SMAPファンからのメール

一条真也です。
ブログ「有終の美を飾らないということ」で紹介した現在発売中の「サンデー毎日」掲載コラムが大きな反響を呼んでいます。わたしは、「有終の美を飾らなかった」SMAPの姿は「葬式は、要らない」という考え方に通じており、つまるところ「愛のない時代」を象徴していると述べました。ブログ「焼肉を食べながら、SMAPについて考えた」には大量のアクセスがありました。
解散後も、まだまだSMAPは国民的関心事のようです。


SMAP解散に関連して刊行された新書本



SMAP解散に関連して膨大な数の書籍が刊行されました。
そのほとんどは、いわゆる「便乗本」と呼ばれる内容ですが、SMAPが「愛のない時代」のシンボルであると考えるわたしは、そのすべてに目を通してみました。すると、新書本の中にはいろいろと興味深い内容が書かれていることを発見しました。これから当ブログで紹介していきたいと思います。



21日、わたしのオフィシャル・サイト「ハートフルムーン」に1通の匿名メールが届きました。ご当人も、このメッセージが拡散することを願っていることと推察しますので、以下に全文を紹介いたします。
Yahoo!でSMAPの『有終の美を飾らないということ』の記事を読みました。私は20年もSMAPのファンです。コンサートも毎回行きます。
一条さんの記事は、マスコミから伝えられていたものを、そのまま感想を記事にしただけでした。SMAP本人達は一言も解散したいなんて言っていません。これまで色んな事があるたびに、(吾郎ちゃんや剛君の事含めて)五人の言葉でファンに説明や謝罪をしてくれました。ファンが37万の署名活動や朝日新聞に広告出したのも、本人達が解散をしたいというなら、ファンは納得したでしょう。どうしてもそうには思えず、ジャニーズ事務所SMAPを解散させてしまったとしか思えないから、ファンは解散阻止に動いたのです。SMAPの解散は不仲が原因とされていますが、1月の謝罪会見から、スマスマでは本人達同士での会話は中居君だけ。本人の口から、SMAPと言うのも言えなかったくらいです。自分たちの曲も1月以来、最終回の『世界に一つだけ』しか歌わせてもらえませんでした。そんな規制の中でジャニーズ事務所が紅白に出させる訳がないのです。
SMAPの解散が、なぜオリンピックの最中に発表されたのでしょうか?
SMAPパラリンピックの応援をして来ました。その事も今回の解散には関わっています。上手く言えないので、『SMAPごっそり』を検索して読んで色々調べて下さい。今回の解散は闇だらけです。長々すみません。
でも、本人達の人権が歪められた昨年の報道が辛いのです。SMAPは、解散という事を準備され、署名のない読まされた文章以外言っていません。あえて言わない事でそれがSMAPが、解散したくないという答えだと私達は思っています。どうか真実を見てください」


じつは、くだんのコラムを書いたときから、このようなメールが届くことを予想していました。デジャブのように「あ、やっぱり来たか」という感じでした。
わたしは、このメールを読み、愛する人を亡くした人からの手紙のように思えました。わたしは死別の悲嘆を軽くするグリーフケアの普及を目指していますが、ずっと応援してきたアイドル・グループが解散するというのも死別に近い喪失感や悲しみを感じると思います。そして、この方をはじめとする多くのSMAPファンの辛い心情を想うと、やりきれない気分になります。
この方は、メールの冒頭に「一条さんの記事は、マスコミから伝えられていたものを、そのまま感想を記事にしただけでした」と書かれています。記事ではなくコラムですが、マスコミの報道をもとに感想を綴ったという意味ではその通りです。わたしは芸能記者でも何でもありません。マスコミ報道をベースにコラムを執筆するのは当然ではないでしょうか。もちろん、マスコミが報道しない、あるいは報道できない情報もあるかもしれませんが、それはわかりません。ネットの情報などは鵜呑みにできません。コラムにも「わたしは、解散の真相など知らない」と明記しています。


もし、SMAP解散の真相がこの方の言う通りならば、これは明らかな人権侵害です。デーブ・スペクターが「SMAP解散の真相にテレビ・メディアが迫らないのはおかしい」と正論を述べていましたが(初めて、デーブ・スペクターを尊敬しました)、週刊誌やスポーツ紙だけがこの問題を追うのは本当はおかしいです。メディアの王者である新聞(全国紙)がSMAPメンバーやジャニーズ事務所を直撃すればいいのです。ジャニーズ帝国の威力の前に及び腰のテレビと違って、新聞なら遠慮なく真相に斬り込めるはずです。1万3000人ものSMAPファンからの多額の広告料を集めた朝日がそれをやるべきでしょう。朝日にはその義務があります。企業の横暴、人権侵害、マスコミの偏向報道・・・・・・どれも、朝日が得意なテーマではないですか!
SMAPの解散撤回に署名した37万人のファンは、今度は「朝日新聞」に向かって「解散真相」の連載記事を書くための署名をされてはいかがでしょうか? または、「世界に一つだけの花」を300万枚というグレートCDにしたSMAPファンの購買パワーを今度は「朝日新聞」の購買運動につなげてみてはいかがでしょうか? きっと効果があると思いますよ。


わたしもSMAP解散には多くの謎と闇があると思っています。
そもそも、「週刊文春」の取材で副社長が堂々と「SMAPを連れて出ていきなさい!」とマネージャーに言い放っておきながら、その後の事務所の対応はあまりにも矛盾しています。
一介の経営者として、わたしが思うことは、「メリー喜多川副社長には経営者としての資格はない」ということです。くだんの文春の取材では、「SMAPは踊れないじゃないですか」などと言い放っていますが、自社のタレントの欠点を明言するなど、芸能事務所のトップとして完全に失格です。どうも弟のジャニー喜多川社長の考えは違うようですが、社長が副社長をコントロールできないようでは、企業としてのガバナンスが失敗しています。一連のSMAP本の書評を書いたので、これから当ブログで紹介していきますが、最後に読んだ『SMAPはなぜ解散したのか』松谷創一郎著(SB新書)の内容は、解散の真実にかなり迫っているという印象を持ちました。これから同書のブログ書評を書きます。



最後に、一言。テレビ界ではジャニーズ事務所批判はタブーとなっているようですが、かつて広告業界の雄である電通の批判などマスコミでは一切不可能でした。その電通が現在、空前の苦境に立っている事実を前にすれば、永遠のタブーなど存在しないことに気づきます。
ブラック企業」などという今風の言葉を使う気などありませんが、「社員を大事にしない会社に未来はない」ということです。このわが信条を改めて気づかせていただいたSMAPファンに感謝いたします。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2017年1月22日 一条真也