「死を乗り越えるオードリー・ヘップバーンの言葉」

 

死を前にしたとき、みじめな気持ちで人生を振り返らなくてはならないとしたら、いやな出来事や逃したチャンス、やり残したことばかりを思い出すとしたら、それはとても不幸なことだと思うの。
オードリー・ヘップバーン

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、女優オードリー・ヘップバーン(1929年~1993年)の言葉です。彼女は、ベルギーの首都ブリュッセル生まれ。アカデミー賞トニー賞エミー賞グラミー賞など多くの賞を受賞。代表的な出演作品に「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」「マイ・フェア・レディ」などがあります。



「死は決して不幸ではない」――これは、わたしの信条です。この想いは、オードリーの言葉を知ったとき、確信となりました。オードリー・ヘップバーンは若さにこだわることなく、年齢を受け入れ、老境の役を見事に演じきったようにわたしには見えました。とても魅力的な老女になりましたし、おばあちゃん女優になった感じです。永遠の名作「ローマの休日」で鮮烈なデビューを飾った彼女の姿を、わたしたちはスクリーンで見ることができます。そして彼女の姿とその生き方に、これからも勇気づけられていくことでしょう。



彼女は63歳で亡くなりました。葬儀の後、息子のショーンが挨拶に立ち、こんなエピソードを紹介しています。最後に自宅の庭を散歩したとき、庭師のジョバンニがやって来て、「奥様、よくおなりになったら枝を刈り込んだり花を植えたりするのを手伝ってくださいまし」と言いました。するとオードリーはにっこり笑って「お手伝いするわ・・・・・・でもこれまでとは違うやり方でね」。彼女は今、その庭が見える小高い丘に埋葬されています。晩年はユニセフなどの活動も積極的に行った彼女。きっと幸せな中でその華やかで、充実した生涯を終えたことでしょう。このオードリー・ヘップバーンの言葉は、『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2023年7月12日  一条真也