母の日

一条真也です。
今年は8日ですが、5月の第2日曜日は「母の日」です。5月は、わたしにとって特別な月です。5日の「子どもの日」、10日の自分の「誕生日」、そして「母の日」があるからです。幼いときから、いつもこの3つの「日」は3点セットでした。最近は、この3つの本質は同じだと気づきました。それは、自分を産んでくれた母親に感謝する日だということです。

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ヒトの赤ちゃんというのは自然界で最も弱い存在です。すべてを母親がケアしてあげなければ死んでしまう。2年間もの世話を必要とするほどの生命力の弱い生き物は他に見当たりません。わたしは、ずっと不思議に思っていました。「なぜ、こんな弱い生命種が滅亡せずに、残ってきたのだろうか?」と。あるとき、その謎が解けました。それは、ヒトの母親が子どもを死なせないように必死になって育ててきたからです。出産のとき、ほとんどの母親は「自分の命と引きかえにしてでも、この子を無事に産んでやりたい」と思うもの。実際、母親の命と引きかえに多くの新しい命が生まれました。また、産後の肥立ちが悪くて命を落とした母親も数えきれません。まさに、母親とは命がけで自分を産み、無条件の愛で育ててくれた人です。


「母の日」に贈ったカーネーション

 

今日は、妻と長女を連れて「母の日」のプレゼントとカーネーションを実家に持っていきました。母は喜んでくれました。そして、もうすぐ花嫁になる長女と話をしていました。また、母は甘いもの、特に和菓子が好きなので、地元の百貨店である井筒屋に買いに行きました。地価の食品売り場には、和菓子の「母の日」コーナーがあったので、その中で一番人気があるという詰め合わせセットを求めました。これもきっと、母は喜んで、目を細くしながら食べてくれると思います。

 

決定版 年中行事入門

決定版 年中行事入門

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2018/06/20
  • メディア: 新書
 

 

拙著『決定版 年中行事入門』(PHP研究所)および『人生の四季を愛でる』(毎日新聞出版)でも、わたしは「母の日」を取り上げました。もともと「母の日」とは、1905年の5月9日に亡くなったアメリカの社会運動家アン・ジャービスの功績をたたえたものです。アンは、南北戦争のときにあらゆる人々に愛情をささげた女性です。アンの娘、アンナが母の追悼式に白いカーネーションを参加者に配ったことが母の日の始まりといわれています。

 

 

日本で母の日が普及したのは、キリスト教系の学校・青山学院の働きかけがきっかけでした。「母の日」の導入当初は、当時の香淳皇后の誕生月の3月に催されていましたが、昭和10年頃から5月に行われるようになりました。
昭和10年といえば、わたしの父が生まれた年ですね。
「父の日」は6月の第3日曜日で、今年は19日です。


「母の日」に母と

 

2022年5月8日 一条真也

 

一条真也です。
たった一字に深い意味を秘めている文字は、世界でも漢字だけです。そこには、人のこころを豊かにする言霊が宿っています。その意味を知れば、さらに、こころは豊かになるでしょう。今回の「こころの一字」は、「導」です。

 

 

人を導く者を日本語で指導者、英語でリーダーといいます。リーダーに求められるのがリーダーシップだと一般には思われています。しかし決して誤解してはならないことは、リーダーシップはいわゆる管理職の人間だけに必要なのではなく、会社なら社員全員が持つべきものだということです。日本的リーダーの理想のイメージは「君子」と言えるかもしれません。君子については、日本における儒教研究の第一人者である加地伸行先生とわたしの対談本『論語と冠婚葬祭』(現代書林)にも詳しく書かれています。


 

リーダーシップとは、人間の生き方そのものに関わっています。組織の階層構造は人間がつくったものです。それは、ときとしてリーダーシップのあり方を型にはめ、人が生まれながらに持っている貴重な才能を押し殺してしまうことがあります。けれども、そのような状況のもとでも、リーダーシップを発揮することは誰にでもできます。では、どうすれば自分の可能性を引き出し、伸ばすことができるのでしょうか。

 

 

それは、こういう問いにつながります。「あなたの仕事は、人生を注ぎ込むに値するものか」という問いです。これほど大事な問題を、あなたはどう考えているのでしょうか。これは人間としての根本的な問いであり、一人ひとりの人生に関わる問いでもあります。誰もが、人の役に立ちたいと心の底で思っている。自分の存在が他人のやる気をくじいているのか、それとも逆に活気づけているのかということに、無関心でいてよいのでしょうか。

 

 

経営学ピーター・ドラッカーによれば、リーダーシップの本質とは、意義あるビジネスを生み出すこと、さらに言えば、意義ある人生を生み出すことにあります。過去と他人は変えられませんが、未来と自分は変えられます。変えられるのは自分だけであり、自分だけが自分を変えられるのです。自分の一番よいところを引き出すこと、自分の周囲に人々がのびのびと成長できるような環境をつくってあげること、これが真のリーダーシップではないでしょうか。

 

 

果敢に行動を起こし、みずから先頭に立ち、後に続く人々を励まし、他人の一番よいところをほめてあげること。これが人生のあらゆる場面に役立つリーダーシップの要諦です。ローマ史に詳しい作家の塩野七生氏は、リーダーとして成功できる男の最重要条件について述べています。それは、イタリア語では「セレーノ」、日本語では「晴朗」な雰囲気を醸し出すことであるといいます。

 

 

あのハンニバルを打ち破ってローマを勝利に導いたプリウスコルネリウススキピオは、若い頃から「セレーノ」を完全に持っていたそうです。彼が演壇の上に立っただけで、人々にはこの若者を支持したい気持ちがわいてきたというのです。リーダーたる者、いつも「晴朗」であることに努めたいものです。なお、「導」については、『龍馬とカエサル』(三五館)に詳しく書きました。

 

 

2022年5月8日 一条真也

『独言』 

一条真也です。
わたしは、これまで多くのブックレットを刊行してきましたが、一条真也ではなく、本名の佐久間庸和として出しています。いつの間にか44冊になっていました。それらの一覧は現在、一条真也オフィシャル・サイト「ハートフルムーン」の中にある「佐久間庸和著書」で見ることができます。整理の意味をかねて、これまでのブックレットを振り返っていきたいと思います。 


『独言〜互助会から互助社会へ』(2010年12月刊行)

 

今回は、『独言』をご紹介します。2010年12月に刊行したブックレットです。
タイトルは『独言』です。「互助会から互助社会へ」というサブタイトルがついています。内容は、これまで業界紙に連載していたコラムをまとめたものです。このブックレットには、以下の50本のコラムが収録されています。

 

01  数の世界
02  神隠し
03  太陽と死
04  天才の時間
05  イラクと沖縄
06  SARSの悪夢
07  人の道を提供して
08  心の中の花
09  夫婦工場
10  二つの非常ベル
11  感染症の道
12  心の闇はほどけたか
13  バーチャルからリアルへ
14  相互扶助の実現
15  ローマ人に学べ
16  玄侑宗久
17  朝鮮半島
18  地震列島
19  ほととぎす
20  8月9日
21  老いの神話
22  冠婚葬祭映画
23  会社は社会のもの
24  オウム判決
25  韓国で礼を語る
26  教養こそ真の富
27  丹波哲郎
28  スピ系ブーム
29  千の風になって
30     仲人がいますか?
31     使命と志
32  グリーフワーク
33     読書の秋
34  心に残る仕事
35  素敵な仕事
36  母の日
37  中国人に教える論語
38  おくりびと
39  ドラッカーの法則
40  ミッション
41  鎮魂としての歌
42  悼む人
43  隣人祭り
44  皆既日食
45  ドラの音を鳴らせ!
46  冠婚葬祭の感動実話
47  沈まぬ太陽と敬天愛人
48  葬式は必要!
49     家族の絆
50     孤独死に学ぶ


『独言』の目次

 

わたしは、2002年の8月より、一般社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)が隔月で刊行している「互助会通信」の巻頭コラム「独言」を「一条」の名で書いています。コラム執筆を引き受けたのは、当時わたしが全互協の広報委員だった関係からでした。全互協は冠婚葬祭互助会業界の全国団体です。互助会事業の法制化に伴って、1973年に誕生しましたが、わが社の佐久間進会長が全互協の初代会長を務めました。わたしは現在、副会長を務めています。

                                  
「互助会通信」の第1面

 

では、冠婚葬祭互助会、いわゆる互助会とは何でしょうか。
互助会はその名の通り、「相互扶助」をコンセプトとした会員制組織です。
終戦直後に横須賀市で生まれ、全国に広まっていきました。その歴史は60年ほどですが、実はきわめて日本的文化に根ざした「結」や「講」にルーツはさかのぼります。

 

「結」は、奈良時代からみられる共同労働の時代的形態で、特に農村に多くみられ、地域によっては今日でもその形態を保っているところがあります。一方、「講」は、「無尽講」や「頼母子講」のように経済的「講」集団を構成し、それらの人々が相寄って少しずつ「金子」や「穀物」を出し合い、これを講中の困窮者に融通し合うことをその源流としています。このような「結」と「講」の2つの特徴を合体させ、近代の事業として確立させたものこそ、冠婚葬祭互助会というシステムなのです。

 

日本的伝統と風習文化を継承し、「結」と「講」の相互扶助システムが人生の2大セレモニーである結婚式と葬儀に導入され、互助会は飛躍的に発展してきました。
そして、全互協加盟の互助会は、社会貢献基金を立ち上げ、育ててきました。
これは、地域のさまざまな災害の救済、社会福祉事業、環境保全事業、国際協力など社会貢献活動を行う各種団体等への助成、並びに社会貢献に資する調査・研究を目的とした事業に対する助成を行うためのものです。

 

それによって、日本の生活文化と地域社会の発展に寄与することを目的としています。
現在、全互協では、社会貢献基金助成金交付を各種のNPOやボランティア団体などに対して行っています。そう、「互助会」から「互助社会」へ。それはまた、あらゆる人々を縁でつなぐ「有縁社会」のモデルでもあります。「無縁社会」が叫ばれ、生涯非婚に孤独死や無縁死が問題となる中、冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなると思っています。

 
『独言』の内容

 

「独言」は、2010年の8月25日号で、連載50回目を数えました。その前月の7月より、全互協の広報・渉外委員長に就任することになり、これを記念に、「独言」全50回分を収録したブックレットを作成するはこびとなったのです。コラムの話題は多岐にわたりますが、いずれも互助会の本来の意義、そして可能性を問うたつもりです。わたし自身、互助会の本質について考える良い機会となりました。

 

2022年5月8日 一条真也

「死刑にいたる病」

一条真也です。
6日の夜、この日に公開されたばかりの日本映画「死刑にいたる病」をレイトショーで観ました。わたしの好きな女優である中山美穂が出演しているということで楽しみにしていましたが、非常に気持ちの悪い映画でした。ミポリンには、こんなグロくて不快な映画に出てほしくなかった!


ヤフー映画の「解説」には、こう書かれています。
「『ホーンテッド・キャンパス』の原作などで知られる櫛木理宇のサスペンス小説を映画化。世間を騒然とさせた連続殺人事件の犯人から、1件の冤罪の証明を依頼された大学生が事件を再調査する。監督を『孤狼の血』シリーズなどの白石和彌、脚本を『そこのみにて光輝く』などの高田亮が担う。連続殺人鬼を『彼女がその名を知らない鳥たち』で白石監督と組んだ阿部サダヲ、事件の真相を追う大学生を『望み』などの岡田健史が演じる」

 

ヤフー映画の「あらすじ」は、以下の通りです。
「理想とはかけ離れた大学生活で悶々とした日々を過ごす筧井雅也(岡田健史)のもとに、ある日1通の手紙が届く。それは大勢の若者を殺害し、そのうち9件の事件で死刑判決を受けている凶悪犯・榛村大和(阿部サダヲ)からのもので、『罪は認めるが最後の事件は冤罪だ。犯人はほかにいることを証明してほしい』と記されていた。かつて筧井の地元でパン屋を営んでいた旧知の榛村の願いに応えるべく、筧井は事件の真相を独自に調べ始める」


予告編から、この映画が連続殺人鬼が主人公であることは知っていましたが、それにしても冒頭から犯人の未成年者の被害者に対する惨たらしいシーンが続き、目を背けたくなりました。ホラー映画やサスペンス映画の残虐シーンには完全に免疫のあるわたしでさえそうなのですから、その手のシーンが苦手な人は精神的に辛いと思います。主役のサイコキラーを演じた阿部サダヲは目がクリクリしていて腹話術の人形のような顔をしていますが、この映画では目が真っ黒になって不気味さMAXの表情でした。エプロンをしたパン屋さんの格好で犯行に及ぶ姿は、いま話題のジョニー・デップ(!)が殺人理髪師を演じた「スウィーニー・トッド」(2008年)を連想しました。


冒頭の残虐シーンを我慢して観ていると、収監されている凶悪犯・榛村大和(阿部サダヲ)と犯人から手紙を送られた青年のやりとりになります。その青年というのが、犯人のパン屋に中学生の頃に通っていて、今は三流大学の学生である筧井雅也(岡田健史)です。この雅也がコミュ障というか陰キャそのもので、観ていてイライラします。「罪は認めるが最後の事件は冤罪だ。犯人はほかにいることを証明してほしい」という榛村の依頼を受けて、雅也は真犯人の洗い出しを行いますが、次第に明らかになる真相には驚きがありません。ラストも衝撃的ではなく、ミステリーとしては消化不良感が残りました。


雅也が拘置所を訪れて犯人と面会するシーンには、緊張感がありましたね。レビューの中には、「羊たちの沈黙」(1981年)を連想したという内容もありましたが、正直言って、ミステリー&サスペンス映画の歴史に残るキャラクターであるレクター博士と榛村大和を比較するのには無理があります。むしろ、榛村はブログ「スマホを落としただけなのに」ブログ「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」に登場する殺人鬼のイメージに近いです。また、面会場面での心理戦は非常に緊迫感に満ちており、ブログ「三度目の殺人」ブログ「ファーストラヴ」で紹介した日本映画の面会シーンを思い出しました。


さて、この映画を観た最大の理由はお気に入りの女優である中山美穂が出演しているからです。彼女は1982年、小金井市立緑中学校1年生の時に原宿でスカウトされ、芸能界入りしました。最初は広告、ポスター等のモデル活動のほか、TDKカセット「ADスプレンダー」や明治製菓のCMに出演。ビジュアルでは昭和の歴代アイドルの中でもトップクラスの評価でした。1985年、TBS系ドラマ「毎度おさわがせします」のツッパリ少女・のどか役で女優デビュー。同ドラマ終了後、所属事務所をバーニング傘下のビッグアップルに移籍。1985年、シングル「C」でアイドル歌手としてもデビュー。同年、ヒロイン役で初出演した映画「ビーバップ・ハイスクール」が劇場公開されて大ヒット。また年末には、新人アイドルが豊作だった中で、その頂点に達する第27回「日本レコード大賞」最優秀新人賞 を受賞するなど活躍が続きました。


1987年に放送され高視聴率を獲得した主演ドラマ「ママはアイドル」の役柄・中山美穂の愛称ミポリンが、実際の中山の愛称としても定着。同年ブロマイド売上枚数が女性部門でトップになります。1988年にNHK紅白歌合戦に初出場し、以後1994年まで7年連続で出場。1989年、フジテレビ月9枠のドラマ「君の瞳に恋してる!」に主演。男性だけではなく女性からも憧れを誘う存在となって、以後、その月9枠の常連となり、主演が7作品と、女性では最多を記録しています(男性を含めると木村拓哉に次ぐ第2位)。また、主演と主題歌を担当した作品も4作で、最多だそうです。これは凄い!


そんなスーパーアイドルだったミポリンですが、映画「死刑にいたる病」では、ちょっと心配もしていました。というのも、この作品の完成披露試写会に出たときのミポリンのお顔があまり調子が良さそうではなかったからです。若い頃は絶世の美女として鳴らしたミポリンだけに、いくつになっても「美」を放棄することはできないと思われます。そのメンテナンスにもかなりの手間とお金をかけているのでしょうが、それが失敗したとは言いませんが、中には「アイドルの頃の面影がまったくない!」とか「お顔の担当を替えた方がいいのでは?」などの心ない声も聞こえました。わたし自身、彼女の最近の姿を見て「?!」と思ってしまう場面もあり、陰ながら心配しておりました。


しかし、「死刑にいたる病」でのミポリンは年齢相応の美しさを見せてくれていました。幼少期より複雑な環境に育ち、結婚後は夫に遠慮ばかりしている女性の役でした。雅也の母でもありますが、彼女の過去が暴かれていくさまはスリリングでした。わたしは昔からミポリンのファンなのですが、「ただ泣きたくなるの」や「世界中の誰よりきっと」を歌った歌手・中山美穂もいいですけど、女優・中山美穂が大好きでした。といっても、デビューしたばかりの頃の「ビー・バップ・ハイスクール」ではなく、「Love Letter」(1995年)、「東京日和」(1997年)、「サヨナライツカ」(2009年)といった彼女の主演作品がお気に入りでした。この3作は、とにかく泣けました。3作ともDVDを持っています。


わたしがミポリンの美しさに魅せられたのは、映画だけではありません。少年時代の特撮ヒーロー・ドラマやアニメは別として、基本的にテレビを観ない人間であるわたしが、大人になってから初めて全作をしっかり観たドラマは、1998年10月8日から12月24日まで毎週木曜日22時からフジテレビ系の「木曜劇場」枠で放送された中山美穂木村拓哉が主演の「眠れる森 A Sleeping Forest」でした。フジの月9の主演数ナンバー1のキムタクとナンバー2のミポリンの夢の共演でした。オープニング曲は竹内まりやの「カムフラージュ」でしたが、映像でミポリンがハンモックで熟睡する顔が大写しにされます。当時のミポリンは28歳の全盛期であり、その寝顔は本当に美しかったです!


「眠れる森」の番宣コピーは「記憶だけは殺せない」でしたが、シナリオの完成度が高いミステリー・ドラマでした。多くのファンの熱望にもかかわらず、このドラマは一度も再放送されていません。その理由には諸説ありますが、ドラマの放送から2年後に起きた「世田谷一家惨殺事件」が「眠れる森」の冒頭に登場する一家惨殺事件を模倣しているのではないかと噂になったからだという説があるそうです。もちろん「世田谷一家惨殺事件」は未解決事件ですので真相はわかりませんが、この噂はメディアでも取り上げられたため、再放送は難しいとされているとか。


その「眠れる森」には、木村拓哉が演じる謎のロン毛男が登場し、重要な役割を果たします。「死刑にいたる病」にも岩田剛典が演じる謎のロン毛男が登場します。キムタクが演じた青年とガンちゃんが演じた金山の物語における役割はまったく違いますが、長い髪という共通点から、また両作品ともにミポリンが出演していることから、わたしは「死刑にいたる病」を観ながら「眠れる森」を連想しました。「眠れる森」のオープニング映像で、長い髪をなびかせて森を駆けてくるキムタクの美しさは圧巻でした。ガンちゃん演じる金山にはそこまでの美しさはありませんが、謎めいてはいました。考えてみれば、榛村が殺人を重ねた森には多くの死者が眠っていたわけであり、これが本当の「眠れる森」かもしれませんね。


「死刑にいたる病」のメガホンを取ったのは白石和彌監督です。ブログ「凶悪」で紹介した映画や、「孤狼の血」シリーズをはじめ、白石監督の作品にはバイオレンスシーンが多いことで有名ですが、それにしても「死刑にいたる病」の残虐シーンはあまりにも度を超えていたように思います。この映画の拷問&殺害シーンはほとんどスナッフ・ビデオであり、日本映画の歴史に残る残虐さではないでしょうか。また、その被害者たちが、いずれも17~18歳までの真面目な高校生というのが、観ていて不愉快でした。こんな酷いことが出来るのは、もはや人ではありません。それは鬼です。映画のラスト近くで、犯人の榛村が「こっち側に来たら、もう戻れないよ」という言葉を口にしますが、あっち側は「人」の世界で、こっち側は「鬼」の世界なのだと思います。だから、「殺人」という言葉があるのではないでしょうか。


そして、死刑にいたる病に冒された殺人鬼には、やはり死刑が与えられるべきです。死刑とは殺人鬼という鬼を滅する「鬼滅」の儀式なのです。拙著『「鬼滅の刃」に学ぶ』(現代書林)で詳しく述べたように、社会現象にまでなった「鬼滅の刃」とはグリーフケアの物語ですが、愛する家族を残虐きわまりない鬼の所業で殺された遺族にとって、殺人鬼が死刑になることこそがグリーフケアになりうるのではないでしょうか。この世に死刑反対論者が多いことはよく知っていますが、そういう人たちにこそ、この「死刑にいたる病」を観ていただきたいです。それから、自分がしたことを棚にあげて殺人犯の推理をする榛村の姿には嫌悪を感じるとともに、最近、世間を騒がせている暴露系YouTuberのことを連想しました。



韓国のアイドルグループに会わせるという詐欺を働いた彼は、多くの芸能人の暴露動画を配信し続けていますが、自分の罪を棚にあげて他人の罪を糾弾する行為に矛盾を感じます。また、「死なばもろとも」と覚悟を決めたという割には警察に逮捕されることを異常に怖れる姿が哀れです。罪を犯した者が逮捕されるのは当然であり、連続殺人鬼が死刑になるのも当然です。最後に、榛村が被害者を拉致する手法や死体を処理する方法はあまりにも杜撰であり、現実にあれだけの連続殺人を成し遂げるのは絶対に不可能です。犯罪のディテールにリアリティがないところも不満でした。この暗くて、胸糞悪い「死刑にいたる病」という映画を観た感想は以上です。ちなみに、くだんの暴露系YouTuberが一番好きな芸能人はミポリンだとか。(笑)

 

2022年5月7日 一条真也

ナイル川からのLINE

一条真也です。
小倉高校の後輩で、アフリカで医療支援を行う認定NPO法人ロシナンテス理事長の川原尚行さんからLINEが届きました。川原さんは、現在、スーダンにおられます。


川原さんが送ってくれたスーダンの画像

 

川原さんは、小倉高校から九州大学大学院医学系研究科修了後、外務省へ入省。医務官として赴任したスーダンで、目の前で苦しむ現地の人々を助けたい想いから外務省を辞職し単身で医療活動を開始。2006年、高校時代のラグビー仲間を中心に特定非営利活動法人ロシナンテスを設立。スーダン共和国東日本大震災津波被害を受けた宮城県南部で様々な活動を展開中。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」やTBS「情熱大陸」にも出演された自慢の後輩であり、わたしは心からリスペクトしています!


ナイル川の動画も送ってくれました!

 

スーダンの川原さんに「いつか、ナイル川に行ってみたい!」とLINEしたところ、「ぜひともいらしてください! 青ナイルと白ナイルの合流点が見られます!」とのメッセージが送られてきました。さらに、その数日後、ナイル川の動画とともに「スーダンラマダンが明けました。しばらくはイード休暇となります」とのメッセージが届きました。すごく嬉しかったですし、ナイル川に行きたいという夢がさらに大きくなりました。

ユダヤ教vsキリスト教vsイスラム教

 

わたしが「ラマダンですか。以前、イスラム教についての本を書いたことがあります。日本人はもっとイスラム教について知る必要がありますね」と述べ、拙著『ユダヤ教vsキリスト教vsイスラム教』(だいわ文庫)を紹介したところ、「拝読させて下さい!」との即レスが届いたので、本をお送りしました。川原さんは6月5日の長女の結婚披露宴にも参列して下さるそうです。再会まで、あと1ヵ月。心より楽しみにしています!


川原尚行さんと

 

2022年5月6日 一条真也

『決定版 おもてなし入門』

一条真也です。
74冊目の「一条真也による一条本」紹介は、『決定版 おもてなし入門』(実業之日本社)です。『決定版 冠婚葬祭入門』および『決定版 終活入門』に続く実業之日本社「決定版入門」シリーズの1冊です。


決定版 おもてなし入門』(実業之日本社

実業之日本社「決定版入門」シリーズの1冊です

 

サブタイトルは「ジャパニーズ・ホスピタリティの真髄」。表紙カバーには日本文化を象徴するアイコンである桜の花びらがデザインされています。また「観光立国のカギは、日本的なおもてなしの心にあり」「接客業・サービス業に求められる“日本的かつ世界標準”な礼の形をわかりやすく解説」と書かれた帯を外すと、これまた日本のシンボルである富士山のアイコンが姿を見せます。


帯を取ると、富士山のアイコンが・・・・・・

帯の裏では「目次」を紹介

 

本書の「目次」は、以下のような構成になっています。
はじめに 「おもてなしの時代
      〜こころのジパングを目指して〜」

第1章     「おもてなし」とは何か
      〜ジャパニーズ・ホスピタリティ
第2章     「おもてなし」のルーツを探る
      〜ホスピタリティの源流を求めて
第3章     日本人の「おもてなし」の心
      〜ハートフル・マインドのすすめ
第4章     経営にも必要な「おもてなし」感覚
      〜ホスピタリティ・マネジメントのすすめ
第5章     冠婚葬祭と「おもてなし」の作法
      〜小笠原流礼法の奥義
おわりに 「慈礼〜おもてなしの新しいコンセプト」



2020年のオリンピック開催地が東京に決定したとき、日本中が大きな喜びに包まれました。さまざまな人が行った東京招致のプレゼンテーションの映像も繰り返しテレビなどで流され、ネットでも再生されました。その中で、一番印象に残ったのが、滝川クリステルさんのプレゼンでした。アルゼンチン・ブエノスアイレスのIOC(国際オリンピック委員会)総会で東京がプレゼンテーションを行った際、滝川さんがIOC委員に東京招致を訴えました。流暢なフランス語と、ナチュラルな笑顔・・・・・・これ以上ない適役でした。
「皆様を私どもでしかできないお迎え方をいたします。
それは日本語ではたった一言で表現できます。
お・も・て・な・し』。それは訪れる人を心から慈しみ、お迎えするという深い意味があります。先祖代々受け継がれてまいりました。以来、現代日本の先端文化にもしっかりと根付いているのです。その『おもてなし』の心があるからこそ、日本人がこれほどまでに互いを思いやり、客人に心配りをするのです」



さらに、彼女は次のような具体例を挙げました。
「皆様が何か落し物をしても、きっとそれは戻ってきます。お金の入ったお財布でも、昨年1年間だけでも3000万ドル以上も現金が落し物として警察に届けられました。世界各国の旅行者7万5000人への最新のアンケートでも、東京は世界一安全な街とされました。他にも言われることは、公共交通機関も世界一しっかりしていて、街中が清潔で、タクシーの運転手さんも世界一親切だということです。その生活の質の高さはどこででも感じていただけます。
また、最高の文化にも浸っていただけます。世界最高峰のレストラン、ミシュランガイドでは星の数が多い東京。それらすべてが未来を感じられる街を彩っています。訪れたすべての方に、生涯忘れ得ない思い出を残すことでしょう」 



この滝川さんのスピーチを聞きながら、「おもてなし」という言葉を再認識した方が多かったのではないでしょうか。いわゆる「サービス」とも「ホスピタリティ」とも違った、日本独特の世界が「おもてなし」です。彼女が「お・も・て・な・し」と一字ずつ印を切るように発声してから、最後に合掌しながら「おもてなし」と言い直した場面には感動しました。彼女が合掌している姿に、IOC委員たちは「理想の日本人」を見たのではないでしょうか。東京の治安が良いこととか、公共交通機関が充実しているとか、街が清潔であるとか、そういった現実的な問題ももちろん大事です。でも、「おもてなし」という言葉、そして合掌する姿が日本をこれ以上ないほど輝かせてくれました。


サービスとホスピタリティ

 

さて、わたしは創業70周年を数える小倉の松柏園ホテルの三代目として生まれ、幼少の頃はホテル内に住んでいました。ですから、「おもてなし」という言葉は物心ついたときから耳にしていました。いま、わたしは株式会社サンレー という冠婚葬祭の会社を経営しています。冠婚葬祭の根本をなすのは「礼」の精神です。では、「礼」とは何でしょうか。それは、二千五百年前に中国で孔子が説いた大いなる教えです。平たくいえば、「人間尊重」ということです。


「ハートフル」と「礼」

 

わが社では、「人間尊重」をミッションにしています。本業がホスピタリティ・サービスの提供ですので、わが社では、お客様を大切にする“こころ”はもちろん、それを“かたち”にすることを何よりも重んじています。こうした接客サービス業としては当たり前のことが、一般の方々の「おもてなし」においても、きっと何かのヒントになるのではないかと思います。
日本人の“こころ”は、神道・仏教・儒教の三つの宗教によって支えられており、「おもてなし」にもそれらの教えが入り込んでいます。「おもてなし」は、日本文化そのものです。かつての日本は、黄金の国として「ジパング」と称されました。これからは、おもてなしの心で「こころのジパング」を目指したいものですね。


混ざり合った日本人のこころ

 

ジャパニーズ・ホスピタリティとしての「おもてなし」こそは、人類が二十一世紀において平和で幸福な社会をつくるための最大のキーワードであると言えるでしょう。そして、その中心的役割を担うのは日本人であるあなたかもしれません。わが社は「礼業」であることを目指していますが、「礼」を最も重視した人が孔子です。わたしは、孔子こそは「人間が社会の中でどう生きるか」を考え抜いた最大の「人間通」であると確信しています。その孔子が開いた儒教とは、ある意味で壮大な「人間関係学」と言えるでしょう。


「おもてなし」の源流

 

「人間関係学」とは、つまるところ「良い人間関係づくり」が目的です。「良い人間関係づくり」のためには、まずはマナーとしての礼儀作法が必要となります。いま、わたしたちが「礼儀作法」と呼んでいるものの多くは、武家礼法であった小笠原流礼法がルーツとなっています。小倉の地と縁の深い小笠原流こそ、日本の礼法の基本です。特に、冠婚葬祭に関わる礼法のほとんどすべては小笠原流に基づいています。


お辞儀(座礼)

 

しかしながら、小笠原流礼法などというと、なんだか堅苦しいイメージがあります。実際、「慇懃無礼」という言葉があるくらい、「礼」というものはどうしても形式主義に流れがちです。また、その結果、心のこもっていない挨拶、お辞儀、笑顔、サービスが生れてしまいます。「礼」が形式主義に流れるのを防ぐために、孔子は音楽を持ち出して「礼楽」というものを唱えましたが、わたしたちが日常生活や日常業務の中で、いつも楽器を演奏したり歌ったりするわけにもいきません。ならば、どうすればいいでしょうか。わたしは、「慈」という言葉を「礼」と組み合わせてはみてはどうかと思い立ちました。


上座と下座

 

「慈」という言葉は、他の言葉と結びつきます。たとえば、「悲」と結びついて「慈悲」となり、「愛」と結びついて「慈愛」となります。さらには、儒教の徳目である「仁」と結んだ「仁慈」というものもあります。わたしは、「慈」と「礼」を結びつけたいと考えました。すなわち、「慈礼」という新しいコンセプトを提唱したいと思います。逆に「慈礼」つまり「慈しみに基づく人間尊重の心」があれば、心のこもった挨拶、お辞儀、笑顔、サービスの提供が可能となります。そして、ある意味でブッダ孔子のコラボでもある「慈礼」を、日常の生活、ビジネスの世界で表現したものが「おもてなし」ということではないでしょうか。今後も、わたしは「慈礼」を追求していきたいと思います。

 



2022年5月6日 一条真也

「こどもの日」はウルトラマン!

一条真也です。
5月5日は、「こどもの日」です。
端午の節句」でもあります。拙著『決定版 年中行事入門』(PHP研究所)に詳しく書きましたが、男の子のお祭りと思われている「端午の節句」は、もともと女の子のお祭りでした。田植えが始まる前に早乙女と呼ばれる若い娘が「五月忌み」という田の神のために仮小屋や神社などにこもりケガレを祓い清めたのが始まりです。すなわち、田の神に対する女性のお清めの日でした。

決定版 年中行事入門』(PHP研究所)

 

男の子の行事に変わったのは平安時代からです。端午の節句で使われる菖蒲が「尚武(武事を尊ぶこと)」や「勝負」に通じるということで、男の子が菖蒲でつくった兜で遊ぶようになり徐々に変化していったものです。江戸時代になると、五節供の1つの「端午節供」に定められ、武者人形を家で飾るようになりました。また、中国の「竜門を登って鯉が龍になった」という故事から鯉のぼりを立てるようになり、粽(ちまき)と柏餅を食べるようにもなります。雛人形と同じく、五月人形の販売促進の色彩が近年強くなってきましたが、少子化の現在、子供に関する年中行事をもっと普及させることが求められます。

f:id:shins2m:20210504105304j:plain「こどもの日」は「こどもに戻る日」 

 

さて、わたしにとっての「こどもの日」は「こどもに戻る日」です。毎年、この日には童心を思い起こすようにしています。そのために、昭和の少年時代にタイムスリップすることができる本を読みます。

f:id:shins2m:20210504105359j:plain「こども日」に読んできた本

 

たとえば、ここ数年の「こどもの日」にはブログ『昭和ちびっこ未来画報』ブログ『ぼくらの昭和オカルト大百科』ブログ「今年の『こどもの日』は『怪獣の日』だった!」ブログ『昭和ちびっこ怪奇画報』ブログ『タケダアワーの時代』ブログ『日本昭和トンデモ児童書大全』で紹介した本、を取り上げました。

f:id:shins2m:20210504011418j:plain昨年の「こどもの日」に読んだ本

 

一昨年は、ブログ「昭和のこどもの本と映画」で紹介した『昭和こども図書館』と『昭和こどもゴールデン映画劇場』(ともに大空出版)を取り上げました。ともに、「こどもの日」に読もうと思って楽しみに取っておいた本でした。2冊とも1960~70年代のキッズカルチャーの研究家である初見健一氏の著書です。わたしは初見氏の本の大ファンで、そのほとんどを読んでいますが。初見氏は1967年生まれで、わたしの4歳下ですが、いわゆる同世代だと言えます。ですから、この2冊に登場する本や映画も懐かしいものばかりでした。

f:id:shins2m:20210505001532j:plain愛の戦士レインボーマン」の全話DVD 

 

そして、昨年の「こどもの日」は、ブログ「『こどもの日』はレインボーマン!」に書いたように、特撮ドラマのカルト作品「愛の戦士レインボーマン」のDVDを観ました。東宝製作の特撮テレビ番組で、原作は川内康範です。1972年(昭和47年)10月6日から1973年(昭和48年)9月28日までNET(現・テレビ朝日)系で毎週金曜日の19:30から20:00に全52話が放送されました。インドの山奥でダイバダッダからヨガの秘術を学んだレインボーマンが、ミスターK率いる死ね死ね団に立ち向かう物語ですが、当時小学生だったわたしは想像を絶するほど大きなインパクトを受けました。その全話のDVDを数年前に購入していたのですが、「いつか、こどもの日にでも観たいな」と楽しみにしていたのです。


わが家の「円谷プロ」DVDコーナー

 

そして、今年の「こどもの日」はウルトラマンです!
戦後日本最大のヒーロー「ウルトラマン」は、1966年7月17日放送の第1話「ウルトラ作戦第一号」でブラウン管にその姿を現しました。銀色に輝く巨大宇宙人という前代未聞のアイディアにたどり着くまで、金城哲夫をはじめスタッフは文字通り産みの苦しみを味わったといいます。そして誕生したヒーローの物語は、才能溢れる若者達の情熱によって、驚くべき発展を遂げていくのでした。わが家の映像ルームには、「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」のDVDーBOXをはじめ、円谷プロの特撮ドラマのDVDがほとんど全作品揃っています。


この日に眺めたウルトラ本たち

また、この日は、ブログ『「ウルトラQ」の誕生』ブログ『「ウルトラマン」の飛翔』ブログ『「ウルトラセブン」の帰還』ブログ『「怪奇大作戦」の挑戦』で紹介した映画評論家の白石雅彦氏の一連の著書を再読というか眺め直し、それぞれの特撮ドラマの素晴らしさを思い出しました。さらには、買い置きしていた『「少年マガジン」「ぼくら」オリジナル復刻版 ウルトラマン画報』(講談社)のページも繰りました。


「昭和40年男」より

 

それだけではありません。これまた買い置きしていた「昭和40年男」総集編4月号増刊を読みました。本誌の特集記事は「俺たちが愛した昭和ヒーロー」ですが、昭和2大ヒーローとして、ウルトラマン仮面ライダーが取り上げられています。そのリード文には、「昭和の2大ヒーローと名づけても異論あるまい。どれだけ俺たちを興奮させたか。どれだけ俺たちに勇気をくれたか。日本中の子供たちにこれほどまでに愛されたヒーローは、未来永劫出現しないだろう。その熱狂の瞬間に、ガキとして立ち会えたことを幸福と言わずしてなんと言おうか。ありがとうウルトラマン。ありがとう仮面ライダー」と書かれていますが、涙が出るような名文ですね!



その昭和の2大ヒーローであるウルトラマン仮面ライダーは、「シン・ウルトラマン」、「シン・仮面ライダー」として令和の映画館のスクリーンに蘇ることになりました。両作品ともにメガホンを取るのは、ブログ「シン・ゴジラ」ブログ「シン・エヴェンゲリオン劇場版」で紹介した映画を手掛けた庵野秀明監督です。まずは、来週の13日に「シン・ウルトラマン」が公開されます。 物語の舞台は、次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。 通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。 禍威獣の危機がせまる中、大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。 禍特対による報告書に書かれていたのは【ウルトラマン(仮称)、正体不明】でした。「ウルトラマン」の企画・発想の原点に立ち還りながら、現代日本を舞台に、未だ誰も見たことのない“ウルトラマン”が初めて降着した世界を描く、感動と興奮のエンターテインメント大作とのふれこみです。


ウルトラマン」のフィギュア


フィギュアの箱の裏

 

「シン・ウルトラマン」の公開が間近に迫って、わたしは居てもたってもいられない気分です。書斎の隅からウルトラマンのフィギュアを出して眺めることにしました。このフィギュアはBANDAI製ですが、超可動・造形美・オプションパーツの三拍子が揃ったスグレモノです。5日後には59歳になるオヤジですが、いくつになっても「ウルトラマン」という言葉を聞いただけで、こども心が甦ってくるのであります! シュワッチ!!

 

2022年5月5日 一条真也