この映画には、往年のヒット曲がたくさん登場します。山本リンダの「狙いうち」、キャンディーズの「年下の男の子」、サディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」なども懐かしかったですが、なんといっても、SUGARの「ウェディング・ベル」をchay、三吉彩花やしろ優の3人で歌ったのには驚きましたね。しかも、chay演じる歌手の元カレの結婚式の二次会で歌って、「くたばっちまえ!」の決め台詞の後で、パーティーを滅茶苦茶にぶっ壊すという展開。あまり面白くなかったこの映画の中で、唯一、大笑いしたシーンでした。

 

そういえば、わたしはSUGARの「ウェディング・ベル」が大好きで、たしか高校3年生のときにEPレコードを買って、受験時期にもかかわらず、何度も4チャンネルステレオ(!)で聴いたことを思い出しました。あのとき、「俺は何年後ぐらいに結婚式を挙げるのかな?」などと思ったものですが、実際はそれから7年後に結婚しましたね。(笑)高校卒業後、東京の大学に入学したわたしはなぜか六本木に住んで、ディスコ通いの毎日。それこそダンス漬けの生活を送ったのでありました。(苦笑)

 

2019年8月18日 一条真也

「イソップの思うツボ」

一条真也です。
台風一過の16日、その日に公開されたばかりの日本映画「イソップの思うツボ」を観ました。「ダンスウィズミー」とどちらを観ようかと悩んだのですが、「ダンスウィズミー」のネットでの評価があまりにも低くて鑑賞意欲が萎えてしまったので、こちらを選びました。この映画、なんと公開当日までネットでは「未評価」となっていました。試写会をまったく行わなかったということですね。

 

ヤフ―映画の「解説」には、こう書かれています。
「異例のヒットを飛ばした『カメラを止めるな!』のスタッフが再び組んだ異色作。3人の少女たちが出会って始まる奇跡を描く。『きらきら眼鏡』などの石川瑠華、『クロノス・ジョウンターの伝説』などの井桁弘恵、『白河夜船』などの紅甘がヒロインを演じる。『カメラを止めるな!』のメガホンを取った上田慎一郎、同作の助監督の中泉裕矢とスチールの浅沼直也が共同で監督を担当した」

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また、ヤフ―映画の「あらすじ」は、以下の通りです。
「シャイな大学生の亀田美羽(石川瑠華)の友人は、カメだけだった。超売れっ子“タレント家族”の娘で大学生の兎草早織(井桁弘恵)は、いつも恋愛を求めている。戌井小柚(紅甘)は、“復讐代行屋父娘”として行き当りばったりの生活を送っていた」

 

公開当日までネットでは「未評価」となっていた「イソップの思うツボ」ですが、鑑賞して、その理由がわかった気がしました。面白くなくはないのですが、ちょっと企画倒れというか、ストーリーに無理があり過ぎます。この映画に関しては詳しく書くとネタバレになるのですが、あまりにも復讐の動機が弱いし、各所に御都合主義が目立ちます。3人も監督がいて、「何をやってるんだ?」と言いたくなりました。

 

出演している役者さんたちは悪くありません。特に亀田美羽を演じた石川瑠華は初めて見る女優さんですが、もう少し目がパッチリしていれば、広瀬すずに似ていると思いました。兎草早織を演じた井桁弘恵も可愛かったです。ただ、何という名前かわかりませんが、大学の臨時講師になった若い男性がモテる設定になっているのですが、黒縁眼鏡をかけた彼はどう見ても「宮川大輔」のようです。なんで宮川大輔が可愛い女子大生からモテるのか・・・・・・これは、複数の大学で客員教授を務めてきたわたしにとって、まったくリアリティを感じることができませんでした。

 

この映画は、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督を中心とした製作スタッフが再結集し、再び予測不能な物語を紡ぎだしたオリジナル作品です。「カメ止め!」とは全く違うけれど、やはり似てもいます。たとえば、8月13日に更新された「映画.com」には、「家族愛、人間ドラマ、二重の“罠”・・・『カメ止め!』超える物語のカタルシス!」として、以下のように書かれています。
「『 カメ止め!』でも重要な柱となっていた、家族愛や人間ドラマ。本作でもそれは欠かせない柱であるが、少々、毛色が異なる。『カメ止め!』では家族愛によってピンチがチャンスへと好転していくが、本作ではそれによって“人間の裏側”が顔をのぞかせる。人の弱さや本質がえぐり出され、見る者に問いかけるようなドラマが紡がれていくのだ。さらに、開始40分ほどで待ち受ける “構造転換”。そして登場人物同士の騙し合いにより、観客は“二重の罠”に陥る。騙されることで得られるカタルシスは、『カメ止め!』を超えるといっても過言ではない」

 

「映画.com」では、「カメ止め!」と比較して、「熱狂を呼んだ“あの快感”はそのままに、“また別種の魅力”が味わえる」などと評してもいますが、それはちょっと無理があるように思います。「イソップの思うツボ」は構想に約3年が費やされており、じつは「カメ止め!」よりも前から存在していた企画だそうです。まさに「カメ止め!」が大フィーバーとなり、上田監督らが殺人的な忙しさに追われていた18年11月7日に本作の撮影は始まりました。その意味では、「カメ止め!」のほうが丁寧に作られた感は否めません。まあ、「カメ止め!」のヒットがなければ、「イソップの思うツボ」のようなマイナー感が炸裂する映画は全国上映されなかったでしょうけどね。最後に、この映画に登場する「カメ」は「カメ止め!」の駄洒落で、製作者はきっと「カメを止めるな!」と言いたかったのでしょうね。わたしは「だから、何?」と言いたいですけど。(笑)

 

2019年8月17日 一条真也

「ダ・ヴィンチ・デーモン」

一条真也です。
このお盆休みの間、『ハートフル・ソサエティ2020』(弘文堂)をずっと執筆していましたが、おかげさまで、ようやく脱稿しました。執筆の間は「ダ・ヴィンチ・デーモン」のDVD-BOXを少しづつ観ました。平成が終わる最後の夜に、映画通で知られる、「ダンディ・ミドル」こと(株)ゼンリンプリンテックスの大迫会長から教えていただいた作品ですが、非常に面白かったです。

f:id:shins2m:20190816203142j:plainダ・ヴィンチ・デーモン」DVD-BOX1&2 

 

アマゾンの「内容紹介」には、「歴史から消された若きダ・ヴィンチ空白の5年――。ルネサンスフィレンツェを舞台に“天才"が駆け抜ける新感覚ミステリー・アドベンチャー!」として、以下のように書かれています。
「1)『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』シリーズ『マン・オブ・スティール』のクリエーター&脚本家 デヴィッド・S・ゴイヤー製作総指揮・監督・脚本・原案! 天才画家、発明者、戦士、空想家、理想家、未来を見据え、創造していった男、稀大の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。未知なる側面、多くの謎に包まれる空白の数年間が今明かされる!歴史上の偉大なヒーローが駆け抜ける新感覚ミステリー・アドベンチャー誕生!」

 

続けて、アマゾン「内容紹介」には、こう書かれています。
「2)KADOKAWA×BBCが『SHERLOCK/シャーロック』に続き贈り出す本格厳選ミステリーシリーズ!! エミー賞3部門ノミネート! 世界12か国で放送予定。シーズン2作&全米放送決定!
3)圧巻の映像美で魅せる歴史スペクタクル
ダ・ヴィンチ“空白の時代"をテーマに、歴史の闇に葬られたその全貌を解き明かしていく神秘のストーリー展開に思わず息を呑む!! 天才画家というだけでなく、発明者、戦士、空想家、理想家でもあった才気あふれる25歳のレオナルド・ダ・ヴィンチ。超人的な知力と才能を持つ彼は、自分が生きている現実と時代を狭く感じていた。そんなある日、彼の前にある敵が現れる。ダ・ヴィンチは仲間と共に真実を抑圧する敵との戦いに向かって突き進む」

 

ルネサンス期のフィレンツェを舞台に、レオナルド・ダ・ヴィンチが悪に立ち向かうミステリーアドベンチャーですが、史実とフィクションを織り交ぜて、壮大なエンターテインメントに仕上げています。ダ・ヴィンチが主人公の映像作品と言えば、2006年のアメリカ映画である「ダ・ヴィンチ・コード」が有名です。ロン・ハワードが監督を務め、トム・ハンクスが主演するというハリウッド大作でしたが、原作はダン・ブラウンの世界的ベストセラーです。

 

この小説では、ダ・ヴィンチは秘密結社「シオン修道会」のメンバーだったという設定でした。シオン修道会とは、1960年代以降のフィクション、ノンフィクションで扱われた秘密結社の名称です。ブラウンは『ダ・ヴィンチ・コード』の冒頭で「事実」として次のように記しています。
シオン修道会は、1099年に設立されたヨーロッパの秘密結社であり、実在する組織である。1975年、パリの国立図書館が『秘密文書』として知られる資料を発見し、シオン修道会の会員多数の名が明らかになった。そこには、サー・アイザック・ニュートンボッティチェルリヴィクトル・ユゴー、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチらの名前が含まれている」


100文字でわかる世界の宗教』(ワニ文庫)

 

もちろん、このシオン修道会なる秘密結社は完全なフィクションであり、歴史上には実在していません。しかしながら、非常に神秘的な雰囲気を持っており、『ダ・ヴィンチ・コード』をミステリアスに彩りました。TVドラマ・シリーズである「ダ・ヴィンチ・デーモン」にも謎の秘密結社が登場します。「ミトラの子」という組織なのですが、ミトラといえば、キリスト教と同時期にローマで栄えながらも、キリスト教に敗れて歴史の表舞台から退場していった密儀宗教であるミトラ教(ミトラス教)を連想します。ミトラ教については、『100文字でわかる世界の宗教』(ワニ文庫)で紹介しました。

 

ミトラス教は古代のインド・イランに共通するミスラ神(ミトラ)の信仰であったもが、ヘレニズムの文化交流によって地中海世界に入った後に形を変えたものと考えられることが多いです。 紀元前1世紀には牡牛を屠るミトラス神が地中海世界に現れ、紀元後2世紀までにはミトラ教としてよく知られる密儀宗教となりました。ローマ帝国治下で1世紀より4世紀にかけて興隆したと考えられていますが、その起源や実体については不明な部分が多いです。ちなみに、12月25日はイエス・キリストの誕生日である「クリスマス」として知られていますが、実際はイエスが生まれた頃、一大勢力を誇っていたミトラ教の主神の誕生日であるとされています。

 

シオン修道会」とか「ミトラの子」などの秘密結社と結びつけらえれるのも、ダ・ヴィンチという人物がそれだけ神秘的だからでしょう。完璧主義者であった彼は、記録魔としても知られていましたが、じつは25歳前後の記録があまり残っていません。その空白の時間をドラマにしたのが、「ダ・ヴィンチ・デーモン」です。デヴィッド・S・ゴイヤー曰く「インディー・ジョーンズとシャーロック・ホームズとアイアンマンの全ての要素を持ったスーパーヒーロー」として新たに息を吹き込まれた主人公レオナルド・ダ・ヴィンチが大活躍します。

 

実在したレオナルド・ダ・ヴィンチは、天才画家、発明者、戦士、空想家、理想家でした。つねに未来を見据え、創造していった彼は、「万能の天才」の名を欲しいままにしました。「ダ・ヴィンチ・デーモン」では、彼が『紙葉の書』という幻の本を探します。シーズン2では、本を求めて新大陸に乗り込み、マチュピチュで現地人に殺されそうになります。まさにインディー・ジョーンズも顔負けの大冒険を繰り広げるのですが、ダ・ヴィンチの探求心の強さには感銘すら覚えます。

 

彼が命掛けで探し求める『紙葉の書』には宇宙の秘密がすべて書かれており、『聖書』を超える究極の聖典だといいます。わたしは、空海が若い頃に修めたという「虚空蔵求聞持法」を連想しました。この「虚空蔵」とは、元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念である「アカシックレコード」のことだとされています。空海は「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と呼ばれていますが、たしかにこの両人には共通点が多いように思います。わたしは、これまで『孔子とドラッカー』や『龍馬とカエサル』などを書きましたが、いつか、『空海ダ・ヴィンチ』という本を書きたい!

 

ダ・ヴィンチ・デーモン」には、ルネッサンス最盛期の実在の人物もたくさん登場します。ダ・ヴィンチの仲間としてニッコロ・マキャベッリやアメリゴ・ヴェスプッチといった有名人も活躍しますが、一番の親友はなんとゾロアスターという名前です。ローマ教皇シクストゥス、フィレンチェを支配するロレンツォ・デ・メディチナポリの王であるフェランテ、その子であるアルフォンソ公といった、やたら濃いキャラクターたちも印象的です。ローマ教皇シクストゥスなどはこれ以上ないほどの極悪人として描かれているので、BBC製作ということもあり、「これは、もしかして、英国国教会によるカトリックのヘイト作品か」とまで思いましたが、じつはシクストゥスは偽教皇なのでした。(笑)あと、ロレンツォの愛人をダ・ヴィンチが恋人にしたり、やはりロレンツォの恋人がアルフォンソ公の夫人になったりして、表現が下品で恐縮ですが「穴兄弟」たちの嫉妬や対立もちょっとした見所になっています。

 

 

じつは、この「ダ・ヴィンチ・デーモン」、シリーズ3まであるのですが、シリーズ1&2しかDVD化されていません。3のDVD-BOXもアマゾンで購入できるのですが、なぜか英語版だけしか発売されていません。わたしもまだシリーズ1&2しか観ていないのですが、3ではイタリア連合軍とオスマン帝国軍の死闘が描かれ、ダ・ヴィンチも軍事の天才として大活躍するようです。キリスト教イスラム教との大決戦がシーズン3のテーマなわけですが、拙著『ユダヤ教vsキリスト教vsイスラム教』(だいわ文庫)に詳しく書いたように、現在の世界でも、この二大世界宗教の対立が人類の命運を握っていると言えます。


ユダヤ教vsキリスト教vsイスラム教』(だいわ文庫)

 

最後に、この「ダ・ヴィンチ・デーモン」、とても面白いのですが、虚実皮膜とはいえ、やはり本質はフィクションです。それもかなり荒唐無稽なフィクションなので、物語を史実として信じないように気をつける必要があります。この作品によって、わたしの世界史の知識が歪み、ひいては教養を損なうようなことがあってはなりません。(笑)

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レオナルド・ダ・ヴィンチ』上下巻 

 

そこで、これから、ウォルタ―・アイザックソンの『レオナルド・ダ・ヴィンチ』上下、土方奈美訳(文藝春秋)を読もうと思います。これは、ブログ『スティーブ・ジョブズ』で紹介した世界的ベストセラーを書いた作家の最新作で、「遺された全自筆ノートに基づくダ・ヴィンチ伝の最終決定版」と謳われています。この本も、大迫会長から紹介していただきました。読むのが楽しみです!

 

2019年8月16日 一条真也

真夏の同窓会

一条真也です。
74回目の「終戦の日」となる15日は、明け方から超大型の台風10号が北九州を直撃しました。ものすごい暴風雨でしたが、午後からは遠ざかっていきました。

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開始前のザ・テラスで

 

18時から、わが母校である小倉高校の34期同窓会が開催されました。会場は、わが社の松柏園ホテルの新館「VILLA LUCE(ヴィラルーチェ)」のザ・テラスです。この会場で同窓会を行うのは、昨年に続いて2回目です。台風にも関わらず、なつかしい顔が続々と集結しました。

f:id:shins2m:20190815193044j:plain同窓会の冒頭で挨拶しました

小倉高校は、各界で活躍されているOBが多い名門校であります。詳しくは、「福岡県立小倉高校出身有名人」を御覧下さい。お盆休みとあって、この日は東京や大阪などから帰省した同級生をはじめ、たくさんの参加者がありました。名司会者として知られる同級生の鳥本君の司会で、同窓会が華やかにスタートしました。冒頭、34期の当番幹事長であるわたしが挨拶をしました。わたしは「みなさん、今日はお集まりいただき、ありがとうございます。こんなに多くの同級生のみなさんとお会いできて嬉しいです。今日は朝から台風10号の襲来で大変心配しましたが、無事に開催することができて良かったです。これも、わたしの日頃の行いが良いからだと思います」とギャグをかますと、大受けしました。

f:id:shins2m:20190815180350j:plainわたしたちには学縁があります!


また、わたしは「無縁社会などと呼ばれて、血縁が地縁が希薄になっていく嫌な時代ですが、同じ学び舎で同じ時を過ごした者同士の学縁を大切にしたいものですね。ここだけの話ですが、こういう同窓会に積極的に来られる方は幸せな人生を歩まれるような気がします。それでは、わたしたちの学縁に乾杯したいと思います」と言って、乾杯の音頭も取りました。

f:id:shins2m:20190815180426j:plain今宵は大いに飲んで、語り合いましょう!

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上村君が挨拶しました

 

乾杯の発声とともに、合図に部屋のカーテンが一斉に開いて新館テラスの全貌が見えると、「おおっ!!」という歓声が上がりました。それからは懇談タイムです。同級生たちと昔の思い出話をしたり、近況を報告したりしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。その後、当番副幹事長の上村君が明陵同窓会の副会長に就任したという報告があり、上村君の挨拶がありました。

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同窓会のようす

f:id:shins2m:20190815180535j:plainまあ、イッパイどうぞ!

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たくさん語り合いました

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立ち話もしました


いつも思うのは、高校の同級生ほど気の合う存在はないということ。なぜなら、出身地が同じ、年齢が同じ、加えて学力もしくはIQがだいたい同じくらい(?)ということで、このように三拍子が揃っているからです。この日は、参加者全員の近況報告も行いました。みんな、スピーチが上手なので驚きました。50代も半ばを過ぎると、人生に厚みが出ている印象でした。

f:id:shins2m:20190815195854j:plainカラオケ大会のようす

 

その後、カラオケ大会が行われました。冒頭は、わたしが書いたブログ「終戦の日」を読んだという司会の鳥本君がジローズの「戦争を知らない子どもたち」を歌いました♪ それから多くの人が歌いましたが、みなさん、想像以上にカラオケが上手で驚きました。褒章の受章が確実視されている某公立中学校の校長先生が矢沢永吉の「SOMEBODY'S NIGHT」をノリノリで歌い上げたときは爆笑でした。

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カラオケ大会のようす

f:id:shins2m:20190815201200j:plain素晴らしい歌声に拍手!!

 

また、大病院の麻酔科の第一人者として知られる先生は、世良公則とツイストの「燃えろ、いい女」を熱唱したおきも爆笑でした。カラオケというのは、どうも、その人の本性というか、人間性が垣間見れるようです。いやあ、まことに興味深かったです。ちなみに、わがカラオケ仲間であるTOP保険サービス社長の野嶋君はTUBEの「BEACHTIME」を歌いました♪ いつものように、途中で松田聖子の「青い珊瑚礁」に変わっていきましたけど。(笑)

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最後は、わたしの番でした

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「まつり」の口上を述べました

f:id:shins2m:20190815202536j:plain男は~ま~つ~り~を~♪

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いきなり大盛り上がり!

 

最後は、わたしの番が来ました。わたしはこの日は歌うつもりはまったくなかったのですが、司会者の鳥本君のリクエストにより、意を決して「まつり」を歌いました♪ 
イントロの部分で、「年がら年じゅう、お祭り騒ぎ。初宮祝に七五三、成人式に結婚式、長寿祝に葬儀を経て法事法要・・・人生は祭りの連続でございます。今日は台風10号も去って、無事に小倉高校34期の同窓会が開催できて、こりゃめでたいなあ~。今日は祭りだ! 祭りだ!」と言ってから、歌い出しました。わたしが「男は~ま~つ~り~を~♪」と歌い始めると、大いに盛り上がりました。

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同級生と握手しました

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同級生と握手しました

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これが明陵祭り~だ~よ~♪

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イエーイ!!

 

途中、同級生のみなさんと握手をしながら会場を回りました。「これが日本の祭り~だ~よ~♪」の歌詞を「これが明陵祭り~だ~よ~♪」に替えて歌い上げると、興奮が最高潮に達しました。最後は「みなさん、今日はありがとうございました。また、お会いしましょう!」と叫ぶと、割れんばかりの盛大な拍手をいただきました。歌い終わった後、「同級生に、こんなカラオケの達人がいたとは!」「いつもブログで見ていたが、実物に初めて触れて感動した!」「社長業や作家業よりも、歌手のほうが向いているのでは?」「今まで落ち込んでいたが、なんだか元気が出てきた!」「ぜひ毎年、歌ってほしい!」などの過分な言葉をいただき、わたしはたいそう感激しました。

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校歌斉唱のようす

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みんなで校歌を斉唱しました♪

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中締めのようす

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最後に集合写真を撮影しました

 

最後は、みんなで校歌を斉唱しました。校歌を歌うと、いつも胸が熱くなります。そして、昨年の同窓会でみんなから「日本経営品質賞」の受賞を祝ってもらった野嶋君(TOP保険サービス社長)による中締めがありました。台風一過のこの夜は、かけがえのない「学縁」を確認し合った有意義かつ楽しい時間となりました。同窓会の終了後は、みなさんが乗ったバスを見送りました。

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同級生の乗ったバスを見送りました

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みんな、元気で! また、会おう!


2019年8月15日 一条真也

終戦の日

一条真也です。
超大型の台風10号によって、九州の一部が暴風域に。
明け方には北九州を直撃、記録的大雨が予測されます。
8月15日になりました。今年も「終戦の日」が来ました。令和最初の「終戦の日」です。日本人だけで実に310万人もの方々が亡くなられた、あの悪夢のような戦争が終わって74年目を迎えました。今年の夏はことさら暑いです。


70回目の「終戦の日」は靖国神社を参拝しました

靖国神社での黙祷のようす


ブログ「終戦70年の日」で紹介したように、70回目の大きな節目となった2015年の8月15日は靖国神社を参拝しましたが、今年は九州は小倉の地で黙祷いたします。終戦60年の2005年8月、わたしは次の短歌を詠みました。

 

ひめゆりよ知覧ヒロシマナガサキよ 

  手と手あはせて祈る八月 (庸軒)

 

先の戦争について思うことは、あれは「巨大な物語の集合体」であったということです。真珠湾攻撃戦艦大和、回天、ゼロ戦、神風特別攻撃隊ひめゆり部隊沖縄戦満州硫黄島の戦い、ビルマ戦線、ミッドウェー海戦東京大空襲、広島原爆、長崎原爆、ポツダム宣言受諾、玉音放送・・・挙げていけばキリがないほど濃い物語の集積体でした。それぞれ単独でも大きな物語を形成しているのに、それらが無数に集まった巨大な物語の集合体。それが先の戦争だったと思います。


靖国神社にて

 

実際、あの戦争からどれだけ多くの小説、詩歌、演劇、映画、ドラマが派生していったでしょうか・・・・・。「物語」といっても、戦争はフィクションではありません。紛れもない歴史的事実です。わたしの言う「物語」とは、人間の「こころ」に影響を与えうる意味の体系のことです。人間ひとりの人生も「物語」です。そして、その集まりこそが「歴史」となります。そう、無数のヒズ・ストーリー(個人の物語)がヒストリー(歴史)を作るのです。

 

戦争というものは、ひときわ歴史の密度を濃くします。ただでさえ濃い物語が無数に集まった集積体となるのです。「巨大な物語の集積体」といえば、神話が思い浮かびます。そう、『古事記』にしろ『ギリシャ神話』にしろ、さまざまなエピソードが数珠つながりに連続していく物語の集合体でした。いま、今日が「終戦の日」であることも知らない若者が増えているそうです。彼らにとって戦争など遠い過去の出来事なのでしょう。それこそ、太古の神話の世界の話なのかもしれませんね。

 

わたしの好きな歌の1つに「戦争を知らない子供たち」があります。この歌は単純な反戦ソングなどでなく、もっと深い意味があるように思えます。「神話からの解放」そして「新たな神話の創造」を宣言する歌のように思えるのです。戦争という愚行を忘れるのはいい。でも、先人の死を忘れてはなりません。死者を忘れて生者の幸福など絶対にありえないからです。そんなことを考えながら「戦争を知らない子供たち」を聴くと、また違ったメッセージを感じることができます。わたしは、平和の歌を口ずさみながら、門司港にある世界平和パゴダを参拝する予定です。そこで、わたしなりに戦没者の方々に心からの祈りを捧げたいと思います。

 

世界平和パゴダでは、ミャンマー仏教などの上座仏教の根本経典である「慈経」が唱えられるでしょう。このお経は、ブッダが最初に説いたとされる平和の祈りです。わたしは、「慈悲の徳」を説く仏教の思想、つまりブッダの考え方が世界を救うと信じています。「ブッダの慈しみは、愛をも超える」と言った人がいましたが、仏教における「慈」の心は人間のみならず、あらゆる生きとし生けるものへと注がれます。わたしは、この「慈経」を自分なりに自由訳したいと思い立ちました。そして、2014年に『慈経 自由訳』(三五館)を上梓しました。

 

慈経 自由訳

慈経 自由訳

 

生命のつながりを洞察したブッダは、人間が浄らかな高い心を得るために、すべての生命の安楽を念じる「慈しみ」の心を最重視しました。そして、すべての人にある「慈しみ」の心を育てるために「慈経」のメッセージを残しました。そこには「すべての生きとし生けるものは、すこやかであり、危険がなく、心安らかに幸せであれ」と念じるブッダの願いが満ちています。

 

また2年前、わたしは『般若心経 自由訳』(現代書林)を上梓しました。自由訳してみて、わたしは日本で最も有名なお経である『般若心経』がグリーフケアの書であることを発見しました。このお経は、死の「おそれ」も死別の「かなしみ」も軽くする大いなる言霊を秘めています。葬儀後の「愛する人を亡くした」方々をはじめ、1人でも多くの方々に同書をお読みいただき、「永遠」の秘密を知っていただきたいと願っています。最後に、先の戦争で亡くなられたすべての方々の御冥福を心よりお祈りいたします。合掌。

 

般若心経 自由訳

般若心経 自由訳

 

2019年8月15日 一条真也

太陽の光線は、美人の顔も照らせば、犬の糞も照らしている(中村天風)

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一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、異色の哲学者・中村天風の言葉です。「太陽の光線は、美人の顔も照らせば、犬の糞も照らしている」とは強烈なインパクトのある言葉ですね。特に「犬の糞」が!天風は多くの名言を残していますが、これはわたしの最も好きな言葉です。

 

盛大な人生

盛大な人生

 

天風が言いたいのは、「太陽は万物にとって平等である」ということですね。そう、太陽はあらゆる地上の存在に対して平等です。太陽光線は美人の顔にも降り注げば、犬の糞をも照らすのです。わが社の社名は「サンレー」ですが、万人に対して平等に冠婚葬祭を提供させていただきたいという願いを込めて、太陽光線(SUNRAY)という意味を持っています。

 

太陽といえば、サンレーグループ佐久間進会長の人生とは、太陽の追求の連続でした。 千葉県の房総半島に生を受けた会長は、少年期、太平洋に面した鴨川市の沖に浮かぶ仁右衛門島から昇る荘厳な日の出に心の底から魅せられたそうです。 その島がかの日蓮上人の修行の地と知りました。 若き日の日蓮は島によく渡っては、洞窟の中に座って朝の光を浴びながら修行したといわれます。 日蓮は我が佐久間一族の祖先とも浅からぬ縁があるようですが、1253年に清澄山頂で、大海原から昇る朝日に向かって、初めて「南無妙法蓮華経」と唱えたといいます。 その日蓮の同郷人として大いに影響を受けた佐久間会長の心は自然と太陽を追い求めるようになったのです。


佐久間会長の一代記『太陽を追う男』

 

その後、佐久間会長は創業した会社の社名を「太陽の光」を意味する「サンレー」とし、国内で日照時間が一番長い宮崎、逆に一番短く最も太陽を求めている金沢、そしてまさに太陽の国・沖縄など太陽に関連する土地に次々に進出し、人々の心を明るく照らすべくチャレンジしてきました。 佐久間会長は、「私の生涯は太陽、それも美しい日の出を追い求めていたような気がする。石垣島の日の出は世界一だと思うし、九州では門司の青浜から見る日の出が素晴らしい」と、語っています。 わが社は「太陽を追う男」が創業した、いわば「太陽を追う会社」なのです。 2004年には「スポーツ報知」に「現代の求道者」という佐久間会長の一代記が連載され、また単行本にもなりました。 その後、『太陽を追う男』の単行本がスポーツ報知社から出版されました。

 

さて、太陽といえば、ブログ「太陽と死は直視できない(ラ・ロシュフーコー)」で紹介したように、「太陽と死は直視できない」という言葉があります。直視できないという「不可視性」だけでなく、太陽と死には「平等性」という大きな共通点があります。 わたしは、「死は最大の平等である」と信じています。太陽と同じく、「死」も平等です。「生」は平等ではありません。生まれつき健康な人、ハンディキャップを持つ人、裕福な人、貧しい人・・・「生」は差別に満ち満ちています。しかし、王様でも富豪でも庶民でもホームレスでも、「死」だけは平等に訪れるのです。

 

しかしながら、日本社会の現状はどうなっているでしょうか?
自殺、行き倒れ死、孤独死、無縁死・・・・・日本人の死に方が不平等になってきました。 「死」そのものは平等でも「死に方」が不平等なのです。なんとか、すべての日本人が平等な死を迎え、最期の儀式で心安らかに旅立っていただきたい。 それが、わたしたち親子の願いです。「隣人祭り」をはじめとした取り組みの背後には、すべてその想いがあります。 なお、今回の中村天風の名言は、『ハートフル・カンパニー』(三五館)にも登場します。

 

ハートフル・カンパニー―サンレーグループの志と挑戦

ハートフル・カンパニー―サンレーグループの志と挑戦

 

 

2019年8月14日 一条真也

 

「仏・法・僧」と鳴く鳥  

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静かな林の中の草堂で、座禅を組んで明け方を迎えると、ふいに鳥が、「仏・法・僧(ブッポウソウ)」と鳴いた。鳥ですら、仏の教えを説いているのに、どうして人間が仏の教えを無視できるだろうか。鳥の声と人の心。雲の光と水の色。あらゆるものが仏の徳の現われなのだ。(『性霊集』)

 

一条真也です。
空海は、日本宗教史上最大の超天才です。
「お大師さま」あるいは「お大師さん」として親しまれ、多くの人々の信仰の対象ともなっています。「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」の異名が示すように、空海は宗教家や能書家にとどまらず、教育・医学・薬学・鉱業・土木・建築・天文学・地質学の知識から書や詩などの文芸に至るまで、実に多才な人物でした。このことも、数多くの伝説を残した一因でしょう。

 
超訳空海の言葉

超訳空海の言葉

 

 

「一言で言いえないくらい非常に豊かな才能を持っており、才能の現れ方が非常に多面的。10人分の一生をまとめて生きた人のような天才である」
これは、ノーベル物理学賞を日本人として初めて受賞した湯川秀樹博士の言葉ですが、空海のマルチ人間ぶりを実に見事に表現しています。わたしは『超訳 空海の言葉』(KKベストセラーズ)を監訳しました。現代人の心にも響く珠玉の言葉を超訳で紹介します。

 

2019年8月14日 一条真也