寺・葬儀場 癒やしの場に

一条真也です。
21日の朝、東京に出張するために北九州空港にいたら、 金沢紫雲閣の大谷総支配人からLINEが届きました。ブログ「寄り添う専門家育てたい」で紹介した6月17日の記事に続いて、今朝の「読売新聞」にグリーフケア関連記事が掲載されたという連絡でした。


「読売新聞」2023年6月21日朝刊

 

記事はシリーズ「生と死を見つめて」第三部「グリーフケア」⑥として、「寺・葬儀場 癒しの場に」の大見出し、「遺族の想い■控室に台所、思い出の料理を」の見出しです。「グリーフ(悲嘆)の最前線にある寺院や葬儀場が、遺族に寄り添う取り組みを続けている」として、「冠婚葬祭大手・サンレーグリーフケアの一環で、斎場を利用した遺族を対象に随時、『合同慰霊祭』を開く。悲嘆が大きい場合、面談や電話できめ細かく対応する。昨年5月には、葬祭会館『大額紫雲閣』(金沢市)をオープン。1家族の貸し切り型で、遺体を安置する控室にはキッチンやリビングなどを設ける。祖母を亡くした孫夫婦は通夜の後、祖母がよく作った豚汁を料理し親戚に振る舞い、思い出を語り合った。上級グリーフケア士の資格を持つ 金沢紫雲閣総支配人、大谷賢博さんは、遺族に『ご無理なさらずに、今のお気持ちをお聞かせ願えますか』と問いかける。語りたいことを何でも話してもらい、その人の心にうごめいている「何か」に耳を傾ける。悲しみや後悔、絶望などに寄り添い、そうした感情を一緒に言葉にする努力を続けるうち、悲嘆が癒える状態が現れるという。『ご遺族がまいてくれた種を育てることが大切なんです』
遺族への禁句もある。『もう少しの辛抱』などの励まし、『○○さんは△△を始めて元気になりましたよ』といった他人の体験談、『お気持ちは分かります』という気休めの同意、『あなたは強いですね』『神様が決めたことです』――。いずれも心を傷付ける」などと書かれています。先日の記事と同様、踏み込みが浅い印象があります。大谷総支配人に聴くと、取材はメールのやり取りだけだったとか。彼が本当に伝えたいことが掲載されておらず、言葉通りの切り取られた内容になっていると落胆していました。仮にも天下の「読売新聞」でグリーフケアの連載をするのなら、記者の方はもっと勉強していただきたいですね!

 

2023年6月21日 一条真也