「オマージュ」

一条真也です。東京に来ています。
ホワイトデーの14日、新宿で映画関係の打ち合わせをしました。わたしも出演するドキュメンタリー映画グリーフケアの時代」が今年9月に上映予定なのです。その後、新宿武蔵野館韓国映画「オマージュ」を見ました。


ヤフー映画の「解説」には、こう書かれています。
「ヒット作のない映画監督が、韓国で1960年代に活動した女性映画監督の作品の修復作業を通して、自身の人生を見つめ直すヒューマンドラマ。フィルムの失われた部分を探す過程でさまざまな人と出会った主人公が、映画業界に身を置いた女性たちの苦難を知る。主人公の映画監督を『パラサイト 半地下の家族』などのイ・ジョンウンが演じ、共演は『それから』などのクォン・ヘヒョや『王の願い ハングルの始まり』などのタン・ジュンサンら。監督を『マドンナ』などのシン・スウォンが務める」

 

ヤフー映画の「あらすじ」は、以下の通りです。
「ヒット作がなく新作を撮る目処も立たない映画監督のジワン(イ・ジョンウン)は、1960年代に活動した女性映画監督ホン・ジェウォンの映画『女判事』の修復の仕事を依頼される。ジワンは家族との日常生活を送りながら自身の映画を撮りたいと願っていたが、失われたフィルムの一部を求めて関係者を訪ね歩く中で、かつて映画業界で活動していた女性たちの苦難を知る」


まず、この映画はわたしの好みではありません。なぜなら、わたしが好きな映画には美男美女が欠かせませんが、この映画には一切登場しないからです。それでも、「映画のための映画」だと言うことで鑑賞したのですが、ブログ「エンドロールのつづき」ブログ「エンパイア・オブ・ライト」ブログ「フェイブルマンズ」で紹介した最近の「映画のための映画」に比べるとパンチ力不足であると感じました。それにしても、「オマージュ」を観ると、女性が映画を撮ること、女性が監督になることの壁を嫌というほど感じてしまいます。それは1960年代の韓国でなくとも、現在の世界各国でも同じだと思います。


韓国は儒教色が濃い国なので、男尊女卑だと思われますが、「オマージュ」ではそうでもありませんでした。酔っ払って帰宅した夫がイ・ジョンウン演じる妻に「水をくれ!」と言っても、妻は「自分でコップに入れれば」と言い放ちますし、家庭内では食器洗いは父親も含む家族全員の当番制となっていました。女性の映画監督といえば、1996年に始まった「あいち国際女性映画祭」は、世界各国・地域の女性監督による作品、女性に注目した作品を集めた、国内唯一の国際女性映画祭。男女共同参画社会の実現に向けて、女性の生き方や女性と男性の相互理解などさまざまなテーマの作品を上映することによって、社会のあり方について考えてもらうことを目的としています。


27回目となる「あいち国際女性映画祭2022」は、2022年9月8日から11日にかけて開催されました。オープニングを韓国映画「ギョンアの娘」が飾りました。世の中を信じない母ギョンアと世の中に負けたくない娘ヨンスの物語で、「全州(チョンジュ)国際映画祭」で2冠を達成したキム・ジョンウン監督の長編映画です。1人で生きる女性ギョンア(キム・ジョンヨン)に力を与えてくれる唯一の存在である娘ヨンス(ハ・ユンギョン)は独立した後、顔さえ見るのが難しい存在でした。そんなある日、別れた彼氏が流出した動画一つにヨンスの平凡な日常が崩れ、事件は穏やかだった母娘の人生に手のほどこしようもない波動を起こすのでした。


「オマージュ」は失われた映画フィルムを探す物語ですが、わたしはブログ「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」で紹介した中国映画を連想しました。1969年、文化大革命時代の中国。強制労働所送りになった男(チャン・イー)は、22号という映画本編前のニュースフィルムに娘が1秒だけ映っていることを知り、娘の姿を見たい一心で強制労働所から脱走します。映画館のある村を目指す道中、フィルム缶を盗む子供(リウ・ハオツン)を目撃した男は、娘が映っている22号のフィルムかと思いその子供を捕まえます。身寄りのない子供はリウという名前の少女で、やがて成り行きで小さな村にたどり着いた2人は、村で勃発した騒動を通じて奇妙な絆で結ばれていくのでした。数カ月に一度の映画上映を待つ人々のスクリーンを見つめる恍惚とした表情、損傷したフィルムが無事に復旧して映画が観られるとわかったときの大歓声・・・もう、この場面だけで泣けてきます。まさに、この映画は「映画のための映画」の大傑作だと言えるでしょう。

死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)

 

「オマージュ」には、監督も出演者の多くもすでに死去している映画のフィルムが登場します。当然ながら、フィルムに映っている人物の多くは、死者です。古い映画フィルムは一種の霊園として死者たちの住処となっているのでした。拙著『死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)に詳しく書きましたが、わたしは映画を含む動画撮影技術が生まれた根源には人間の「不死への憧れ」があると思います。映画と写真という2つのメディアを比較してみましょう。写真は、その瞬間を「封印」するという意味において、一般に「時間を殺す芸術」と呼ばれます。一方で、動画は「時間を生け捕りにする芸術」であると言えるでしょう。かけがえのない時間をそのまま「保存」するからです。そして、映画館という人工洞窟の内部において、わたしたちは臨死体験をするように思います。なぜなら、映画館の中で闇を見るのではなく、わたしたち自身が闇の中からスクリーンに映し出される光を見るからです。闇とは「死」の世界であり、光とは「生」の世界です。つまり、闇から光を見るというのは、死者が生者の世界を覗き見るという行為なのです。つまり、映画館に入るたびに、観客は死の世界に足を踏み入れ、臨死体験するわけです。

心ゆたかな映画』(現代書林)

 

わたし自身、映画館で映画を観るたびに、死ぬのが怖くなくなる感覚を得るのですが、それもそのはず。わたしは、映画館を訪れるたびに死者となっているのでした。さらに、映画を含む動画撮影技術が生まれた根源には人間が「死」を乗り越えたいという願いが込められていると思えます。「死」のセレモニーといえば葬儀ですが、葬儀も映画も、人の心にコンパッションを生み出し、グリーフケアの機能を果たす総合芸術です。そして、映画による縁としての「映縁」は永遠の心の結びつきです。初対面の人でも映画好きと聞いて映画の話に花が咲き仲良くなったり、友人や家族と観に行って死生観を共有したり、何十年も前に観た映画のたった一言のセリフが今でも心に刻まれていたり、それがまた人と繋がるきっかけになったり・・・・・・拙著『心ゆたかな映画』(現代書林)にも書いたように、同じ映画を観て感動することは最高の人間関係だと言えるでしょう。映縁は永遠なり!

 

2023年3月15日 一条真也

マスク緩和の翌日、東京へ!

一条真也です。
ハッピー・ホワイトデー! 
14日の朝、わたしは北九州空港に向かいました。東京に出張するのです。朝は気温3度で寒かったので、コートを着ていきました。新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールが緩和され、13日から脱マスクの日常が始まりました。その翌日の東京はどうなっているでしょうか?

北九州空港の前で

本日の北九州空港のようす

 

今回の東京出張は、一般社団法人  全日本冠婚葬祭互助協会の理事会および一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団の打ち合わせの他、出版関係や映画関係の打ち合わせ、業界誌のインタビュー取材の打ち合わせなど盛りだくさんです。マスク着用が緩和されましたが、北九州空港にはノーマスクの人は見当たりません。

いつも見送り、ありがとう💛

それでは、行ってきます💛

 

この日も、10時10分発のスターフライヤー78便に搭乗。乗客率は8割ぐらいといった感じでしょうか。この日のわたしは、ネクタイ&ポケットチーフ&不織布マスクをピンクパープルでコーディネイトしました。ブログ「マスクを楽しむ!」のように、わたしは多彩な色のマスクを着用しますが、常に「悪目立ちしない」ことを意識します。飛行機では、必ず不織布マスクを着用します。マスク緩和以降も、わたしはしばらく着用するつもりです。第一、大量のカラフル・マスクのストックがありますから、使わないともったいない!(笑)


奥田知識志さんにお会いしました

奥田知志ツイッターより

 

北九州空港の搭乗口の前に座っていたら、声を掛けられたので、そちらを振り向くと、「隣人愛の実践者」こと認定NPO法人抱樸の理事長である奥田知志さんが笑顔で立っておられました。わたしは奥田理さんを隣のイスにお誘いして、久々の再会を喜び合いました。また、ブログ「奥田知志さんの来社」で紹介したビッグプロジェクトである「希望のまち」の進捗状況をお聴きし、現在わたしが執筆中の『ウェルビーイング?』『コンパッション!』の2冊の内容について、さらには北九州市八幡西区にウェルビーイング&コンパッションのWC施設を作る構想などをお話しました。無縁社会を乗り越える活動の同志にお会いして、わたしはとても幸せな気分になりました。なお、おわかりかとは思いますが、わたしの顔が異様に大きく写っているのは遠近法のせいであります。念のため(笑)

スターフライヤーの機内で

機内では、読書しました

 

機内では、いつものように読書をしました。この日は、『女帝 メリー喜多川』小菅宏著(青志社)を読みました。ブログ「小倉から姫路へ」で紹介した同じ著者の『異能の男 ジャニー喜多川』の続編です。著者は、ジャニーズ事務所の取材担当50年で、元大手出版社編集者の作家です。「SMAP「嵐」をめぐる真相と決断、 一途なる経営理念、年商1千億円のジャニーズ帝国を築き上げた鉄の女の誰も書けなかった禁断の素顔を暴き出した本です。本書が刊行された2022年は元祖ジャニーズあおい輝彦飯野おさみ真家ひろみ中谷良)が結成され、ジャニーズ事務所が1962年に創業して丸60年でした。半世紀を超える記念碑的な年回りとなりましたが、著者はメリーとジャニーの喜多川姉弟に出会ってその半世紀を超える日数を経験したそうです。ジャニーズ事務所の半世紀を超える原動力の根源は晩年に女帝と呼ばれたメリー喜多川の圧倒的な力を抜きにして語れません。本書はこれまで明かされなかったメリーの貪欲な野望の生きざまを、週刊誌の担当編集者として(後に物書きとして独立)仕事をしてきた著者の、50年にわたる全記録です。それだけに、なかなか読み応えがありました。


機内の窓から富士山が見えました


羽田空港に到着しました


羽田空港にて

今日のフライト中に見事な富士山が窓から見えました。わたしは三度の飯よりも富士山が好きなので、元気になりました。「今日は、奥田さんにも会えたし、富士山も見れたし、きっと良いことあるぞ!」と思いました。羽田空港には5分早い11時40分に到着しました。北九州空港の気温は6度でしたが、羽田空港は12度でした。春の訪れを感じます。ノーマスクの人はチラホラ見かけましたね。

いつものラーメン店に入りました

ラーメンメニュー


ほぐし味噌ラーメン&チャーハン小

 

ランチタイムが近かったので、わたしは、いつものラーメン店に入って「醤油ほぐし味噌ラーメン」を注文しました。わたしは九州の豚骨ラーメンよりも、味噌ラーメンとか醤油ラーメンの方が好きなのです。食後は、赤坂見附の定宿に向かいます。その後は、西新橋で業界の打ち合わせをしてから、新宿に移動して映画関係の打ち合わせです。

さあ、これから行動です!

 

2023年3月14日 一条真也

ホワイトデー

一条真也です。
ハッピー・ホワイトデー!
3月14日は、ホワイトデーですね。
3月というのはけっこう忙しくて出張していることが多いのですが、今年も14日から東京出張します。

ホワイトデーの品の一部with一条人形

 

毎年、「ああ、ホワイトデーか」とため息まじりの言葉が出ます。ホワイトデーは、バレンタインデーに女性からチョコレートなどを貰った男性が、そのお返しをする日とされています。いわゆる返礼としての贈与です。

 

贈与論 他二篇 (岩波文庫)

贈与論 他二篇 (岩波文庫)

 

 

ブログ『贈与論』で紹介した本の著者であるフランスの社会学者マルセル・モースは、贈与を巡る義務として、贈り物を与える義務(提供の義務)、それを受ける義務(受容の義務)、お返しの義務(返礼の義務)の3つを指摘しました。『贈与論』は、何度も読み返している名著です。

 

決定版 年中行事入門

決定版 年中行事入門

 

 

拙著『決定版 年中行事入門』(PHP研究所)にも書きましたが、日本でバレンタインデーよりもホワイトデーのほうがスムーズに普及した背景には、「お返しの義務」があったと思います。物を贈ると「菓子」ならぬ「貸し」ができます。贈られた側には「借り」ができます。日本男児としては、女子に借りがあってはならぬというわけです。

 

ちなみに、ブログ「バレンタインデー」で紹介したように、わたしは今年のバレンタインデーにもチョコを贈られました。相手は、家族をはじめ、読者、社員、飲食店の方々などです。贈っていただいた方々には、お返しとして、ブランド物のハンカチなどを贈ります。地元の百貨店である「井筒屋」さんでまとめ買いしました。こういうときは、地元の百貨店を応援しないと!それにしても、馬鹿にならない出費です。本音を言えば、もう義理チョコはいらない気も・・・。とはいえ、義理がすたれば、この世は闇よ♪ 村田英雄が「人生劇場」で歌っていましたね。

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2023年3月14日 一条真也

『ウェルビーイング・マネジメント』

ウェルビーイング・マネジメント

 

一条真也です。
ウェルビーイング・マネジメント』加藤守和著(日本経済新聞出版)を読みました。著者は、一橋大学経済学部卒。シチズン時計人事部を経て、デロイトトーマツコンサルティング、コーン・フェリー等に在籍。人事領域における豊富な経験をもとに、組織設計、人事制度構築、退職金制度構築、M&A支援、リーダーシップ開発、各種研修構築・運営支援等、ハードとソフトの両面からの組織・人事コンサルティングを20年間にわたり、約100社以上に実施。著書に『生産性向上に効くジョブ型人事制度』(日本生産性本部 労働情報センター)、『「日本版ジョブ型」時代のキャリア戦略 38歳までに身につけたい働き方のかたち』(ダイヤモンド社)、『日本版ジョブ型人事ハンドブック(日本能率協会マネジメントセンター)』など。


本書の帯

 

本書の帯には、「働き方改革ダイバーシティ、人材獲得・・・。『選ばれる会社』はなぜ“豊かさ”に注目するのか。」「生産・ヒト・共同体・生活・・・4つのエンゲージメントで新時代の組織づくりを徹底解説」カバー前そでには、「リモートワークの広がりなどで、働き方がここ数年大きく変わった。これに伴い、ビジネスパーソンの価値観も多様化した。『仕事がつまらなくなった』という声も増えるなか、企業はいかに良質な社員体験を構築するかがカギになっておる。『選ばれる組織』になるために必要なことは何か?」と書かれています。


本書の帯の裏

 

アマゾンの【内容紹介】には、「大企業の権威、立地、所属意識・・・・・・。すべてがなくなったいま、「優秀な社員」をつなぎ止めるために組織が行うべきことは何か? 「4つの指標」で徹底解説! コロナにより、行動様式が一気に多様化した。通勤などの「当たり前」が崩壊するなかで、組織の役割は大きく変わった。もはや会社というものは、ブランド名では推し量れなくなり、所属意識も大きく低下した。会社や仕事そのものが大きく意味を変え、個人ごとに多様な選択肢と捉え方が生まれた。だからこそ、組織が社員に対して「幸せな経験」をプロデュースしていくことこそが、社員を繋ぎとめ、動機づけるのに必要となります。

 

そのためには、オフィスのあり方、マネジメントのあり方、教育のあり方など、大きく見直さなければなりません。本書は現場のマネジャーや経営層、人事担当者に向けて、部下・社員のエンゲージメントやモチベーションの低下、退職を防ぐためにどのようなことができるのかを事例をもとに解説。ウェルビーイングを実現するために最大のポイントとなる「社員の幸福度」に焦点を当て、4つの観点で分析。さらに、【新時代の組織・個人にとって重要な4つの指標】として、「仕事:没入感のある価値を感じられる仕事」「人:敬意を持ち、学びや刺激を得られる上司・同僚」「共同体:共感する方向性があり、仲間意識や所属実感を持てるつながり、生活:家庭・趣味・リラックスした居場所など、人生を充足している実感」とあります。

 

本書の【目次】は、以下の構成になっています。
第一章 「社員から選ばれる会社」
     は何が違うのか
グローバル企業も模索するこれからの「働き方」
国家レベルでの人材獲得競争の過熱
日本企業を襲う大憂鬱時代
経営陣と社員の間の「ズレ」が企業を崩壊させ
 「余白」がなくなり、「無関心」が加速する
第二章 充実した体験をつくる
    4つのエンゲージメント
    (WPCL)
ワーク・エンゲージメント
ピープル・エンゲージメント
コミュニティ・エンゲージメント
多様なコミュニティとの結びつきが仕事を円滑にする
ライフ・エンゲージメント
第三章 6つのファクターでみる
    「これからの組織」とは
社員体験を充実させる3つの大原則
【ファクター1】働き方 
自己選択と組織生産性を両立できる柔軟性のある働き方
【ファクター2】オフィス 
つい足を運びたくなるオフィスとは
【ファクター3】仕事 
没入し、夢中になれる仕事
【ファクター4】人間関係 
親和的かつ刺激のある人間関係
【ファクター5】上司 
経緯と信頼が持てる上司
【ファクター6】ビジョン・パーパス
共感を呼び、求心力となり得るビジョン・パーパス
「おわりに」

 

「はじめに」で、著者は、ウェルビーイングについて「幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態を指す。『本物の充実』とは、まさにウェルビーイングそのものである。そのうえで、注目すべきは、『体験の価値』だ。たとえば、顧客体験という言葉が、昨今は当たり前のように使われるようになってきた。顧客体験には、『真実の瞬間』が存在する。簡単に言うと、『顧客は、その企業に接するほんの短い瞬間でも、その企業のサービス全体に対する良し悪しを判断する』ことだ」と述べています。いくら立派なレストランであって、美味しい食事が出てきても、接客で嫌な対応があれば、そのレストランの最終満足度は低くなります。


そして、嫌な体験をした多くの顧客は、何も言わずに、そのレストランを二度と選ばなくなるとして、著者は「同じことが、企業と社員の間にも当てはまる。『良い体験』を重ねた社員は、企業を好意的に捉え、貢献しようとするが、『悪い体験』を重ねた社員は意欲を損なったり、会社を去ったりする。企業と社員の『真実の瞬間』は、そのつながりを強固にする機会でもあり、決定的な亀裂を生む脅威ともなり得る。残念ながら、その『体験の価値』に気づいていない企業が、日本企業のなかには数多くあるように見受けられる」と述べるのでした。

 

第一章「『社員から選ばれる会社』は何が違うのか」の「グローバル企業も模索するこれからの『働き方』」の「世界中の社員が突きつける『NO』 大退職時代(The Great Resignation)の到来」では、コロナ禍を経て、テレワークなどの柔軟な働き方を求める人が増えたことが指摘されます。一方で、企業に よってはオフィス回帰の流れが起きており、それを受け入れられずに退職する人が出てきました。しかし、自主退職が増えた理由は、それだけではないとして、著者は「仕事に対して生きがいが見出せずに辞めた人や、仕事の負担が増えたことによる燃え尽き(バーンアウト)退職をしてしまった人もいる。女性の自主退職は男性の約2倍になっており、コロナ禍での子育てと仕事の両立の負荷が一気にのしかかったことが原因とみられている。他にも、マネージャーへの不満、出社したいと思えない組織文化、不透明な経営方針など、テレワークの環境下だからこそ生まれた不満や葛藤が社員に蓄積されている」と述べています。


「国家レベルでの人材獲得競争の過熱」の「加速度的に変化していくVUCAな世界」では、世の中は、少し先に何が起こるか分からない混沌としたVUCAな時代に突入していると指摘しています。VUCAとは、Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確実さ)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(曖昧さ)の頭文字をとった言葉で、あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難になったことを指します。著者は、「未来は、決して現在の延長線上にあるわけではなく、破壊と創造を繰り返しながら全く新しい世界を創り出している」と述べています。


コロナ禍はまさに非連続な時代の転換を象徴する出来事とも言えるだろうとして、著者は「盤石な経営基盤を誇った航空・鉄道等の移動インフラや、インバウンド需要を取り込み活況だった観光・飲食業などは大きな痛手を被った。一方で、ウーバーイーツなどのデリバリーサービスや、非接触型の配膳・接客ロボット、ネットフリックスなどの動画配信サービスなどが一気に広がり、人々の生活を一変させた。今後も予期せぬことが起こり、世界はその形をどんどん変えていくだろう。2022年2月に起きたロシアによるウクライナ侵攻もそのひとつだ。西側諸国はウクライナに対する支援とロシアへの厳しい経済・金融制裁で応戦しているが、世界は需要・供給でつながっており、紛争や経済制裁の影響は大きい」と述べます。


「なぜ転職者は減少しているのか」では、世界の大退職時代は、退職者の増加をきっかけとして、転職市場に高額な報酬や働きやすい条件の機会があふれ、浮動層である転職予備軍も含めて一斉に動くから起きています。一部の人だけが動き、不満を燻らせた転職予備軍は会社に留まる日本とは状況が異なります。さしずめ、日本は大憂鬱時代(The Great Depression)といったところだろうとして、著者は「このような状況でVUCAな世界を日本企業が勝ち残れるかというと、はなはだ疑問が残る。先に述べたように、不確実な世界で生き残っていくためには、変化に適応できる俊敏で多様性のある組織でなければならない。高スキルな人材、異なる価値観を持つ人材が抜けていくことは、多様性が損なわれ、同質的な集団になっていくことを意味する」と述べています。


「『余白』がなくなり、『無関心』が加速する」の「社員から『選ばれる会社』になるために」では、企業や組織が見直すべきは「体験」の価値であり、総じて、「良い体験」を積む社員が多ければ、会社の求心力や活性度は高まることが指摘されます。その逆もしかりで、「悪い体験」を積む社員が多ければ、会社に不信・不満が蔓延し、不活性になっていきます。体験とは非常に繊細なもので、無自覚に、リアルの状況と同じように取り扱うと、ネガティブな体験を組織内に量産しかねません。慎重かつ戦略的に「良い体験」を組織内に積み上げていくことだとして、著者は「つまり、社員体験をプロデュースしていかねばならないのだ。世の中全体が、モノの消費からコトの消費へとシフトし、顧客体験が競争優位になっている。そして、サービスを創り出すのは、人であり、社員である。社員体験こそが、会社の差別化要因となる時代が、すぐそこまで来ている。いち早く『体験』の価値に気づき、『良い体験』を社内で戦略的に創り出す会社が、次の時代をリードする会社となっていくだろう」と述べるのでした。



第二章「充実した体験をつくる4つのエンゲージメント(WPCL)」の「ワーク・エンゲージメント」の「組織内の認知が自己の重要性をさらに高める」では、「自分ならでは」の仕事が、組織内できちんと認められることも、ワーク・エンゲージメントを大いに高めるとして、著者は「自分が大切にしている仕事を、組織も価値あるものと認知することが、自己の重要性に対する実感を強めていくのだ。例えば、年間MVPや新人賞などの表彰は、分かりやすいだろう。組織内で、唯一無二の存在という強烈な認知を周囲から受けることで、自らのアイデンティティを仕事に見出し、さらに仕事にのめり込んでいく。表彰などで社員を盛り立てている企業は、この認知の力をうまく利用することで、社員の熱量を引き出していると言えよう」と述べています。

 

 

「ピープル・エンゲージメント 素晴らしい人たちと働ける喜び」の「『誰』をバスに乗せるのか」では、ジム・コリンズ著『ビジョナリーカンパニー2』に書かれた「偉大な企業は、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、次にどこに向かうべきかを決めている」という有名な一節を取り上げ、「誰」をバスに乗せるかは、経営者が最も慎重に考えなければならない戦略のひとつだと指摘し、「人には動機や感情がある。会社に魅力的な人材がいれば、人は集まってくる。逆に不適切な人材が居座れば、人は離れていく。会社がバスに乗せる人を選ぶと同様に、人も乗るバスを選ぶ。素晴らしい人材と働く『良い体験』は、組織や仕事にとって求心力になる。くだらない人材と働く「悪い体験」は、組織や仕事に対する遠心力となる。この他者との結びつきのことを本書では、ピープル・エンゲージメントと呼ぶことにする」と述べます。


「『信頼関係』をつくるための仕掛けを用意する」では、これまでは信頼関係はリアルな「体験」から自然に培われていくものでしたが、これからは意図的に信頼関係をつくっていかねばならないとして、著者は「組織はその重要性を認識し、様々な仕掛けを用意しなければ、職場から信頼関係が損なわれていく。信頼関係を損なった職場の活力は低下し、社員は離れていく。人員が不足するようになると、コミュニケーションはさらに粗くなり、より信頼関係は損なわれていく。このような負のスパイラルに陥りやすくなっているからこそ、関係構築を個々人に委ねるべきではない。職場の信頼関係は組織の課題であり、組織として支え、補完していくことが重要と言えよう」と述べます。



「人の学びで自らの学びを加速させる」では、人が職場のなかで成長していく上で、人との関係性が着火剤のような役割を果たすことを指摘し、著者は「仕事のなかで学んだことを、現場でアウトプットしていく。そのなかで、上司からのフィードバックを得て、学びは深まる。先輩や同僚の成果や仕事ぶりに刺激を受け、自分の仕事に対して改善・改良をおこない、さらに学ぶ。このように、人との関係性が、学びを加速させ、キャリアの充実感につながっていく。人は人によって磨かれていくのだ。また、学びを他者に与えることも大いに成長につながる。他者に教えるということは、自らの経験を振り返り、理論化・教訓化することでもある。また、相手の理解度に合わせて、教える内容をアレンジすることで、普段とは異なる視点で物事を捉え直すことになる。相手の質問から得る気づきもあるだろう。他者を教えることで、自らの学びにもつながっていくのだ」と述べています。


「コミュニティ・エンゲージメント 誇りを持てる組織で働ける喜び」の「会社における2つのコミュニティ」では、●地球上で最もお客様を大切にする企業であること(アマゾン)、●世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする(グーグル)、●服を変え、常識を変え、世界を変えていく(ファーストリテイリング)、●クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動に満たす(ソニー)といった企業理念やパーパスと呼ばれるものを紹介します。いわゆる、各企業が事業を推進する使命や目的、存在意義などを明示したものですが、著者は「日々の仕事は、これらの理想の実現のためにあると言っても過言ではない。会社や経営陣が掲げる理想に共感を覚えることで、コミュニティとの心理的な距離が縮まっていく。会社全体の方向性への共感・共鳴が、所属に対する意味・意義を高めていくのだ」と述べています。


「人が離れる『公正さ』を失った組織」では、会社が社員の信頼感や帰属感を高めるためには、会社を誇らしい場所にしなければならないとして、著者は「このような誇らしさが自然発生的に生まれるのを期待するのは、楽観的すぎると言えよう。目指している理想を明文化する。リーダーが理想を訴えかける。経営の方針を明らかにする。不正を徹底的に廃する。社員に感謝や敬意を示す。このような会社からの働きかけの積み重ねが、会社全体と社員の結びつきを太く、強くしていく。特に、社員の分断と孤立が起きやすくなっている現在の業務環境下において、会社全体に対する結びつきであるコミュニティ・エンゲージメントは重要課題と言えるだろう」と述べるのでした。


「多様なコミュニティとの結びつきが仕事を円滑にする」の「自己肯定が下がる組織の特徴」では、社内コミュニティには様々なタイプがありますが、大きく分けると、1:共通の属性を持つコミュニティ、2:共通の趣味・嗜好を持つコミュニティ、3:私的交流のためのコミュニティの3つになると指摘します。また、共通の属性を持つコミュニティの典型例は「同期」だとして、著者は「同じ時期に入社したという属性以外の共通点はないが、会社に入って最初にできるコミュニティでもあり、強い影響力がある。その他にも、社内には多種多様な共通属性が存在する。かつての職場の同僚、子育て中の社員、介護中の社員、出身大学・高校、LGBTQなどの性的マイノリティなど、である。このような共通属性の良い点は、共通の経験や悩みを持っていることが多いことだ。自分の悩みを打ち明けたり、同じ境遇の人の経験談を聞くことができたりする。他者に共感を覚え、先人の知恵や経験に学ぶことができる。コミュニティの存在が、心の平安や実際の助けになることも多い」と述べています。


第三章「6つのファクターでみる『これからの組織』とは」のファクター5「上司 経緯と信頼が持てる上司」の「これからの上司像とは」では、上司は「完璧主義」であってはいけないと、心に刻まなければならないと指摘し、著者は「自身が完璧を追求する上司は、メンバーにも同じように完璧を求めがちである。そのような意図がなくとも、メンバーは完璧でなければ上司から『出来の悪い人』と判断されると考える。このような職場では、上司に気軽に相談することはなくなり、誰しも挑戦を避けるようになる。直接、顔を合わせる機会が減ると、イメージは増幅され、ますます近寄りがたくなっていく。それを避けるためには、あえて完璧ではない自身を積極的に開示していくことだ。苦手な部分を開示して、メンバーに助力を求める。自分の失敗談を話してみせる。プライベートでは失敗だらけであるといった不完全な自分を開示し、『人間味のある上司』であることを示すことは、これからの時代の上司像と言って良いだろう」と述べています。

 

ファクター6「ビジョン・パーパス」「共感を呼び、求心力となり得るビジョン・パーパス」の「経営者が本気で信じて語れるビジョン・パーパスを打ち出す」では、会社とは、1人ではできないことを実現するための組織であり、人と人とが協力し合い、1人ではできない何かを成し遂げていくとして、「その成し遂げていく何かが、価値あるものであるとき、人は組織へ所属することに意義を感じ、仕事に熱中していく。ビジョンやパーパスとは、その『何か』を言語化したものだ。『何を目指すか(ビジョン)」と「何のために存在するか(パーパス)」の違いはあれども、会社の求心力の核となるものだ』と述べます。


多くの日本企業は、表現は違うが、ビジョンやパーパスと近いものを持っています。経営理念、フィロソフィー、ミッション、行動指針、社是、社訓などです。これらを全く何も持たない企業は稀でしょう。では、それらが社員を動機づけるのに役立っているかというと、そうでもないことが多いとして、著者は「社員にとって、『そういうのもあったね』程度の認識の企業が大半だろう。そのような認識であれば、内容の良し悪しに関係なく、会社の求心力として機能することはない。では、社員の心をつかみ、求心力として機能させるようにするには、どうすれば良いだろうか。それには、『経営者が本気で信じて語れるビジョン・パーパスを打ち出す』『社員がビジョン・パーパスを理解し、身近に感じる機会をつくる』の2つがポイントになる」と述べています。


パーパスに共感する社員にとって、会社自体が誇らしい存在です。自分たちの仕事は、1つひとつはささやかなものであったとしても、会社全体は社会に大きく貢献しています。そのことが、会社に対する誇りとロイヤルティにつながるのだとして、著者は「会社の核となるビジョン・パーパスとの共感は、会社と自身が深いところでつながっていることを実感させる。その深い部分でのつながりが、コミュニティ・エンゲージメントを高めていく。そのためには、経営者の本気のコミットメントが重要であることは、言うまでもないだろう」と述べます。また、「社員がビジョン・パーパスを理解し、身近に感じる機会をつくる」では、ビジョン・パーパスに経営者がコミットしていても、社員がそれを知らなければ、求心力としては機能しないと指摘します。著者は、「心躍るビジョン・パーパスをつくり、経営者が本気で信じることは重要であるが、同時に社員がビジョン・パーパスを理解し、身近に感じる機会をつくりださなければならない。社員が『自分事』として捉えて、はじめてビジョン・パーパスに意味・意義が生まれてくるのだ」と述べます。

 

 

社員にビジョン・パーパスを自分事と捉えてもらうには、深く考察し、自分と結びつけて捉えられるような「体験」が必要となるといいます。単純に「伝える」だけではなく、「考える」「感じる」などを組み込んでいくことだと指摘し、著者は「そのための『体験』は、日常的に触れる常時接触的なものと、イベントのように短期集中的なものに分かれる。理想的には、常にビジョン・パーパスを社員が思い描いていることが望ましい。しかし、人には慣れがある。どうしても日々の仕事の忙しさに紛れ、ビジョン・パーパスを思い浮かべられない状況に陥ることも多いだろう。だからこそ、常時接触的な体験と短期集中的な体験を組み込んで、適度に刺激を受けられるようにすることが重要だ」と述べています。また、「ビジョン・パーパスは、会社を貫く大きな背骨のようなものだ。使い方によっては、会社という共同体を社員にとって意義深くする力を持っている。会社と深い部分で共感し、強いつながりを感じることができる。その共感するパワーが、会社全体に対するコミュニティ・エンゲージメントを高めていく。物理的に離れていても、強い会社をつくるには、心でつながることだ。ビジョン・パーパスを会社の求心力の核として機能させることが、重要と言えるだろう」と述べます。

 

 

「おわりに」の最後には、ピーター・ドラッカーの『マネジメント』の中に書かれてる「マネジメントの多くは、あらゆる資源のうち人が最も活用されず、その潜在能力も開発されていないことを知っている。だが現実には、人のマネジメントに関する従来のアプローチのほとんどが、人を資源としてではなく、問題、雑事、費用として扱っている」という一文が取り上げられます。人は会社における最大の資産であり、その活性度によって企業価値は大きく変わります。社員の「体験価値」にいち早く気づき、言葉だけではなく、充実した「良い体験 」を与え、人材の動機を引き出す企業こそ、勝ち残っていくだろうとして、著者は「ウェルビーイングこそが企業の競争優位の源泉となっていくのだ。本書が、日本社会全体の活性化に向けて、そのキッカケのひとつになれば、これ以上の喜びはない」と述べるのでした。本書を読んで、40年前からウェルビーイング経営=人間尊重経営に取り組んでいるわが社の未来を考える上でも多くのヒントを得ることができました。

 

 

2023年3月13日 一条真也

ショータイム!

一条真也です。
12日の夜、姫路から小倉に戻りました。
17時35分発の新幹線みずほ611号の切符を持っていたのですが、16時前にはJR姫路駅に到着したので、早い新幹線に変更しようと思いました。それで「みどりの窓口」に30分以上並んで待ったのですが、結果は満席で変更は叶いませんでした。まことに残念でした!


大谷翔平(prime video)

 

なぜ、わたしが一刻も早く小倉に帰りたいと思ったかというと、WBC第4戦となる日本vsオーストラリア戦を自宅の書斎のPCでAmazon prime video観戦したいと思ったからです。ブログ「侍ジャパンに捧ぐ・・・」に書いたように、前日、日本vsチェコ共和国戦を観戦したところ、すっかり侍ジャパンの魅力に取りつかれてしまった次第です。


大谷が先制3ランホームラン!(prime video)


大谷自身の看板を直撃!(prime video)

 

新幹線みずほ611号はJR小倉駅に19時18分に到着しました。迎えの車に乗ったわたしは自宅へ直行。書斎に飛び込んでAmazon prime videoを開いたところ、なんと大谷翔平が初回第1打席で先制3ランホームランを打ったことを知りました。大谷選手は初回無死一、二塁、左腕シェリフのカーブを完璧に捉えました。右中間上空の自身の看板に直撃する特大弾。飛距離395フィート(約120.4メートル)、打球速度は113.2マイル(約182.2キロ)でした。WBC4戦16打席目で生まれた初本塁打に、東京ドームのファンは総立ちになりました。4試合連続安打、打点と主軸として結果を出したのでした。イッツ・ショータイム!

待望のWBC1号!(prime video)

 

それにしても、大谷選手は正真正銘のスーパースターです。ベーブ・ルース以来の「二刀流」プレーヤーとして、メジャーリーグに大旋風を起こしました。これまでメジャーリーグで活躍した日本人としては、野茂英雄イチロー、村上正則、松井秀喜、上原浩二、田中将大岩隈久志ダルビッシュ有・・・・・・数々の名選手がいましたが、大谷翔平は史上最高のスーパースターではないでしょうか? 明日13日からマスクの着用も自由化されますし、「WBC2023」は春の訪れそのものであり、それに加えて長かったコロナ禍が明ける祝祭のイメージです。そして、その祝祭のシンボルこそ大谷翔平なのです。


那須川天心北村匠海?(prime video)


いいぞ、侍ジャパン!(prime video)

 

野球の実績だけでなく、彼はルックスも素晴らしいです! 192センチの長身に小さな顔、これは10頭身ぐらいではないでしょうか? 顔もイケメンですが、わたしの妻は「俳優の北村匠海に似てる」と言っていました。大谷が北村匠海なら侍ジャパン4番バッターの村上宗隆は元キックボクサーで現在はプロボクサーの那須川天心に似ていますね。史上最年少での三冠王に輝いた村上にもホームランを打ってほしかったですが、今日の試合ではタイムリーヒットを飛ばしましたね。試合結果は7-1で日本勝利でしたが、まったく心配なく観戦できるところが「史上最強チームなんだなあ」と思います。侍ジャパンは、ぜひ、このまま突っ走って、3大会ぶりに世界一になってほしい!

 

2023年3月12日 一条真也

山下宗吉氏お別れの会

一条真也です。
12日の14時から姫路市内の結婚式場 「ラヴィーナ姫路」で開かれた、117グループの故山下宗吉会長の「お別れの会」に参列しました。その前に同じく結婚式場の「ラ・メゾンSuite姫路」で受付を済ませ、昼食をいただきました。その後、バスに乗ってラヴィーナ姫路へ。


昼食会場のようす


バスで「お別れの会」の会場へ

ラヴィーナ姫路の前で


故人の遺影を背景に

故山下宗吉会長は、わたしと同じく全互連の顧問でした。宗吉会長には多くのことを教えていただき、大変お世話になりました。わたしの父と同い年ということもあり、訃報に接したときは驚きとともにグリーフを感じました。通夜、告別式にも参列させていただきましたが、素晴らしい儀式でした。何よりも、宗吉会長がお亡くなりになられた日が117様の創立記念日の1月17日であったことが凄いです。その日は、117様が多大な社会貢献をされた阪神淡路大震災が発生した日でもあります。このような特別な日に旅立って行かれたわけですが、宗吉会長の会社に対する強い想いを感じ、深く感動しました。


メモリアル・コーナー


メモリアル・コーナー


故人が愛用したスーツなど


117さんの歴史を紹介

 

ラヴィーナ姫路に到着すると、メモリアル・コーナーに案内されました。故人の生涯を振り返る多くの写真パネルが飾られていましたが、お孫さんと一緒に写った笑顔の写真が印象的でした。とても幸せそうで、「優しいおじいちゃん」といった感じでした。生前愛用したスーツや帽子なども展示されていましたが、趣味の良いものでした。わたしは、「山下宗吉会長はいつもダンディで、カッコいいなあ」と思っていましたが、本当にオシャレな方でした。メモリアル・コーナーの最後は「117グループの歩み」でしたが、冠婚葬祭互助会業界の中でも屈指の優良互助会の歴史が詳しく紹介されていて興味深かったです。


「お別れ会」会場のようす


たくさんの供花が・・・


佐久間兄弟の花もありました


祭壇のようす


わたしも参列しました


冒頭、ビデオで葬儀の模様が流れました


葬儀のようす


葬儀のようす

 

「お別れの会」の会場は、ラヴィーナ姫路で最大のバンケットでした。会場に入ると、各方面からの参列者でいっぱいでした。14時過ぎから、「黙祷」が行われました。その後、「追悼ビデオ」が流れました。1月19に行われた通夜式、20日に行われた告別式の様子がスクリーンに映し出されましたが、わたしの姿も映っていました。また、会場内には父、わたし、弟からの供花も飾られていました。本当に、わが家全員が故人の逝去を惜しんでおります。


葬儀委員長の杉山会長の挨拶


松本総務大臣の弔辞


全互協の渡邊会長の弔辞


メモリアル・ムービーが上映されました


ムービーに故人のメッセージが・・・


喪主・山下社長の挨拶

 

追悼ビデオの後は、「式辞」です。お別れの会の委員長である杉山雄吉郎氏(一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会元会長、全国冠婚葬祭互助会連盟元会長、あいネットグループ代表取締役会長)が述べられました。次に「弔辞」です。松本総務大臣、全互協の渡邊会長、お取り引き様代表のファンテックスの内藤会長、社員代表の117の横田常務がそれぞれ素晴らしい弔辞を述べられました。その後、弔電が読まれ、故人のメッセージを紹介するムービーが流れました。そして、喪主である117の山下裕史社長が「謝辞」を述べられました。山下社長は、「会長が創立記念日に亡くなったことは、自分たちの会社は何のために存在しているのか・・・その意味を考えよということだと思います」「儀式の提供を通じて、心ゆたかな社会を目指したいと思います」と熱く訴えておられました。


指名献花のようす


わたしも名前を呼ばれました


わたしも指名献花しました


喪主に御挨拶をして退場

 

最後に、指名献花が行われました。わたしは宗吉会長の遺影を見ながら、「長い間、業界のために尽力していただき、本当にありがとうございました。お疲れ様でございました」と心の中で語りかけ、手を合わせて一礼させていただきました。その後、17時35分姫路発の新幹線みずほ611号に乗り、小倉へ戻りました。JR小倉駅には19時18分に到着しました。故山下宗吉様の御冥福を心よりお祈りいたします。合掌。

 

2023年3月12日 一条真也

小倉から姫路へ

一条真也です。
12日の日曜日、小倉は気温20度くらいで春の陽気でした。この日の朝、わたしは、JR小倉駅に向かいました。姫路で開かれる「お別れの会」に向かうためです。


JR小倉駅の前で


JR小倉駅のホームで

 

この日、姫路で117グループの故山下宗吉会長の「お別れの会」が開催され、わたしも参加して指名献花を行うことになっているのです。小倉駅からは10時発の新幹線さくら544号に乗車しました。この日は春らしい陽気の日曜日とあって、車内はほぼ満席でした。コロナ禍が終息しつつあることを実感してしまいます。


さくら544号の車内で


車内では読書しました


ヤフーニュースより

 

車内では、お茶を飲みながら、読書をしました。この日は、『異能の男 ジャニー喜多川』小菅宏著(徳間書店)を読みました。今月7日の夜、イギリス公共放送「BBC Two」が制作したドキュメンタリー番組『捕食者:Jポップの秘密のスキャンダル)』が放送され、日本の芸能界に衝撃が走りました。2019年7月に亡くなったジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏(享年87)を〝プレデター=捕食者〟と厳しい言葉で形容し、生前にジャニー氏が行っていたとされる少年たちへの性加害について切り込む内容の番組でした。

 

 

そのことを知ったわたしは、ジャニー喜多川氏の人生について詳しく知りたくなり、蔵書の中にあった『異能の男 ジャニー喜多川』を新幹線さくら544号に持ち込んだのです。同書では、謎のベールに包まれたジャニー・擴(ひろむ)・喜多川氏の真の姿をこの半世紀に出てきた本人の言葉証言や資料を分析して明らかにしていきます。そこで見えてきた、「滝沢秀明の引退」「嵐の活動休止」「新会社設立」などに揺れるアイドル帝国ジャニーズの真実とは? そして、今まで誰も書けなかったジャニー氏の肉声を独占掲載しながら、アイドルを「輩出し続ける力」や「プロデュース力」、芸能界で輝かしい結果を残してきた類まれな「戦術」「戦略」の源泉をひも解いていきます。駆け出しの編集者時代にジャニー氏と出会い、取材歴50年におよぶ著者が描く渾身の評伝であり、非常に興味深く読みました。余談ですが、新幹線の隣席の方が故ジャニー喜多川氏に外見も雰囲気もそっくりなご老人だったので驚きました。本人かと思うほど似ていました。


車内で黒ネクタイを着用


JR姫路駅に到着

 

JR姫路駅には、11時57分に到着しました。わたしたちは、迎えのバスに乗って「ラ・メゾンSuite姫路」へ。そこで受付を済ませて昼食をいただいてから、「お別れの会」の会場である「ラヴィーナ姫路」へ向かいます。


迎えのバスに乗りました

 

2023年3月12日 一条真也