SMAP解散に思う

一条真也です。
お盆休みも終わりました。17日から仕事再開です。
さて、ここ数日は開催中のリオオリンピックとともに、SMAPの解散の話題で持ち切りでしたね。SMAPについては、すでにブログ「ジャニーズ事務所について思うこと」で自分の考えを述べました。


SMAP解散を報じるスポーツ新聞



今さらわたしが言うこともないのですが、ジャニーズ史上、いや日本の芸能界史上で「最悪の解散劇」と言われていますね。ここまでメンバー間の人間関係のドロドロが露わになるのも珍しいと言えるでしょう。長年支え続けてくれたファンがいるのに、「最後まで大人の態度ができなかった」ことは残念ですが、未だに大人になり切れていないメンバーがいるのでしょう。今回の解散のキーマンとされる香取慎吾は10歳の頃からジャニーズ事務所に入って芸能活動をしていたそうですね。彼は今春にドラマの打ち上げの席で「明日どうなるかわかりません。もしかしたら自殺しているかもしれないですね」と漏らすなど、心に闇を抱えていると言われていますが、その最大の原因は早すぎた芸能界入りにあるような気がしてなりません。


香取慎吾木村拓哉に対して猛烈な反感を抱いていたといいます。
香取は木村よりも5歳も下であり、木村からよくタバコを買いに行かされるなどのパシリをさせられていたとか。成長して香取が有名になっても、「慎吾、行ってこい」みたいな扱いで、積年の恨みが溜まっていたといいます。
もし、それが本当ならキムタクにも非がありますね。
ブログ「悌」にも書いたように、『論語』の「子罕」篇には、「後生畏るべし」という有名な言葉が出てくるからです。「後生」というのは「後から生まれた者」という意味です。ちなみに、「先に生まれた者」は先生といいます。「後生」とは若者とか後輩の意味もありますが、その字のとおりに弟や妹の意味もあります。思うに、孔子は兄は弟に、姉は妹に、そして先輩は後輩に敬意を表し、思いやりを忘れないことを説いているのではないでしょうか。なぜならば、そのほうが人間関係がうまく行くからです。


弟が兄に、妹が姉に、後輩が先輩に気を遣うのは、いわば当たり前の話です。もともと先に生まれているのですから、知識も経験もかなうはずがありません。最初から年少者は年長者のことを立てざるを得ないのです。しかし、いつもそれでは窮屈で、息がつまります。たまには、上の者が下りてきてフランクにつきあうことが必要です。また、年長者は年少者がいつも気を遣ってくれていることを意識し、そのことに感謝し、思いやりをかけることを忘れてはなりません。木村拓哉香取慎吾の間に「悌」がなかったのは残念ですが、なにより彼らの人間関係を破綻させた責任はやはりリーダーの中居正広にあるでしょう。中居も木村と不仲であり、最近は木村をシカトするなどのイジメを行っていたという説があります。


中居、裏切り木村と『口きくんじゃねーぞ』」という「日刊スポーツ」配信の記事には以下のように書かれています。
「騒動を生放送で謝罪した直後、本来は温厚で、まとめ役の中居が声を荒らげた。稲垣、草なぎ、香取の3人に向かって『(木村と)口をきくんじゃねーぞ!』と言い放った。謝罪のタイミングや方法に不満を感じ、感情的になってしまった。自分なりにグループをまとめようとしても、思うようにいかない焦りもあったのか、ある収録日では、木村を裏切り者と表現するような発言をしてしまい、スタッフが編集で慌ててカットしたこともあった」
小学生じゃあるまいし、あまりにも大人気ない行動だと言えますね。
これが本当なら、中居はリーダーの器でありませんでした。



14日に放送されたフジテレビ系「Mr.サンデー」では、 コメンテーターの木村太郎氏が「ビートルズの解散を思い出す」と述べていました。SMAPの解散を見てビートルズの敏腕マネージャーだったブライアン・エプスタインの死去でジョン・レノンポール・マッカートニーの確執が始まったと話し、「マネージャーというのは本当に大事、今度もそうでしょ」と語ったのですが、わたしも同感です。ビートルズになぞられえるなら、中居はポール、木村はジョン、そして工藤静香オノ・ヨーコなのかもしれませんね。



じつは、わたしはSMAP解散の最大の原因は、木村拓哉だけが結婚して家庭を持っていたことだと思います。本来、飯島マネージャーとともにSMAPの5人はジャニーズ事務所からの独立を計画していましたが、翻意した木村が裏切った形になって独立は失敗に終わりました。
当初は木村も他の4人と行動をとともにするつもりだったそうですが、「子どもがいるので、将来のことも考えてほしい」という妻の工藤静香の説得にあって断念したというのです。これはサラリーマン社会でもよくある話で、まったく間違った選択ではないと思います。



問題なのは、家庭を持っていたのがキムタク1人だったことです。他のメンバーにも結婚の噂はずっとありました。しかし、事務所の意向で結婚することができなかったといいます。今どき、これ以上のパワハラはありません。当然、他のメンバーは妻がいて子どももいるキムタクにジェラシーを抱いていたと思います。解散の決定打になったと言われるキムタクのハワイ家族旅行だって、その根っこには「家庭を持てたキムタク」への嫉妬があったのではないでしょうか。5人のグループのメンバーに対して、こういった差別的というか非人道的な扱いを強いた事務所が一番の戦犯だと思います。



先日のTOKIO山口達也の離婚会見もジャニーズ初ということでしたが、最近のジャニーズ事務所には何か異変が起きているように思えます。
やはり、経営者の高齢化も大きな原因ではないでしょうか。
ここ数年、ジャニーズ事務所に対しては思うことがあります。
それは著作権および肖像権に対する意識が異常なほど高いことです。
もちろん芸能事務所ですから自社のタレントの肖像権を守ることは当然ですし、ジャニー喜多川氏は所属タレントに対して「YOU」と呼ぶなど、非常にアメリカナイズされている方なので、ディズニー社のような米国のエンターテインメント企業の姿勢を参考にされているかもしれません。
とはいえ、所属タレントたちの画像をネットでも一切使わせないなど、その姿勢は行き過ぎているように思います。



わたしは「サンデー毎日」でコラムを連載していますが、同誌のHPでもジャニーズ事務所のタレントが表紙で使われるときはいつも黒塗りです。これは、どう考えても異常でしょう。無法にタレントの写真を使われたのならいざ知らず、商品として同誌にタレントの画像を提供しているわけですから、黒塗りにさせることはないでしょう。率直に言って、ジャニーズ事務所は驕っているのではないでしょうか。「驕る平家は久しからず」は歴史の法則です。


最後に、SMAPは今年の12月31日で解散すると正式発表されましたが、それならばNHK紅白歌合戦には出るべきでしょう。歌手デビュー25周年となる今年、フアンがあれほど待ち望んだコンサートは開催されませんでした。このまま解散してしまうなら、最後にファンに対して別れを告げ、「ありがとうございました」と感謝の言葉を述べる機会がないではないですか!



北島三郎、SMAP『最後は紅白出ればかっこいい』という「日刊スポーツ」の配信記事によれば、芸能界の大御所である北島三郎SMAPの解散について、「司会や俳優など、おのおのが達者だから、今後はそれぞれの道を頑張るんじゃないかな」と今後に期待を寄せる一方、「『もめたまま解散します』みたいな印象でない方がいい」として、「最後は紅白に出ればいい。かっこいいじゃないか」と何度も共演したNHK紅白歌合戦を持ち出した「引き際の美学」を勧めたそうです。
サブちゃん自身が紅白卒業を宣言した13年には大トリのSMAPの後で「究極の大トリ」という立場で「まつり」を一緒に歌唱しました。



SMAPの5人、とくに香取慎吾は、この芸能界の大先輩のアドバイスを素直に聞いてほしいです。SMAPほどの国民的アイドルグループをなし崩し的に解散させてはいけません。きちんとSMAPという「かたち」を修めなければなりません。何よりも、お世話になったファンにきちんと挨拶しなければなりません。大晦日までの4ヵ月半は、SMAPの「終活」いや「修活」の時間です。最後は、ぜひ紅白の「究極の大トリ」として「有終の美」を飾ってほしいと思います。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年8月17日 一条真也