世界平和パゴダ、国文化財へ(TV)

一条真也です。
コロナ禍の中、嬉しいニュースがありました。
わが社は、日本で唯一のミャンマー式仏教寺院「世界平和パゴダ」の支援を続けていますが、このたび、同施設の国登録文化財の認定が内定したのです。17日の夕方、TNC「ももち浜ストア」、TVQ「ふくサテ!」で報道されました。

f:id:shins2m:20200717200435j:plainTNC「ももち浜ストア」より

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世界平和パゴダは2017年4月に日本遺産「関門ノスタルジック海峡」の構成文化財となりましたが、建造されてからの年数も短く、北九州市の指定文化財などに指定される可能性はありませんでした。2017年秋に、別件で文化庁文化財調査官が北九州市へ訪れるのを市文化財担当から聞きつけ、パゴダへ案内したところ「国登録文化財となる価値は十分ある」と判断されました。国登録文化財の登録には文化財調査官の推薦が必要です。

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f:id:shins2m:20200717201016j:plainTVQ「ふくサテ!」より 

これで登録へ向けて地ならしができましたが、問題は登録申請に際して諮問委員会に提出しなければならない建物の平面図や立面図が、パゴダには一切残っていないことでした。新たに業者に測量を依頼すれば多額の費用が必要となるため、資金が乏しい奉賛会には厳しい状況で、登録への作業は一時中断となりました。そのうち、サンレー総合研究所の関野所長が日本遺産協議会の会議で同席した市文化財担当と話をしているうちに、国登録文化財として新登録された門司の旧丸山山荘の測量を西日本工業大学建築学科の先生が担当したと聞きました。大学生のワークショップとして測量するなら安価でもできるのではと、関野所長は担当した西日本工大岡田研究室へ尋ねました。すると、向こうもぜひという話となりました。

f:id:shins2m:20200717201051j:plainTVQ「ふくサテ!」より 

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2019年4月から測量が始まり、委員会に申請する資料まで研究室で作成していただきましたが、経費は破格の値段ですみました。申請に添付する登記簿書類などは関野所長の方でそろえましたが、市役所や文化庁との折衝などもすべて西日本工大にお任せし、今回の新登録へつなげることができました。なお、本日午後に文化庁で行われる会議で文部科学大臣への新登録の答申が決められる手順で、正式登録は年内の見込みです。

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サンレーグループ佐久間進会長は日緬仏教文化交流協会(日緬協)の会長として、パゴダ支援の中心的役割を果たしてきました。ブログ「仏教文化交流シンポジウム」で紹介した、2013年9月21日に世界平和パゴダ建立55周年を記念して開催された「仏教は世界を救う」をテーマにしたパネルディスカッションには、パゴダを建立された旧門司市長の柳田桃太郎氏の御令嬢である八坂和子氏らとともに、わたしもパネリストとして参加しました。その内容は『ミャンマー仏教を語る』(現代書林)に収められています。

 

 

2020年7月17日 一条真也