消えたSMAP再結成

一条真也です。
性加害問題について中居正広氏がコメントを発し、各テレビ局も一斉に報道を開始しました。 ブログ「中居正広問題について」ブログ「フジテレビ問題について」にも大量のアクセスが集中しています。

ヤフーニュースより

 

ネットでも中居問題の情報が駆け巡っていますが、NWESポストセブンが配信した「中居正広の女性トラブル浮き上がる木村拓哉との不仲ともう一つの顔 スマスマ現場では『中居のイジメに苛立った木村がボイコット』騒ぎも」という記事には、以下のように書かれています。
中居正広(52才)の女性トラブルの余波は年を越えても収まる気配がない。そして浮かび上がってきたのは、長年隠されてきた彼のもう1つの顔。それこそまさに、あの国民的アイドルグループSMAPの解散、再結成に大きくかかわる重大な問題だったのだ──。木村拓哉(52才)の胸中は複雑だろう。前代未聞の女性トラブルは、国民的グループとうたわれたSMAPの功績を台無しにしかねず、事態をのみ込めずにいる木村が『何してるんだよ』と怒りを露わにしているとの話もある」

『もう明日が待っている』鈴木おさむ著(文藝春秋

 

そんな中、わたしは『もう明日が待っている』鈴木おさむ著(文藝春秋)という本を読んでいます。大ヒット番組SMAP×SMAP放送作家として20 年以上彼らと走ってきた著者にしか書けなかった物語です。 月刊文藝春秋に掲載され、「小説SMAP」と呼ばれて大きな話題を呼んだ3篇に新たな書き下ろしの章を大幅に加えた一冊です。国民的スターとして沢山の夢や希望をもたらしてきた彼らの全てがたった一夜の「放送」で壊れていき、日本中が悲しんだ解散についての真実が書かれているのですが、読んでいてとても切なくなりました。

 

わたしは、これまでSMAPの解散について多くを語ってきました。たとえば、当ブログの以下のような記事です。
ジャニーズ事務所について思う
SAMP解散に思う
有終の美を飾らないSMAP
SMAPラストソング
解散式よりも成人式を
焼肉店でSMAPについて考えた
SMAPファンからのメール
*各タイトルをクリックすれば、記事が読めます。


SMAP解散に関連して刊行された書籍

 

また、SMAP解散およびジャニーズ事務所についての本の書評も、以下のように書いてきました。ジャニー喜多川の性加害問題についての本の書評も書いていますが、キリがないので、SMAP関連の書籍にとどめておきます。
●『SMAPと平成
●『SMAPと平成ニッポン
●『SMAPはなぜ解散したのか
●『大人のSMAP論

●『ジャニーズと日本
●『ジャニーズ帝国60年の興亡
●『ジャニーズ61年の暗黒史
*各タイトルをクリックすれば、記事が読めます。

 

ここまでSMAPの解散に関心を寄せてきたわたしですが、べつにSMAPのファンというわけではありませんでした。わたしは彼らよりも上の世代ですし、ジャニーズ・タレントなら彼らの大先輩にあたる「トシちゃん」こと田原俊彦氏のファンでした。中居氏がMCを務めるトーク番組「まつもtoなかい」改め「だれかtoなかい」(フジテレビ)の次回放送のゲストがトシちゃんだと聞いて、じつは楽しみにしていました。しかし、今回の騒動で放送がお蔵入りになりそうで残念です。先月亡くなられた中山美穂さんの元カレだったトシちゃんは本当に華のあるスーパースターでしたが、ジャニーズでそれを継ぐ華の持ち主は「キムタク」こと木村拓哉だとも思っていました。

 

よく知られていますが、ジャニーズ事務所が生んできた多くの男性アイドルグループの中で、SMAPメンバーは落ちこぼれの集まりでした。それでも彼らが国民的グループにまで上り詰めたのはひとえにキムタクがいたからです。フジテレビの月9に代表されるドラマへの主演で圧倒的な人気を誇ったキムタク人気に引っ張られて、SMAPの楽曲もヒットし始め、冠番組を持ち、他のメンバーたちも才能を開花させて国民的グループになったのです。全盛期のSMAPメンバーが勢揃いすると、それだけでオールスター感がありました。SMAPの解散については、事務所の事情で有終の美が飾られなかった彼らがまことに不憫であり、ジャニー喜多川氏もメリー喜多川氏も故人となった今、なんとか再結成してほしいと願っていました。

 

しかし、今回の中居氏の性加害問題が発覚して、すべては消えました。おそらく彼は引退もしくは長期の休業に追い込まれるでしょう。報道されているような彼の所業が事実なら、それは松本人志氏のケースよりも悪質です。故ジャニー喜多川は「人類史上最悪の性犯罪者」とも呼ばれていますが、中居氏にとっては大恩人です。中居氏がジャニー氏の遺骨を持ち帰ったという噂もあるくらい、その師弟愛は強いと思われます。その大恩あるジャニー氏が築き上げた旧ジャニーズ事務所の汚名を挽回する最大のチャンスが、SMAP再結成でした。それは、新生スタート・エンターテインメントの経営陣もわかっていたはずです。だから水面下でさまざまなSAMP再結成の動きがあったようですが、それも元リーダーである中居氏の不祥事で立ち消えになってしまったことは、まさに皮肉ですね。

 

いま、中居氏のことを「元リーダー」と書きましたが、わたしは彼にはリーダーの資質はなかったと思っています。2016年12月31日に解散したSMAPですが、その大晦日の夜にキムタクを除く元SMAPのメンバーが、東京・六本木の焼肉店で「解散式」としての打ち上げを行いました。28年間も苦楽を共にしてきた仲間をあからさまに無視し、1人だけ声を掛けないとは、あまりにも非常識な話。これなもう完全な「いじめ」です。この事実を知った日本の子どもたちは、どう思うでしょうか? 当時、「キムハブ」という言葉さえ流行しました。孤独、孤立、無関心、無視、阻害、村八分といった体験によって、生きていられなくなり、自死する人もこの社会にはたくさん存在するのです。メンバー間の不仲を多くのファンに悟られ、ずっと心配され、さんざん悲しませてきたのに、最後の最後まで悲しい思いをさせるとは許せません。特に、中居氏には本当に失望しました。彼にリーダーの資格はありませんでした。リーダーどころか人間失格です!

 

一連の解散騒動の原因は「キムタクの裏切り」とされ、彼は大変なバッシングを受けました。人気ランキングのベスト1だったキムタクが、逆にワースト1になるという逆境を体験しました。何よりも、長年苦楽を共にしたSMAPのメンバーたちとの不和や別れはやはり辛かったと思います。その上、リーダーの中居氏からは「木村と話すなよ」などと他のメンバーに告げられ、露骨ないじめを受けてきました。それでも、彼は何も愚痴を言わず、1人の芸能人として、俳優として、その後の数多くの映画やドラマで最高のパフォーマンスを見せてくれました。現在公開中の「グランメゾン・パリ」も大ヒット中です。そもそも、独身貴族を気取って中絶強制疑惑や性加害疑惑のある中居氏より、好きな相手ときちんと結婚して2人の娘に恵まれて、不倫などの噂もなく芸能人としての王道を歩んでいるキムタクとでは、どちらが真の成功者かは明白です。男として、プロとして、木村拓哉氏は立派であると思います。そして、彼ほどSMAPを愛した人はいませんでした。

 

2025年1月11日  一条真也