世界平和パゴダ、国文化財へ(新聞)

一条真也です。
昨日、ブログ「世界平和パゴダ、国文化財へ(TV)」で紹介したように、日本で唯一のミャンマー式仏教寺院「世界平和パゴダ」が国登録文化財の認定が内定し、テレビで報道されました。18日は、「朝日新聞」「毎日新聞」「読売新聞」「西日本新聞」の各紙朝刊でも報道されています。 

f:id:shins2m:20200718091958j:plain朝日新聞」2020年7月18日朝刊
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毎日新聞」2020年7月18日朝刊

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「読売新聞」2020年7月18日朝刊

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西日本新聞」2020年7月18日朝刊

 

現在、わたしが社長を務める株式会社サンレーでは、北九州市門司区の和布刈公園にある日本で唯一のビルマミャンマー)式寺院「世界平和パゴダ」の支援をさせていただいています。世界平和パゴダ第二次世界大戦後、ビルマ政府仏教会と日本の有志によって昭和32年(1957年)に建立されました。その目的は「世界平和の祈念」と「戦没者の慰霊」です。

f:id:shins2m:20200718100646j:plain世界平和パゴダ

f:id:shins2m:20120821150235j:plain世界平和パゴダの前で、佐久間会長と
 

ミャンマーは上座仏教の国です。上座仏教は、かつて「小乗仏教」などとも呼ばれた時期もありましたが、ブッダの本心に近い教えを守り、僧侶たちは厳しい修行に明け暮れます。現在の日本は儒教の影響が強く「礼」という思想的遺伝子を共有しているはずの韓国や中国と微妙な関係にあり、国際的に複雑な立場に立たされている。わたしは、ミャンマーこそは世界平和の鍵を握る国ではないかと思っています「慈悲の徳」を説く仏教の思想、つまりブッダの考え方が世界を救うと信じているのです。「ブッダの慈しみは愛をも超える」と言った人がいましたが、仏教における「慈」の心は人間のみならず、あらゆる生きとし生けるものへと注がれます。

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「読売新聞」2011年12月24日朝刊

f:id:shins2m:20200718172340j:plain西日本新聞」2012年4月25日朝刊
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ミャンマー大使館でパゴダの委嘱状を渡される

f:id:shins2m:20120829103918j:plain世界平和パゴダ再開のセレモニーで

 

思えば、わたしが世界平和パゴダ閉館のニュースを新聞報道で知って心を痛め、サンレー企画部の石田部長と一緒に現地に赴き、その後、佐久間進会長とともにパゴダを建立された故柳田桃太郎氏(元門司市長)の御令嬢である八坂和子さんにお会いし、わが社の世界平和パゴダ支援が決定したのです。その後、佐久間会長を代表とする日緬仏教文化交流協会を設立し、ミャンマー大使館やミャンマー仏教界の大僧正から佐久間会長が委嘱状を渡されたりして、2012年8月29日、パゴダはついに再開しました。

f:id:shins2m:20200718100126j:plain慈を求めて』(三五館) 

 

パゴダ再開の詳しい経緯は、ブログ「世界平和パゴダ」ブログ「大僧正のお別れ会」ブログ「世界平和パゴダ再訪」ブログ「ミャンマー大使館」ブログ「ブッダ・ミッション」ブログ「世界平和パゴダ再開」をお読み下さい。なお、『慈を求めて』(三五館)の帯には、世界平和パゴダを背景にしたわたしの写真が帯に掲載され、「世界平和パゴダ再開!」「『慈』はあらゆる生きとし生けるものに注がれる!」と書かれています。

f:id:shins2m:20191129101302j:plain慈経 自由訳』(現代書林)

 

ミャンマー仏教は上座仏教ですが、その根本経典は「慈経」(メッタ・スッタ)といいます。仏教の開祖であるブッダの本心が最もシンプルに、そしてダイレクトに語られている、最古にして、最重要なお経です。上座仏教の根本経典であり、大乗仏教における「般若心経」にも比肩します。上座仏教はかつて、「小乗仏教」などと蔑称された時期がありました。しかし、上座部仏教の僧侶たちはブッダの教えを忠実に守り、厳しい修行に明け暮れてきました。「メッタ」とは、怒りのない状態を示し、つまるところ「慈しみ」という意味になります。「スッタ」とは、「たていと」「経」を表します。わたしは、この「慈経」を自分なりに自由訳し、『慈経 自由訳』(現代書林)として世に問いました。

 

「慈経」はもともと詩として読まれていました。すなわち単に書物として読まれるものではなく、吟詠されたものだったのです。わたしも、なるべく吟詠するように、千回近くも音読して味わい、自由訳に臨みました。自らの人生をかけて、魂をこめて、「慈経」のメッセージをわかりやすい言葉に直しました。「慈経」の教えは、老いゆく者、死にゆく者、そして不安をかかえたすべての者に、心の平安を与えてくれます。これからの日本人にとって最も必要なお経が「慈経」であると確信しています。ブッダは8月の満月の夜に「慈経」を説いたと伝えられています。満月は、満たされた心のシンボルです。わたしが満月に格別の感情を抱いていることはご存知かと思いますが、いつか北九州市門司港にある日本で唯一のミャンマー式寺院である「 世界平和パゴダ」で満月の夜の行事を盛大に行いたいと思っています。

f:id:shins2m:20120821151328j:plain世界平和パゴダ の前で

慈経 自由訳

慈経 自由訳

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2020年7月18日 一条真也