二十歳のつどい中止

一条真也です。
1月2日にアップしたブログ「能登半島からのLINE」には大量のアクセスが殺到しました。少しでも、被災地を支援する気運を盛り上げていきたいです!

内灘町のホームページより

 

それにしても、元旦に大地震が発生するとは! 
一部では、日本人の祝日や記念すべき日によくミサイルを発射する某国が海中で小型核兵器を爆発させて地震を起こしたのではないかという陰謀論もあるようですね。いずれにしても、被害の惨状が次々に明らかになってきて、わたしも心を痛めています。そんな中、石川県内の成人式である「二十歳の集い」の中止が続々と決まっています。

アフロディーテ金沢の外観

 

昨夜より、アフロディーテ金沢の山岸義孝支配人と連絡を取り続けているというサンレーグループ冠婚副本部長の山下格取締役からのLINEには「現状はキャンセルの話ではなく、撮影だけでも対応できる準備できるようスタッフの手配をしてもらっています。一生に一度の体験を一人でも多くの方々に提供できるよう・・・北陸メンバーも頑張ってくれています!」と書かれていました。

北國新聞」2023年10月31日朝刊

 

アフロディーテ金沢といえば、10月31日の「北國新聞」朝刊で取り上げられました。わが社はサンレー・アンビション・プロジェクト(SAP)の一環として児童養護施設出身の成人者に晴れ着をプレゼントする活動に取り組んでいますが、ブログ「振り袖を断念しないで!」で紹介した30日のTV番組に続き、「北國新聞」の31日朝刊にも記事が掲載されたのです。記事には、「二十歳に振り袖を 施設出身者に貸し出し」の見出しで、「『二十歳のつどい』用の振り袖を無料で児童養護施設出身者に貸し出している出雲町の貸衣装店『アフロディーテ金沢店』で30日、来年の『つどい』に向けた衣装選びが行われた。経済的な理由で施設出身者が振り袖を準備できない面があり、県児童養護協議会とアフロディーテ金沢店など貸衣装店を運営するサンレーが協力し、希望者に貸し出している」と書かれています。

北陸中日新聞」2023年11月1日朝刊

 

また、「北陸中日新聞」11月1日朝刊にも紹介記事が掲載されました。記事は「『二十歳の集い』に振袖を」「養護施設出身者にサンレー北陸」「本年度も無償レンタル大人への一歩支援」の見出しで、「冠婚葬祭業のサンレー北陸(金沢市)が、成人人を迎える県内の児童養護施設の出身者に『二十歳の集い』の振り袖を毎年無償レンタルする取り組みとして30日、金沢市内で振袖の衣装選びがあった。人生で一度も着物を着たことがないという市内の施設出身で、北陸学院大2年の浜田百花さん(19)が、何百種類の華やかな着物を吟味して晴れの門出に期待を膨らませた。(柴田一樹)」というリード文の下、こう書かれています。
「2019年の成人式から同社が続ける取り組み。一式15万~30万円ほどする振り袖は、原則18歳で施設を出たばかりの女性出身者には経済的負担が大きいという事情を聴いて始めた。これまでに計20人の出身者が自分好みの着物に袖を通して式に出席。本年度は浜田さんを含めた県内の3人がレンタルする。
『ピンクがいいかな。え~悩むね』『最近は白地も人気なんですよ』。貸衣装を扱う同社のアフロディーテ金沢店(同市出雲町)では、棚から選んだ10着ほどの着物を試着する浜田さんが、店員と一緒に自分に合う一着に思いを巡らせた。個性豊かな柄の着物に次々と着替え、約30分。最後は、自分が好きな青地に上品な花柄が浮かんでいる振り袖に決めた。『いろんな柄を選べて本当に楽しかった』と浜田さん。七五三を祝ったこともなく、人生で初めて着物に袖を通したといい、『自分が選んだお気に入りの着物を着て出られるのが楽しみ。将来は保育士になり、自分の意志を強く持てる大人になりた』」と声を弾ませた。振り袖選びを見ていた同店の山岸義孝支配人(47)は『楽しそうに選んでいたのが一番嬉しい』と笑顔。『大人への一歩を踏み出す大事な式をあきらめてほしくないし、今後も支援を続けたい』と話した」

コンパッション!』(オリーブの木

 

わが社の晴れ着プレゼント活動については、拙著コンパッション!オリーブの木)の中で詳しく紹介しています。「コンパッション」を直訳すれば「思いやり」ということになるでしょうが、この言葉が内包している大きさは「思いやり」を超えるものです。キリスト教の「隣人愛」、儒教の「仁」、仏教の「慈悲」など、人類がこれまで心の支えにしてきた思想にも通じます。わが社は、これからも「コンパッション」を追求し、実践していきます。北陸での「二十歳の集い」が中止されたことは誠に残念ですが、どうか一生の思い出として新成人の方々は晴れ着の撮影だけでもされるようにお願いいたします。その写真は、今回の地震で悲嘆を抱えたご家族や周囲の方々をきっと笑顔にしてくれるのではないでしょうか?

小松市のホームページより

 

ここまでブログを書いたところで、たった今、新しい情報が入りました。小松市は一部内容の変更や安全対策をとった上で実施するそうです。成人式は、新成人がここまで育ててくれた両親や地域社会に対して感謝の念を抱き、社会人としての自覚を持つための大切な通過儀礼です。それは「人生の四季」を愛でることであり、人生そのものを肯定する営みです。新成人たちの不安定な「こころ」を安定させるためにも必要な儀式であり、石川県第二の都市である小松市が実施を決めてくれたことは本当に良かったです。石川県最大の都市である金沢市の実施はまだ発表されていませんが、ぜひ実施していただきたいと願っています。


人生の四季を愛でる』(毎日新聞出版

 

2024年1月3日  一条真也