死を乗り越えるエディット・ピアフの言葉

 

愛が私の朝を満たすなら
私の体が
あなたの手の下で震えるなら、

苦労なんてなんでもないの、
私の愛する人よ だってあなたが
私を愛してくれるんだもの
エディット・ピアフ

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言はフランスのシャンソン歌手エディット・ピアフ(1915年~1963年)の言葉です。彼女はフランスで現在でも最も愛されている歌手の1人であり、国民的象徴でした。



冒頭の言葉は、エディット・ピアフの代表作「愛の賛歌」の歌詞の一部です。彼女自身が作詞したこの歌は、彼女の言葉といって問題ないでしょう。わたしは歌にはグリーフケア(悲嘆の癒し)の力があると思います。歌うこと、歌を聴くこと、そして歌を詠むこと。人間にとってこれはごく自然な行為であり、それによって人は悲しみを乗り越えられるのではないでしょうか。



ピアフの代表作である「愛の賛歌」は、プロ・ボクシングの世界チャンピオンだったマルセル・セルダンとの恋が生みだしました。1949年、ニューヨークで公演中だったピアフに会うために乗ったマルセルの飛行機が、大西洋上に墜落しました。わずか1年の短い恋は、マルセルの突然の死により、悲劇の結末を迎えたのです。悲嘆にくれた彼女はこの歌を歌うことで、深い悲しみから立ち直ったといいます。



ピアフは48歳という若さでこの世を去ります。彼女の葬式には4万人もの人が集まりました。パリ中の商店が彼女に弔意を表して店を閉めたといわれています。葬儀の最中には、パリ市内の交通が全面ストップしたそうです。愛に生き、愛をうたった彼女の言葉から、わたしたちにも勇気を与えてくれます。なお、このココ・シャネルの名言は、死を乗り越える名言ガイド(現代書林)に掲載されています。

 

 

2024年2月6日  一条真也