互助共生社会  

 

一条真也です。
これまで多くの言葉を世に送り出してきましたが、この際もう一度おさらいして、その意味を定義したいと思います。今回は、「互助共生社会」です。

人間尊重五十年』と『人間尊重の「かたち」

 

この言葉は、わたしの父でもある サンレーグループ佐久間進名誉会長の著書人間尊重の「かたち」(PHP研究所)にも登場します。同書のタイトルにある「人間尊重」は、かの出光佐三翁の哲学を象徴する言葉です。佐久間名誉会長が若い頃、地元・北九州からスタートして大実業家となった佐三翁を深く尊敬しており、その思想の清華である「人間尊重」を自らが創業した会社の経営理念としました。以後、わが社のミッションとなっています。また、サブタイトルは「礼の実践五十年」ですが、佐三翁の著書『人間尊重五十年』(春秋社)を連想させ、そのまま偉大な先達へのオマージュとなっています。


出光佐三翁のパネル写真の前で

 

2014年7月に刊行された『人間尊重の「かたち」』の「まえがき」の冒頭で、佐久間名誉会長は60年前に出光佐三の言葉を初めて知ったときの大いなる感動を綴っています。それは次のような言葉でした。「社会とは人間が集まってできたものであるから人間は互いに仲良くすると、そして力を合わせることが大切です。それは人間の尊厳だからです。平和の基です。人間の美しさでもあります。私はそれを人間尊重と言っております」


「財界九州」2014年6月号

 

佐久間名誉会長は「私の人生を振り返る時、礼の実践を通して、『人間尊重』とはどういう『かたち』になるのかを社会経営、社会貢献の中で目指してきたのではないか、そんな思いがしています」と述べています。また、佐久間会長は「人間尊重とは、人と人とがお互いに仲良くし、力を合わせることです」と喝破します。そして、互いに助け譲り合う『互譲互助』『和』の精神というものが神道の根幹を成す思想であることを示し、「自然と人間の調和こそが日本人の精神形成の基」であると述べています。

天道館に並ぶ「人間尊重」と「互譲互助」

 

わが社は、「互助社会をつくろう!」「共生社会をつくろう!」「支え合う社会をつくろう!」というスローガンを掲げてきました。それらは、まさに日本人が持っている最大の美点を表現しています。冠婚葬祭互助会であるわが社は、それを長年にわたって言い続けてきたのです。佐久間名誉会長は「かつて絆を大切にしてきた日本人の心が覚醒し、お互いに助け合うこと、支え合うことが再認識され、われわれ冠婚葬祭互助会に対する評価も必ず上がってくると思います」と述べています。「助け合い」から「支え合い」へ・・・・・・冠婚葬祭を通して、もう一度人と人との絆を結び直す「互助共生社会」を実現したいです。


天道館の竣工式で佐久間会長と

 

2024年5月8日  一条真也