一条真也です。
29日、ブログ「年越大祓式」で紹介した社内儀式を終えたわたしは、一年が無事であったお礼参りをするために、九州最北端に位置する北九州市門司区青浜の皇産霊神社(みむすびじんじゃ)を訪れました。
久々に皇産霊神社を訪れました
見晴らしが良くなり、海も一望できます!
皇産霊神社はサンレーグループの総守護神を祭る神社ですが、久々に訪れたらアップデートされていました。密林のようになっていた木々も伐採されて、見晴らしが良くなっており、境内から青浜の美しい海が一望できます。とても景観が良くなっており、デートスポットにも最適ではないでしょうか。もちろん、インスタ映えも最高です!
皇産霊神社の拝殿を望む
皇産霊神社の新エリアを背景に
皇産霊神社は、『古事記』『日本書紀』が伝える天地造化の大神である「高皇産巣日神」と「神産巣日神」の二神大神を主祭神として「皇産霊大神(みむすびのおおかみ)」と尊称して奉祀する神社です。歴代皇紀、『神皇正統記』などの多くの神典に高皇産霊神は男神、神皇産霊神は女神に坐して、天之御中主大神(宇宙中心の神)の御発動による陰陽両面の御姿の神です。皇産霊神社は「皇産霊大神」の神号をもって日本各地の神社で見受けることのできない数少ない奇霊なる大神をお祀りした神社なのです。詳しくは、ブログ「皇産霊神社」をお読み下さい。
「佛教諸宗祖師之諸霊神」の説明書
今回、「佛教諸宗祖師之諸霊神」をお祀りする新エリアが完成していました。説明書には、「空海(真言宗)・最澄(天台宗)をはじめ、法然(浄土宗)、栄西(臨済宗)、親鸞(浄土真宗)、道元(曹洞宗)、日蓮(日蓮宗)、一遍(時宗)ほか、日本仏教諸宗における祖師の御霊をおまつり申し上げております。同じ仏教とはいえ諸宗の協議には異同もございますが、当社におきましてはわが国の『和』の文化を生み出した聖徳太子様、更には、万物の仲を執り持つ間島大神様の御神威により、それぞれの差異を超え、一社の大神様としてお鎮まり頂いております。大神様の御神徳により、皆様およびご関係の皆様の御霊の平穏が実現致しますようお祈り申し上げます」とあります。
皇産霊神社は、神道に限らず、儒教や仏教の聖人も大切にお祀りしています。日本古来の信仰である神道、中国の孔子が開いた儒教、インドの釈迦が開いた仏教は、日本人の心を支える三本柱です。聖徳太子は、神道・儒教・仏教の三大宗教を平和的に編集し、「和」の国家構想を描きました。儒教によって社会制度の調停をはかり、仏教によって人心の内的不安を解消する。すなわち、心の部分を仏教が担う、社会の部分を儒教が担う、そして自然と人間の循環調停を神道が担うと説いたのです。
聖徳太子像清祓祭のようす(2017年1月1日)
わたしの父である佐久間進は、聖徳太子をこよなく尊敬しています。そして、聖徳太子が制定した「十七条憲法」の冒頭にある「和を以て貴しとなす」という言葉を座右の銘としており、ことあるごとに「和」の話をします。そんな父は皇産霊神社の祭主で代表役員でもありますが、2017年1月1日、同神社の境内に 聖徳太子像を建立しました。詳しくは、ブログ「聖徳太子像」をお読み下さい。
境内に置かれた飾り棚
境内に置かれた飾り棚
飾り棚の説明書
室町時代に神道家の吉田兼倶が、仏教は万法の花実、儒教は万法の枝葉、神道は万法の根本とする「根本枝葉果実説」を唱えましたが、このルーツも聖徳太子にありました。この聖徳太子の宗教における編集作業は日本人の精神的伝統となり、鎌倉時代に起こった武士道、江戸時代の商人思想である石門心学、そして今日にいたるまで日本人の生活習慣に根づいている冠婚葬祭など、さまざまな形で開花していきました。江戸時代には、経世家の二宮尊徳が「神道は開国の道なり。儒教は治国の道なり。仏教は治心の道なり。」との言葉を残しています。神儒仏によって、日本人の心は安定していると言えるでしょう。詳しくは、ブログ「日本人の心の三本柱」をお読みください。
新設された「むすび館」
「むすび館」の前で
「むすび館」の中で
並べられた世界の聖人像
曼荼羅も飾られています
最新・最強の機械警備で守っています!
皇産霊神社の敷地内には、新しく「むすび館」が建設されていました。この施設は、無縁社会を乗り越え、有縁社会、さらには互助共生社会を実現するための拠点となるものです。基本的は集会所として使われますが、現在は、かつて「宗遊館」という宗教美術館に展示していた曼荼羅コレクションなどが置かれています。その他、貴重な仏壇や聖人像なども置かれていますが、最新で最強の機械警備でセキュリティ態勢も万全です!
皇産霊神社の獅子舞
皇産霊神社は、例年、多くの初詣の方々が訪れますが、来年は1月1日(月)~1月10日(水)が初詣期間となっています。1日以外は9時~17時を目安にご参拝下さい。場所は、北九州市門司区白野江481番地(青浜海岸)です。1月1日の6時45分頃より獅子舞・巫女舞の奉納が行われます。ご鑑賞をご希望の方はご参集下さい。なお、例年行ってきたおせち・御神酒の振舞はありません。拝殿に参拝者芳名録が用意されていますので、例年同様、お参りの方はご記帳をお願いします。社務所では、話題の書『古事記と冠婚葬祭』(現代書林)もお買い求めいただけます。ぜひ、初詣は皇産霊神社へ!
2023年12月29日 一条真也拝