一条真也です。東京に来ています。
20日は「大寒」で非常に寒いですが、わたしのハートは燃えています。というのも、わたしが理事長を務める一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団の創立10周年記念行事が大塚のホテルベルクラシック東京で開催されました。まずは15時から記念パネルディスカッションが行われました。
ホテルベルクラシック東京の入口で
齋藤副理事長による開会の挨拶
超満員になった記念パネルディスカッションのテーマは「葬儀の力~過去・現在・未来~」です。この分野の研究における第一人者である山田慎也氏(国立民俗博物館 副館長)をファシリテーターにお迎えし、これからのアカデミズムを牽引する女性研究家3人をお招きしました。わたしもパネリストの1人として参加させていただきました。パネルディスカッションの冒頭、財団の齋藤強副理事長から挨拶がありました。本来は理事長であるわたしが挨拶すべきところですが、わたしはパネルディスカッションに登壇しないといけないので、齋藤副理事長にお願いしました。

入場のようす

パネリスト紹介を受けました
司会進行は財団の儀式委員会の松嶌康博委員長(三重平安閣社長)です。最初に松嶌委員長からパネリスト紹介がありました。わたしは「1963年生まれ。有縁社会を再生する心ゆたかな儀式の提供をめざしている。また、人間尊重思想を広める『天下布礼』の旗を掲げ、一条真也のペンネームで作家活動にも情熱を注ぐ。著書『冠婚葬祭文化論』(産経新聞出版)、『儀式論』(弘文堂)など」と紹介されました。

発表する山田慎也先生
続いて、各パネリストから研究紹介及び発表が1人15分程度ありました。最初に山田慎也氏から儀礼(葬儀)の力を伝える前振りが述べられました。山田氏は1968年生まれ。専門は民俗学、文化人類学、特に儀礼の近代化に興味を持っておられます。著書にブログ『現代日本の死と葬儀――葬祭業の展開と死生観の変容』で紹介した本の他、共編著に『変容する死の文化――現代東アジアの葬送と墓制』(東京大学出版会)があります。

発表する大場あや先生
続いて、大場あや氏(国立歴史民俗博物館 特別研究員・PD)が、戦前から戦後の地域社会と葬送儀礼の変容について発表されました。大場氏の専門は宗教社会学。地域社会における人の移動と葬儀の変容、つながりの再編に関心があるとのこと。著書に『葬制変容と生活改善――戦後地域社会の住民組織と新生活運動』(春秋社)などがあります。
発表する玉川貴子先生
続いて、玉川貴子氏(名古屋学院大学 現代社会学部 准教授)が、葬儀産業の形成をプロフェッショナルの立場から発表されました。玉川氏の専門は死の社会学、家族社会学。著書に『葬儀業界の戦後史――葬祭事業から見える死のリアリティ』(青弓社)、ブログ『葬儀業――変わりゆく死の儀礼のかたち』で紹介した平凡社新書があります。
発表する問芝志保先生
続いて、問芝志保氏(東北大学 文学研究科・文学部 准教授)が、戦後のお墓と供養の変遷について発表されました。東北大学といえば宗教学の名門として知れますが、問芝氏の専門は宗教学、宗教社会学、日本近代宗教史です。著書に『先祖祭祀と墓制の近代――創られた国民的習俗』(春秋社)などがあります。
最後にわたしが発表しました

「儀式とグリーフケアの力」について発表
まずは『儀式論』から!
『儀式論』の構成について
そして最後に、わたしが「儀式とグリーフケアの力」について発表しました。冒頭に主著である『儀式論』(弘文堂)『儀式論』(弘文堂)を紹介したのですが、会場に来ておられた同書の担当編者である外山千尋さんがおられて嬉しそうな顔をされました。この日は、他にも多くの一条本の編集者の方々がお越し下さり、感無量でした。

『RITUAL』を紹介

みんな真剣な表情に

一連の葬式対決を振り返る

「こころ」と「かたち」のメタファー
その後、ブログ『RITUAL』で紹介した本の内容などを紹介した後、以下のような話をしました。AIが最新の科学なら、儀式は最古の科学です。儀式には力があります。わたしは、儀式の本質を「魂のコントロール術」であるととらえています。儀式が最大限の力を発揮するときは、人間の魂が不安定に揺れているときですまずは、この世に生まれたばかりの赤ん坊の魂。次に、成長していく子どもの魂。そして、大人になる新成人者の魂。それらの不安定な魂を安定させるために、初宮参り、七五三、成人式などがあります。
「カタチ」には「チカラ」があります

すべての儀式は「卒業式」
結婚にまつわる儀式の「カタチ」にも「チカラ」があります。長寿祝いの「カタチ」にも「チカラ」があります。そして、人生における最大の儀式としての葬儀があります。一連の一条本にも書いたように、葬儀とは「物語の癒し」です。愛する人を亡くした人の心は不安定に揺れ動いています。 大事な人間が消えていくことによって、これからの生活における不安。その人がいた場所がぽっかりあいてしまい、それをどうやって埋めたらよいのかといった不安。 残された人は、このような不安を抱えて数日間を過ごさなければなりません。心が動揺していて矛盾を抱えているとき、この心に儀式のようなきちんとまとまったカタチを与えないと、人間の心はいつまでたっても不安や執着を抱えることになりますこれは非常に危険なことなのです。
儀式なくして人生なし

熱心に聴く人びと
古今東西、人間はどんどん死んでいきます。 この危険な時期を乗り越えるためには、動揺して不安を抱え込んでいる心にひとつのカタチを与えることが大事であり、ここに、葬儀の最大の意味があります。このカタチはどのようにできているのでしょうか。 昔の仏式葬儀を見てもわかるように、死者がこの世から離れていくことをくっきりとした「ドラマ」にして見せることによって、動揺している人間の心に安定を与えるのです。ドラマによって形が与えられると、心はその形に収まっていき、どんな悲しいことでも乗り越えていけます。つまり、「物語」というものがあれば、人間の心はある程度、安定するものなのです。
グリーフケアとは

わたしの発表は終了
逆にどんな物語にも収まらないような不安を抱えていると、心はいつもグラグラ揺れ動いて、愛する肉親の死をいつまでも引きずっていきます。死者が遠くへ離れていくことをどうやって演出するかということが、葬儀の重要なポイントです。それをドラマ化して、物語とするために葬儀というものはあるのです。 また葬儀には、いったん儀式の力で時間と空間を断ち切ってリセットし、もう一度、新しい時間と空間を創造して生きていくという意味もあります。葬儀には、グリーフケアの創造力があります。最後に、財団で運営しているグリーフケア資格認定制度について報告し、わが発表は終わりました。会場から盛大な拍手を頂戴して感激しました。
ディスカッションのようす

わたしも意見を述べました
最後に『こども冠婚葬祭』を掲げました

わが想いを述べました
各パネリストの発表の後は、発表内容についてパネリスト間での討論がありました。想像していた以上に白熱したディスカッションとなりました。わたしも、儀式とは「文化の核」であり、冠婚葬祭は「冠婚葬祭は日本文化の集大成」であるという自説を披露しました。そして、山田氏から「最後に一言お願いします」と言われましたので、わたしは最新刊の一条本である『こども冠婚葬祭』(昭文社)の見本を掲げ、そこに書いた「『冠婚葬祭』とは、人の一生における大切な節目を祝い、見送り、感謝する日本の文化です。行事のかたちが変わっても、人の心のあたたかさは変わりません。むしろいまだからこそ、礼を尽くし、感謝を伝える時間が大切なのです。冠婚葬祭はみなさんの心をゆたかにし、人生を輝かせてくれます。わたしは冠婚葬祭の大切さを命をかけて伝えていきたいです!」と言いました。
1人目の質問者

質疑応答のようす

2人目の質問者

質疑応答のようす
ディスカッションの後は、ファシリテーターの山田氏からの「まとめ」がありました。その後は、フロアーからの質疑応答の時間です。財団の儀式委員会メンバーや互助会の若手経営者たちから活発な質問が矢継ぎ早に飛んできました。それらの質問に対してパネリストたちが真摯に答え、一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団創立10周年記念パネルディスカッションは盛況のうちに幕を閉じました。ファシリテーターの山田先生をはじめ、パネリストの先生方、ご来場のみなさまに心よえい感謝申し上げます。次は、17時から同ホテルで創立10周年記念祝賀会が開催されます!

退場しました

退出時に一礼しました
*よろしければ、佐久間庸和ブログもお読み下さい!
https://tenkafurei.hatenablog.com/
2026年1月20日 一条真也拝