笑縁

 

一条真也です。
無縁社会」などと呼ばれ、血縁と地縁の希薄化が目立つ昨今です。人間は1人では生きていけません。「無縁社会」を超えて「有縁社会」を再生させるためには、血縁や地縁以外のさまざまな縁を見つけ、育てていく必要があります。そこで注目されるのが趣味に基づく「好縁」。この中には、笑いによって縁を生み出す「笑縁」があります。


孔子とドラッカー 新装版』(三五館)

 

わが社は「落語の会」や「笑いの会」の開催を通して、笑いによる縁としての「笑縁」作りに励んでいます。拙著『孔子とドラッカー 新装版』(三五館)の「笑――ユーモアと笑顔が福を呼ぶ」にも書きましたが、笑顔は世界共通のコミュニケーションの「かたち」です。わが社の経営理念であるS2Mには「SMILE TO MANKIND(すべての人に笑顔を)」があります。わが社のような「ホスピタリティ」すなわち「親切な思いやり」というものを提供する接客サービス業においては、笑顔・挨拶・お辞儀といったスキルが非常に大切となります。中でも特に笑顔が必要であると言えます。サービスの現場だけではありません。営業においても、明るい笑顔でお客様に接するのと暗い無表情で接するのとでは雲泥の差があり、それは確実に成果の差となって出てきます。

f:id:shins2m:20190214114502j:plain「笑いの会」のようす 

 

マンカインドとは「人類」であり、「すべての人」という意味です。すべての人は、わたしたちのお客様になりえます。ぜひ、お客様のみならず、取引業者の方や社内の人たち、部下や後輩にも笑顔で接していただきたいと社員の皆さんにお願いしています。冠婚葬祭互助会であるわが社は、死別の悲嘆に寄り添う「グリーフケア」にも積極的に取り組んでいますが、そこでも笑顔やユーモアというものを大切にして、愛する人を亡くされた遺族の方々を対象とした「笑いの会」などを開催しています。葬儀においては、ひと昔前の遺影写真は笑顔がタブーとされてた時もありましたが、最近は笑顔の写真で遺影写真を作られる方も増えてきました。遺影写真は代々その家に残る写真なので、かしこまった写真より笑顔の写真がご遺族も心穏やかに過ごせるのではないでしょうか?


かつて、昭和の時代にクレイジーキャッツの「日本全国ゴマスリ行進曲」という歌が大ヒットしました。ゴマスリは手間もかからないし元手もいらないので、「大いにゴマをすろう!」というような内容で、亡くなった植木等さんが歌っていました。笑顔もまた、手間もかからず、元手もいりません。ゴマスリなどする必要はありませんが、そのかわりに笑顔を心がけたいものです。これほど安上がりで効果が高い接客スキルというものは、他には存在しません。まさに、最高のコスト・パフォーマンスですね。


笑顔は、接客サービス業においてだけでなく、ありとあらゆるすべての人間関係に大きな好影響を与えます。ミュージシャンの高橋優が、「福笑い」という歌で「きっとこの世界の共通言語は、英語じゃなく笑顔だと思う」と歌ってましたが、国籍も民族も超えた、まさに世界共通語、それが笑顔です。また、性別や年齢や職業など、人間を区別するすべてのものを超越してしまいます。


マスクを着けても笑顔です!

笑う門には福来る!

 

「すべての人に笑顔を」は、「人間尊重」そのものです。笑顔のない組織に潤いはなく、殺伐とした非人間的な集団にすぎません。会社にも社会にも笑顔が必要です。そう、笑う門には福来る! 現在、コロナ禍のマスク越しでは笑顔が伝わらず、目の表情やアイコンタクトが大切になります。せめて、「マスクの下は笑顔です!」を心掛けたいものですね。ハハハハハ☺️

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2023年3月1日 一条真也