ハートピア

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一条真也です。
わたしは、これまで多くの言葉を世に送り出してきました。
もう一度おさらいして、その意味を定義したいと思います。
今回は、「ハートピア」という言葉を取り上げます。


リゾートの思想』と『リゾートの博物誌

 

「ハートピア」とは、その名の通りに「心の理想郷」です。
そして、心の理想郷としての「ハートピア」には2つの種類があります。1つは天国とか極楽とか呼ばれる、あの世の理想郷のことで、これを「ハートピア・ゼア」と呼びます。『リゾートの思想』(河出書房新社)および『リゾートの博物誌』(日本コンサルタントグループ)にも書いたように、リゾートをはじめとした地上の空間づくりに関わるとき、最大のヒントになるのはハートピア・ゼアのイメージでしょう。なぜなら、ユートピアやパラダイスの豊富なバリエーションとは異なり、世界中の各民族・各宗教における天国観は驚くほど共通性が高く、それゆえイメージが普遍的だからです。心理学者のユングも言うように、神話は民族の夢であり、天国こそは人々が「かく在りたい」という願いの結晶。その夢や願いを地上に投影したものが「理想土」なのです。

 

 

もう1つの「ハートピア」は、この世でわれわれが創造するべき愛と平和 の波動に包まれた心の共同体で、これを「ハートピア・ヒア」と呼びます。ハートピア・ヒアは幸福な人々がつながった心のネットワークです。 真の心の理想郷は、私的幸福である「ハートフル」と公的幸福である「ハートピア」が調和したときに初めて生まれます。

 

1996年に生誕100周年を迎えた宮沢賢治は『農民芸術概要綱論』の序論において、以下のように告げています。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない、自我の意識は個人から集団的社会宇宙と次第に 進化する、この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか、新たな時代は世界が一の意識になり生物となる 方向にある、正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである、われらは世界の まことの幸福を索ねよう、求道すでに道である」

 

また、われわれの心は一見バラバラのようでも実は深いところでつながっていることを心理学者のカール・グスタフユングは発見しました。ユングはすべての人間の心に共通する底流があると考え、それを「集合的無意識」と 名付けました。われわれの心が深部でつながっているのなら、賢治のいうように「世界が一の意識になり」 「世界のまことの幸福」を獲得することも夢ではないはずです。そのときこそ、ハートピア・ヒアがわれわれ の前に出現します。この2つの「ハートピア」については、1992年に上梓した『ハートビジネス宣言』(東急エージェンシー)で詳しく説明しました。


2つの「ハートピア」を説いた『ハートビジネス宣言

 

2020年7月18日 一条真也

死を乗り越えるイエスの言葉

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明日のことを思い煩うなかれ。
明日のことは明日思い煩え。
一日の労苦は一日にて足れり。
(イエス

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、イエス・キリスト(紀元前6年頃ないし紀元前44年頃~紀元後30年頃)の言葉です。キリスト教の開祖であるイエスキリスト教における「神の子」であり、救世主、預言者です。

 

聖書 新共同訳  新約聖書

聖書 新共同訳 新約聖書

 

 

エスの言葉は『新約聖書』に登場します。彼の死後、弟子たちによって記録されたものです。西暦紀元30年の春に十字架刑に処せられたと伝えられるイエスは、世界最大の宗教であるキリスト教の開祖として知られています。イエスはおそらくは偽のメシア(救世主)であるという罪状で、ローマの兵士たちによって他の2人の強盗と共に郊外のゴルゴダの丘で十字架刑に処されました。イエスは35歳くらいであったとされています。

 

新約聖書 福音書 (岩波文庫)

新約聖書 福音書 (岩波文庫)

 

 

福音書」によれば、32歳の頃、イエスは洗礼者ヨハネより洗礼を受けました。ヨハネは、近づいてくる神の国への準備として悔い改めを説く人物でした。それから、荒野で祈祷と断食の後、イエスは自身の生涯の使命を悟り、独自の宣教活動をガリラヤ地方で開始します。

 

旧約聖書〈7〉イザヤ書

旧約聖書〈7〉イザヤ書

  • 発売日: 1997/05/08
  • メディア: 単行本
 

 

エスの本来の教説を知ることは不可能ですが、彼自身が故郷ナザレの会堂で引用した『旧約聖書』「イザヤ書」の「主の御霊が私に宿っている。貧しい人々に福音を宣べ伝えさせるために、私を聖別して下さったからです。主は私をつかわして囚人が解放され、盲人の目が開かれることを告げ知らせ、打ちひしがれている者に自由を得させ、主のめぐみの年を告げ知らせるのである」という言葉にその活動内容が要約されています。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。また、イエスの生涯および思想に関しては、『世界をつくった八大聖人』(PHP新書)に詳しく紹介されています。

 

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2020/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2020年7月18日 一条真也

 

世界平和パゴダ、国文化財へ(新聞)

一条真也です。
昨日、ブログ「世界平和パゴダ、国文化財へ(TV)」で紹介したように、日本で唯一のミャンマー式仏教寺院「世界平和パゴダ」が国登録文化財の認定が内定し、テレビで報道されました。18日は、「朝日新聞」「毎日新聞」「読売新聞」「西日本新聞」の各紙朝刊でも報道されています。 

f:id:shins2m:20200718091958j:plain朝日新聞」2020年7月18日朝刊
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毎日新聞」2020年7月18日朝刊

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「読売新聞」2020年7月18日朝刊

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西日本新聞」2020年7月18日朝刊

 

現在、わたしが社長を務める株式会社サンレーでは、北九州市門司区の和布刈公園にある日本で唯一のビルマミャンマー)式寺院「世界平和パゴダ」の支援をさせていただいています。世界平和パゴダ第二次世界大戦後、ビルマ政府仏教会と日本の有志によって昭和32年(1957年)に建立されました。その目的は「世界平和の祈念」と「戦没者の慰霊」です。

f:id:shins2m:20200718100646j:plain世界平和パゴダ

f:id:shins2m:20120821150235j:plain世界平和パゴダの前で、佐久間会長と
 

ミャンマーは上座仏教の国です。上座仏教は、かつて「小乗仏教」などとも呼ばれた時期もありましたが、ブッダの本心に近い教えを守り、僧侶たちは厳しい修行に明け暮れます。現在の日本は儒教の影響が強く「礼」という思想的遺伝子を共有しているはずの韓国や中国と微妙な関係にあり、国際的に複雑な立場に立たされている。わたしは、ミャンマーこそは世界平和の鍵を握る国ではないかと思っています「慈悲の徳」を説く仏教の思想、つまりブッダの考え方が世界を救うと信じているのです。「ブッダの慈しみは愛をも超える」と言った人がいましたが、仏教における「慈」の心は人間のみならず、あらゆる生きとし生けるものへと注がれます。

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「読売新聞」2011年12月24日朝刊

f:id:shins2m:20200718172340j:plain西日本新聞」2012年4月25日朝刊
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ミャンマー大使館でパゴダの委嘱状を渡される

f:id:shins2m:20120829103918j:plain世界平和パゴダ再開のセレモニーで

 

思えば、わたしが世界平和パゴダ閉館のニュースを新聞報道で知って心を痛め、サンレー企画部の石田部長と一緒に現地に赴き、その後、佐久間進会長とともにパゴダを建立された故柳田桃太郎氏(元門司市長)の御令嬢である八坂和子さんにお会いし、わが社の世界平和パゴダ支援が決定したのです。その後、佐久間会長を代表とする日緬仏教文化交流協会を設立し、ミャンマー大使館やミャンマー仏教界の大僧正から佐久間会長が委嘱状を渡されたりして、2012年8月29日、パゴダはついに再開しました。

f:id:shins2m:20200718100126j:plain慈を求めて』(三五館) 

 

パゴダ再開の詳しい経緯は、ブログ「世界平和パゴダ」ブログ「大僧正のお別れ会」ブログ「世界平和パゴダ再訪」ブログ「ミャンマー大使館」ブログ「ブッダ・ミッション」ブログ「世界平和パゴダ再開」をお読み下さい。なお、『慈を求めて』(三五館)の帯には、世界平和パゴダを背景にしたわたしの写真が帯に掲載され、「世界平和パゴダ再開!」「『慈』はあらゆる生きとし生けるものに注がれる!」と書かれています。

f:id:shins2m:20191129101302j:plain慈経 自由訳』(現代書林)

 

ミャンマー仏教は上座仏教ですが、その根本経典は「慈経」(メッタ・スッタ)といいます。仏教の開祖であるブッダの本心が最もシンプルに、そしてダイレクトに語られている、最古にして、最重要なお経です。上座仏教の根本経典であり、大乗仏教における「般若心経」にも比肩します。上座仏教はかつて、「小乗仏教」などと蔑称された時期がありました。しかし、上座部仏教の僧侶たちはブッダの教えを忠実に守り、厳しい修行に明け暮れてきました。「メッタ」とは、怒りのない状態を示し、つまるところ「慈しみ」という意味になります。「スッタ」とは、「たていと」「経」を表します。わたしは、この「慈経」を自分なりに自由訳し、『慈経 自由訳』(現代書林)として世に問いました。

 

「慈経」はもともと詩として読まれていました。すなわち単に書物として読まれるものではなく、吟詠されたものだったのです。わたしも、なるべく吟詠するように、千回近くも音読して味わい、自由訳に臨みました。自らの人生をかけて、魂をこめて、「慈経」のメッセージをわかりやすい言葉に直しました。「慈経」の教えは、老いゆく者、死にゆく者、そして不安をかかえたすべての者に、心の平安を与えてくれます。これからの日本人にとって最も必要なお経が「慈経」であると確信しています。ブッダは8月の満月の夜に「慈経」を説いたと伝えられています。満月は、満たされた心のシンボルです。わたしが満月に格別の感情を抱いていることはご存知かと思いますが、いつか北九州市門司港にある日本で唯一のミャンマー式寺院である「 世界平和パゴダ」で満月の夜の行事を盛大に行いたいと思っています。

f:id:shins2m:20120821151328j:plain世界平和パゴダ の前で

慈経 自由訳

慈経 自由訳

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2020年7月18日 一条真也

世界平和パゴダ、国文化財へ(TV)

一条真也です。
コロナ禍の中、嬉しいニュースがありました。
わが社は、日本で唯一のミャンマー式仏教寺院「世界平和パゴダ」の支援を続けていますが、このたび、同施設の国登録文化財の認定が内定したのです。17日の夕方、TNC「ももち浜ストア」、TVQ「ふくサテ!」で報道されました。

f:id:shins2m:20200717200435j:plainTNC「ももち浜ストア」より

f:id:shins2m:20200717200508j:plainTNC「ももち浜ストア」より

世界平和パゴダは2017年4月に日本遺産「関門ノスタルジック海峡」の構成文化財となりましたが、建造されてからの年数も短く、北九州市の指定文化財などに指定される可能性はありませんでした。2017年秋に、別件で文化庁文化財調査官が北九州市へ訪れるのを市文化財担当から聞きつけ、パゴダへ案内したところ「国登録文化財となる価値は十分ある」と判断されました。国登録文化財の登録には文化財調査官の推薦が必要です。

f:id:shins2m:20200717200917j:plainTNC「ももち浜ストア」より

f:id:shins2m:20200717201016j:plainTVQ「ふくサテ!」より 

これで登録へ向けて地ならしができましたが、問題は登録申請に際して諮問委員会に提出しなければならない建物の平面図や立面図が、パゴダには一切残っていないことでした。新たに業者に測量を依頼すれば多額の費用が必要となるため、資金が乏しい奉賛会には厳しい状況で、登録への作業は一時中断となりました。そのうち、サンレー総合研究所の関野所長が日本遺産協議会の会議で同席した市文化財担当と話をしているうちに、国登録文化財として新登録された門司の旧丸山山荘の測量を西日本工業大学建築学科の先生が担当したと聞きました。大学生のワークショップとして測量するなら安価でもできるのではと、関野所長は担当した西日本工大岡田研究室へ尋ねました。すると、向こうもぜひという話となりました。

f:id:shins2m:20200717201051j:plainTVQ「ふくサテ!」より 

f:id:shins2m:20200717201230j:plainTVQ「ふくサテ!」より 

 

2019年4月から測量が始まり、委員会に申請する資料まで研究室で作成していただきましたが、経費は破格の値段ですみました。申請に添付する登記簿書類などは関野所長の方でそろえましたが、市役所や文化庁との折衝などもすべて西日本工大にお任せし、今回の新登録へつなげることができました。なお、本日午後に文化庁で行われる会議で文部科学大臣への新登録の答申が決められる手順で、正式登録は年内の見込みです。

f:id:shins2m:20200717200536j:plainTVQ「ふくサテ!」より 

f:id:shins2m:20200717200730j:plainTVQ「ふくサテ!」より 


サンレーグループ佐久間進会長は日緬仏教文化交流協会(日緬協)の会長として、パゴダ支援の中心的役割を果たしてきました。ブログ「仏教文化交流シンポジウム」で紹介した、2013年9月21日に世界平和パゴダ建立55周年を記念して開催された「仏教は世界を救う」をテーマにしたパネルディスカッションには、パゴダを建立された旧門司市長の柳田桃太郎氏の御令嬢である八坂和子氏らとともに、わたしもパネリストとして参加しました。その内容は『ミャンマー仏教を語る』(現代書林)に収められています。

 

 

2020年7月17日 一条真也

ハートフル・プレゼント

一条真也です。
東京都の新たな新型コロナウイルス感染者が過去最大となる293人を記録した17日の夕方、サンレー本社の社長室に郵便小包が届きました。差出人が「平安閣秘書室」となっているので、「はて、どこの平安閣さんだろう?」と思って包みを開いたらビックリ! そこには、100冊目の一条本である『心ゆたかな社会』(現代書林)の表紙をモチーフにしたパッケージのチョコレートがたくさん入っていたのです。

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素敵なチョコレートが届きました!

 

パッケージには「100冊発刊おめでとう」「1988May~2020June」「祝 天下布礼」「目指せ1,000冊!」などとも書かれています。わたしは、これを見て、送り主が誰だかわかりました。名古屋冠婚葬祭互助会の圡田直樹社長です。そういえば先日、ブログ「姫路の偲ぶ会」で紹介したセレモニーでお会いしたとき、「100冊、おめでとうございます。お祝いに、ちょっと面白いものを送りますので、楽しみにしていて下さい」と言われたのです。

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このプレゼントは嬉しい!!(涙)

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涙ながらにチョコをいただきました!

 

わたしは本を上梓すると、業界のお仲間に献本することが多いのですが、圡田社長はいつも丁重な礼状を送って下さいます。『心ゆたかな社会』のときも、「専業の作家でも100冊というのは大変なのに、そのご努力には心より敬服いたします」との過分なお言葉を頂戴しました。じつは、ブログ「名古屋墓参」に書いたように、わたしは2016年4月23日に圡田社長の父上である故圡田三次郎氏、おじい様である故山本信嗣氏の墓参をさせていただきました。


佐久間進会長と故山本信嗣氏

 

お二人とも、冠婚葬祭互助会の保守本流である全国冠婚葬祭互助会連盟(全互連)の会長を務められた方で、業界のリーダーでした。故圡田三次郎氏は、わたしが全互連の理事会などに出席し始めた当時の会長さんで、不安と孤独感で一杯だったわたしに対して、わたしの本名で「佐久間君、がんばれ!」「佐久間君、負けるな!」といつも励まして下さった大恩人です。また、故山本信嗣氏は、わたしの父であるサンレーグループ佐久間進会長にとっての大恩人であり、わが社が互助会事業を開始したときに御指導を受けました。

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圡田社長、ありがとうございました!

 

父の大恩人のお孫さんであり、わたしの大恩人の息子さんである圡田直樹社長は、本当に心からリスペクトする互助会経営者です。もともと「礼」を体得されている方とは存じていましたが、今回は「祝」の精神も体得されていることを知り、感服いたしました。この方は、「祝い事」というものの本質を知り尽くしておられます。大変勉強になりました。
さすがは、日本で最も激戦区である名古屋における「冠婚葬祭王」です。圡田社長、このたびは非常に嬉しかったです。本当に、本当に、ありがとうございました!
そして、これからも、よろしくお願いいたします!

 

心ゆたかな社会 「ハートフル・ソサエティ」とは何か
 

 

2020年7月17日 一条真也拝 

半年ぶりのロータリー例会参加

一条真也です。
17日の東京都の新たな新型コロナウイルス感染者は293人でした。昨日の286人を上回り、2日連続で過去最多を更新。こうなると「次は、ついに300人超えか?」と思ってしまいますが、わたしも20日(月)から予定されていた東京出張をキャンセルしました。互助会保証株式会社の監査役会議にはリモートで参加させていただきます。

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半年ぶりに例会に参加しました

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古賀ガバナーからネクタイを贈られました

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ネクタイとバッジをつけました

 

そんな中、小倉織のマスク姿で、なんと半年ぶりに小倉ロータリークラブの例会に参加しました。すでに「第2波」を終えた北九州市は感染者もなく安心なのですが、ここ数カ月は例会も休会で、つい最近から再開したようです。でも、わたしも何やかんやと忙しいので欠席続きで、「もう今年は行かなくてもいいか」などと考えていました。しかし、17日の例会はガバナー公式訪問の日なので必ず参加してほしいという連絡が事務局から来たのです。わたしは、国際ロータリー第2700地区の2020-21年度の古賀英次ガバナーから贈られたネクタイとバッジをつけて、半年ぶりに例会参加した次第です。

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本日の例会のようす

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本日のお弁当
 

久々の例会は、これまでのような流しのテーブル席ではなく、円卓になっていました。リーガロイヤルホテル小倉のお弁当も久しぶりで、「ああ、こういう味だったな」という感じでした。何より驚いたのは、小倉ロータリークラブの会長が交代していたことです。そういえば、7月から新年度だったのですが、コロナ騒ぎですっかり失念していました。

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卓話をする古賀ガバナー

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心して拝聴しました

 

昼食後は古賀ガバナーの卓話を拝聴しましたが、立派な体格と大きな声が特徴的な方でした。なんでも、今年2020年は日本最初のロータリークラブである東京RCが100周年を迎えるそうで、すなわち日本にロータリーが入ってから100年目に当たるそうです。それで、2700地区のスローガンは「日本のロータリー100周年、新しいロータリーは機会の扉を開く」だとか。

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「日本のロータリー100周年」の紹介動画

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1949年、小倉ロータリークラブが誕生!

 

古賀ガバナーは、ロータリー創設者のポール・ハリスの「世界は常に変化している。われわれも変化しなければならない。しかし、人が心をもつ以上、この世には普遍の真理もある」という言葉を紹介されました。その普遍の真理が、ロータリーの設立につながったというわけです。その後、日本のロータリー100周年を紹介する動画を観た後、参加者全員で記念写真を撮影しました。次に例会に参加できる日はいつになるでしょうか?

 

2020年7月17日 一条真也

コロナ時代の互助会を

一条真也です。
17日、早朝から松柏園ホテルの神殿で恒例の月次祭が行われました。先月と同じく、通常よりも人数を減らし、マスク着用でクールビズでの神事となりました。

f:id:shins2m:20200717081058j:plain月次祭のようす

f:id:shins2m:20200717081629j:plain柏手を打つ佐久間会長

f:id:shins2m:20200717081713j:plainわたしも柏手を打ちました

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神殿での一同礼!

 

月次祭では、皇産霊神社の瀬津神職が神事を執り行って下さり、祭主であるサンレーグループ佐久間進会長に続き、わたしが社長として玉串奉奠を行いました。わたしは、会社の発展と社員の健康・幸福を祈念しました。

f:id:shins2m:20200717084558j:plain天道塾のようす

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訓話する佐久間会長

 

神事の後は、恒例の「天道塾」を開催しました。通常と人数は同じですが、会場の広さは3倍です。最初に佐久間会長が訓話を行いました。会長は会場を埋め尽くしたマスク姿の人々を前に、先月に続いて、「共飲」「共食」「共浴」「共健」「共笑」「共歌」「共遊」「共旅」という「八共道」というものを示し、アフターコロナの時代に互助会として提供したいと述べました。

f:id:shins2m:20200717083419j:plain「実践共助八美道」

 

今回は「八共道」を「実践共助八美道」と名づけ、佐久間会長は、共飲(緑茶サービス・点茶作法による喫茶サービス・盃を交わす)、共食(同じ釜の飯を食う仲間づくり・心の交流・生涯の友)、共浴(一緒に風呂に入る・裸の付き合い・背中の流し合い)、共健(朝の体操・散歩・気功・太極拳・ヨガ等)、共歌(共に歌う・カラオケ・マイクまわし・合唱・連歌・短歌・川柳・俳句)、共笑(笑いの会・笑い気功・一日一笑習慣)、共遊(囲碁・将棋・スポーツ麻雀・仕事帰りの一杯の酒)、共旅(共に旅行・薬草狩り・神社仏閣巡り)について具体的に説明しました。

f:id:shins2m:20200717083652j:plainコロナ時代のコミュニケーションを!

 

「盃を交わす」とか「背中の流し合い」とか「マイク回し」といったギョッとするような話も飛び出し、一見、コロナ時代には絶対不可能な行為ばかりのように思えます。正直、わたしも「これは、ちょっと・・・」と思いましたが、会長はこういった従来の濃密なコミュニケーションをアップデートせよということで、コロナ時代に対応した「実践共助八美道」を提案しているのです。また、会長は 「他者のために、他者とともに」「利他の精神 和の心」「互助共生による実践共助システム」「日帰り現代湯治天国サロン」などのプランも示しました。

f:id:shins2m:20200717091210j:plain小倉織マスク姿で登壇しました

 

続いて、わたしが登壇しました。わたしは小倉織のマスクをしたまま、「まず最初に、このたびの九州豪雨で犠牲となられた方のご冥福を心よりお祈りしますとともに、被災された方々にはお見舞いを申し上げたいと思います。昨日、東京都の感染者が286名と過去最大でした。PCR検査数が増えたから陽性者の人数も増えているのは百も承知ですが、それでもこの人数は多い。本来なら、今月、東京オリンピックパラリンピックが開催されるはずだったと思うと、呆然とするばかりです」と述べました。

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マスクを外して講話をしました

 

それからマスクを外して、以下のように述べました。
「こんな時期に観光業界の支援事業『GoToトラベルキャンペーン』が、22日に先行して始まります。壊滅的な被害を受けている観光業界の要望もあり、8月上旬予定から前倒しの実施となりました。しかし、首都圏や近畿圏で『第2波の到来』が叫ばれているのに、日本中の人が全国に旅行するなど狂気の沙汰だと思います。特に、米軍基地内でクラスターが発生した沖縄に大量の観光客が押し寄せることが心配でなりません。観光業界の苦境はもちろん承知していますが、各地でクラスターが多発すれば、逆に日本の観光は命脈を絶たれます。東京だけをキャンペーンから除外するといった姑息な対応ではなく、キャンペーン自体を延期すべきでしょう。観光業界のためにも、前倒しどころか、実施は今年の秋以降、できれば来年にすべきだと思います」

f:id:shins2m:20200717091533j:plain経済よりも社会が大事! 

 

続けて、わたしは以下のように述べました。
「国の『経済が回らなければ大変なことになる」』という説明も理解できますが、感染拡大抑制が最優先ではないでしょうか。現在、『社会と経済はどちらが優先するのか』ということが問われています。わたしも経営者の端くれですから、経済の重要性は誰よりもわかっているつもりです。それでも、企業の業績などよりも大切なことがあります。それは、お客様や社員のみなさんが感染しないように細心の注意を払うこと。すなわち、経済よりも社会が大事なのです。わたしがリスペクトしてやまない経営学ピーター・ドラッカーの遺作にして最高傑作である『ネクスト・ソサエティ』(ダイヤモンド社)のメッセージは、「経済よりも社会のほうが重大な意味を持つ」ということです。同書の冒頭で日本の読者に対して、ドラッカーは『日本では誰もが経済の話をする。だが、日本にとっての最大の問題は社会のほうである』と呼びかけています」

f:id:shins2m:20200717092327j:plain「人間尊重」は永久に不滅です!

 

また、わたしは以下のように述べました。
「先月も話しましたが、わたしはこのたびのステイホーム期間中に感染症についての本を読み漁り、映画を観ましたが、重要な事実を発見しました。それは、ペストに代表されるように感染症が拡大している時期は死者の埋葬がおろそかになりますが、その引け目や罪悪感もあって、感染症が終息した後は、必ず葬儀が重要視されるようになるということ。人類にとって葬儀と感染症は双子のような存在であり、感染症があったからこそ葬儀の意味や価値が見直され、葬儀は継続・発展してきたのだという見方もできます。結婚式も同様で、ポストコロナは儀式が重んじられる『心ゆたかな社会』が訪れることでしょう。コロナ禍の中にあっても、わが社の施設はオープンし続けました。この仕事は社会的必要性のある仕事なのです。新型コロナウイルスが完全終息するのはまだ先のことでしょうが、儀式文化を基軸とした『人間尊重』というわが社のミッションは永久に不滅です!」

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「紫の雲」について話しました 

紫の雲 (ナイトランド叢書3-4)

紫の雲 (ナイトランド叢書3-4)

  • 作者:M・P・シール
  • 発売日: 2018/12/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

さらに、わたしは以下のように述べました。
「今年、紫雲閣は石川県の手取、柳橋、福岡県の遠賀がオープンし、さらにこれから飯塚、行橋、宮若、若宮、浦田、多々良・・・続々とオープンします。最近、わたしはブログ『紫の雲』で紹介した1901年にイギリスで書かれた幻想小説を読みました。ここに登場するパープル・クラウドは人類を滅亡させる力を持った最強のウイルスを含んだ毒雲です。しかし、紫雲閣の『紫雲』は、仏教の浄土信仰に基づくありがたい雲です。わたしたちが亡くなったときに極楽浄土から迎えにきてくれる仏様の乗り物が紫雲なのです。新型コロナウイルスの感染が拡大して、世の中に『死』の影が蔓延しているとき、その不安を癒して、安らぎを与えるのが紫雲閣なのかもしれません。言うまでなく、紫雲閣は単なるセレモニーホールではなく、コミュニティホールを目指しています。そして、そこはグリーフケアの場にもなります」

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「鼻なしの会」について話しました 

世界史を変えた13の病

世界史を変えた13の病

 

 

また、わたしは「新型コロナウイルスに九州豪雨・・・・・・現在の日本は巨大なグリーフに包まれていると言えます。グリーフ・ソサエティが誕生した観があり、まさにグリーフケアが求められる時代です。そして、わたしは互助会こそがグリーフケアの最高の受け皿になると考えています」と述べました。ブログ『世界史を変えた13の病』で紹介した本によれば、19世紀のロンドンには、梅毒で鼻を失った人々の『鼻なしの会』という互助会が存在したそうです。「鼻のない人々が集まったところを見たいと思ったある気まぐれな紳士が、ある日彼らを酒場に招待して食事をし、その場で上記の名を冠した協会を結成した」そうですが、「その紳士、ミスター・クランプトンは大勢を集めたようだ。おそらくその状況で予想されたよりも多くの人を。『人数が増えるにつれて、参加者の驚きは増していき、慣れない気恥ずかしさと奇妙な混乱を感じながら互いに見つめあった。まるで罪人が仲間の顔に自身の罪を見たかのように』」と書かれています。

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マスク姿で熱心に聴く人びと

 

続けて、同書には“鼻なしの会”について書かれています。
「彼らが罪人と呼ばれていたことは置いておいて、悩みを分かちあえる相手とついに出会えたことがどのようであったかを想像してみよう。ほとんどの人が名前を口にすることすら恐れている病気について、他人と語ることができたのだ。彼らがショックを受けたとしたら、その気持ちは理解できるような気がする。ほとんどの人が、鼻がないのをできるだけ隠すことに多くの時間を費やしていただろう。記事によれば、彼らはほとんどすぐに仲よくなり、冗談を言い始めた。『おれたちが喧嘩を始めたら、どれくらいで鼻血が出るかな?』『いまいましい。この30分、どこを探しても見当たらない鼻の話をするのか』『ありがたいことに、おれたちには鼻はないが口はある。テーブルに並んだごちそうに対しては、いまのところ一番役に立つ器官だ』」

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天道塾のようす

“鼻なしの会”について、同書には「楽しそうな集まりだ。鼻がなくても、ユーモアのセンスはある! わたしは普通なら絶望するときに、ジョークを言える人が好きだ。それに、これは梅毒患者が人間でない(天才が作った怪物かただの恐ろしいもの)ように描写されていない最初の記録かもしれない」とも書かれていますが、この箇所に涙が出るほど感動しました。というのも、わたしはグリーフケアを研究・実践しています。グリーフには死別をはじめ、名誉や仕事や財産などを失うこと、そして身体的喪失にも伴います。顔の中心である鼻をなくすというのは、どれほどその人に絶望を与えたことか。想像することすら難しい絶対的な絶望と言えます。しかも、鼻を奪った梅毒が代表的な性病であることは、当人の名誉も傷つけたことと思います。

f:id:shins2m:20200717092457j:plain一緒に「心ゆたかな社会」を創造しましょう!

 

おそらく、“鼻なしの会”のオリジナルな英語名は“NO NOSE CLUB”ではないかと思いますが、このギリギリのユーモアがグリーフケアにおいて大きな力を発揮したのではないでしょうか。かつて、性病で顔の中心を喪失するという巨大な悲嘆を与えられた人々を救おうとした試みがあったことに、わたしは心の底から感動しました。現在、新型コロナウイルスの最前線で闘う医療従事者を差別するという、とんでもない愚かな人々がいます。先日の本社総合朝礼でも述べましたが、人間として最も大切な人の道は「命を救うこと」と「死者を弔うこと」の2つであり、その意味で医療従事者と葬儀従事者ほど尊い仕事はありません。また、ロンドンに実在した“鼻なしの会”から学びを得て、サンレーグループの互助会はさまざまなグリーフケアの受け皿を目指したいと思います。コロナからココロへ。一緒に『心ゆたかな社会』を創造しましょう!」と述べてから、わたしは降壇しました。

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最後は、もちろん一同礼!

 

2020年7月17日 一条真也