夢から志へ

 

一条真也です。
"If you can dream it,you can do it."
この言葉は、かのウォルト・ディズニーによるものです。
夢見ることができるなら、それは実現できる」という意味で、わたしの座右の銘の1つです。そう、人間が夢見ることで、不可能なことなど、この世に1つもないのです。逆に言うなら、本当に実現できないことは、人間は初めから夢を見れないようになっているのです。

 

わたしにとっての「夢」とは「志」に通じています。結局、リーダーにとって最も大切なものは「志」であると思います。志とは心がめざす方向、つまり心のベクトルです。行き先のわからない船や飛行機には誰も乗らないように、心の行き先が定まっていないような者には、誰も共感しませんし、ましてや絶対について行こうとはしません。



志に生きる者を「志士」と呼びます。
幕末の志士たちはみな、青雲の志を抱いていました。吉田松陰は、人生で」最も基本となる大切なものは、志を立てることだと日頃から門下生たちに説いてました。そして、志の何たるかについて、「志というものは、国家国民のことを憂いて、一点の私心もないものである。その志に誤りがないことを自ら確信すれば、天地、祖先に対して少しもおそれることはない。天下後世に対しても恥じるところはない」と説きました。


「リビング北九州」2015年4月25日号

 

わたしは、志というのは何よりも「無私」であってこそ、その呼び名に値するのであると強調したいです。松陰の言葉に「志なき者は、虫(無志)である」というのがありますが、これをもじれば、「志ある者は、無私である」と言えるでしょう。平たく言えば、「自分が幸せになりたい」というのは夢であり、「世の多くの人々を幸せにしたい」というのが志です。


日経電子版「すべては世のため人のため 夢から志へ

 

夢は私、志は公に通じているのです。
自分ではなく、世の多くの人々。「幸せになりたい」ではなく「幸せにしたい」、この違いが重要なのです。真の志は、あくまでも世のため人のために立てるものなのであり、「志」に通じている「夢」ほど多くの人々が応援してくれるために叶いやすいのでしょう。ちなみに、わたしは「礼」という人間尊重思想で無縁社会を克服し、有縁社会を再生するという「天下布礼」の大志を立てています。

 

 

2024年4月12日  一条真也