新入社員へのメッセージ 

一条真也です。
4月1日は、ブログ「新入社員辞令交付式」で紹介したように、感染防止のためにサンレーグループの合同入社式の規模を大幅に縮小し、辞令交付式を行いました。翌2日、新入社員合同研修の「社長訓話」を行いました。

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開始直前のようす

f:id:shins2m:20220402140432j:plainザ・ジュエルボックスに入場しました

f:id:shins2m:20220402140518j:plain起立! 礼! よろしくお願いします!

f:id:shins2m:20220402162840j:plain新入社員研修で話しました

 

社長訓話の会場は、松柏園ホテルバンケットザ・ジュエルボックス」でした。まずは桜色の春マスクを外して、パワーポイントを使いながら、スクール形式で訓話を行いました。マスクで顔は隠れていますが、まだ学生の面影を残す新入社員たちを前にすると、大学の客員教授として講義をしているような気分になりました。

f:id:shins2m:20220402140600j:plain最初は桜色のマスク姿で

f:id:shins2m:20220402140713j:plain桜色のマスクを外しました

f:id:shins2m:20220402140702j:plainサンレーについて語りました

f:id:shins2m:20220402141130j:plainS2M宣言」について説明しました

 

新入社員を前に、まずは「サンレー」という社名の意味から説明しました。その意味は「SUNRAY(太陽の光)」「産霊」「讃礼」と3つあります。じつは、これらは「令和」にも通じるキーワードです。経営理念である「S2M」についても説明しました。

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「事業の定義」について

f:id:shins2m:20220402162610j:plainわが社が提供するもの

 

その後、「事業の定義」に話題を移し、わが社が提供するものについて話しました。わが社の事業の柱といえば冠婚・葬祭・互助会ですが、その三本柱はそれぞれ「平和」「平等」「人の道」を提供していると述べました。さらには、「互助会」について、「冠婚葬祭業」について、それぞれ、その本質を説きました。

f:id:shins2m:20220402145058j:plainわが社のM&Aについて

f:id:shins2m:20220402141335j:plain真剣に聴く新入社員たち

 

コロナ禍という想定外の大事件によって、社会は一変しました。これまでのように「ただ儲ければいい」「ただ売上と利益さえ追求すればよい」という商売の仕方では通用しません。これからの企業に求められるものは「M&A」ではないでしょうか。M&Aの「M」とは「Mission(ミッション)」のことです。そして、「A」とは「Ambition(アンビション)」のことです。すなわち、サンレーの「M&A」は「使命」と「志」のことです。

f:id:shins2m:20220402141752j:plain「使命」と「志」が大切である!

 

会社人として仕事をしていく上で「ミッション」が非常に大切です。ミッション経営とは、社会について考えながら仕事をすることであると同時に、お客様のための仕事を通して社会に貢献することです。要するに、お客様の背後には社会があるという意識を待たなくてはなりません。そして、ミッションと並んで会社人に必要なものが、アンビション、つまり「志」です。志とは何よりも「無私」であってこそ、その呼び名に値します。「自分が幸せになりたい」というのは夢であり、「世の多くの人々を幸せにしたい」というのが志です。夢は私、志は公に通じているのです。自分ではなく、世の多くの人々、「幸せになりたい」ではなく「幸せにしたい」、この違いが重要なのです。

f:id:shins2m:20220402145209j:plainサンレーズ・アンビション・プロジェクト

 

アンビションとは「大志」のことですが、わが社は「サンレーズ・アンビション」として、「天下布礼」を進めています。具体的には「社会貢献」「有縁社会再生」「老福社会実現」「グリーフケア」の4つのカテゴリーで数多くのプロジェクトを推進しています。最近、わが社の社会貢献事業が多大な注目を集めています。わが社の大志、すなわちサンレーズ・アンビションが次々に「かたち」となり、話題を集めています。ブログ「SDGs奨励賞を受賞!」でも紹介したように、地域社会でも認められています。

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晴れ着の無償レンタルについて

 

わが社では、児童養護施設に入居している新成人に晴れ着などを提供し、記念の写真を撮影する取り組みを始めました。昨年12月4日、北九州市児童養護施設で暮らす新成人2人が 松柏園ホテルで晴れ着を選び、今年1月9日に行われた北九州市の成人式式典には、この晴れ着で出席されました。また、わが社は同様に経済的理由から七五三の晴れ着撮影ができない北九州市内の6児童養護施設の児童に対しても、今年から晴れ着の提供を呼びかけ、計28人の児童が七五三の晴れ着姿を撮影しました。お礼のお手紙や絵が届いたときは涙が出るほど感動しました。

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温浴施設での子ども食堂について

 

さらに、12月7日、わが社が指定管理者を務める天然温泉「ふるさと交流館 日王の湯」(田川郡福智町神崎)で「子ども食堂」を開催し、小中学生を無料招待しました。これらの活動は大きな話題となり、全国紙をはじめとしたマスコミ各社からも取材の申し込みが相次ぎました。取材ではよく、「なぜ、このような社会貢献事業をされるのですか?」という質問があります。わたしは、「わが社の本業である冠婚葬祭互助会はソーシャルビジネスだからです」とお答えしています。ソーシャルビジネスとは、高齢者や障がい者の介護・福祉、子育て支援、まちづくり、環境保護地域活性化など、地域や社会が抱える課題の解決をミッション(使命)として、ビジネスの手法を用いて取り組むもの。「人間尊重」としての礼の精神を世に広める「天下布礼」の実践です。

f:id:shins2m:20220402145149j:plain天下布礼」とは何か?

f:id:shins2m:20220402142210j:plain真剣に聴く新入社員たち

晴れ着の無料レンタルは、儀式というわが社の本業というべきものの意味と価値を世に広く問うものです。七五三は不安定な存在である子どもが次第に社会の一員として受け容れられていくための大切な通過儀礼です。成人式はさらに「あなたは社会人になった」というメッセージを伝える場であり、新成人はここまで育ててくれた親や地域社会の人々へ感謝をする場です。長寿祝いも含めて、すべての通過儀礼は「あなたが生まれたことは正しい」「あなたの存在と成長をこの世界は祝福している」という存在肯定のセレモニーです。万物に光を降り注ぐ太陽のように、サンレーはすべての人に儀式を提供する志を抱いています。

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冠婚葬祭こそ究極のSDGsだ!

 

これらの一連の活動は、SDGsにも通じています。SDGsとは「持続可能な開発目標」という意味ですが、要するに社会を持続させるために必要なことを実行するということ。そして、冠婚葬祭互助会は社会を持続させるシステムそのものであると考えます。結婚式は、夫婦を生み、子どもを産むことによって人口を維持する結婚を根底から支える儀式です。一方で葬儀は、儀式とグリーフケアによって死別の悲嘆によるうつ、自死などの負の連鎖を防ぐ儀式です。冠婚業も葬祭業も単なるサービス業ではありません。社会を安定させ、人類を存続させる文化装置です。

f:id:shins2m:20220402143944j:plain互助会はソーシャルビジネス!

 

そして、互助会の根本理念である「相互扶助」は、社会の持続性により深く関わります。貧困ゆえに入浴の習慣を知らない小学生がいるという。また、一日に一回しか食事ができない子どもがいるという。その事実を知り、「なんとかしなければ!」と強く思いました。SDGsは環境問題だけではありません。人権問題・貧困問題・児童虐待・・・・・・すべての問題は根が繋がっています。そういう考え方に立つのがSDGsであるわけです。その意味で入浴ができない、あるいは満足な食事ができないようなお子さんに対して、見て見ぬふりはできません。「相互扶助」をコンセプトとする互助会こそはソーシャルビジネスであるべきです。

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孤独死自死をなくしたい!

 

わが社には無縁社会を乗り越え、有縁社会を再生するという志、グリーフケアによって世の人々の悲嘆を軽くするという志、そして冠婚葬祭という儀式で日本人を幸福にするという志があります。すなわち、「天下布礼」という大志です。今後は、ますます「ハード」よりも「ハート」、つまりその会社の「想い」や「願い」を見て、お客様が選別する時代に入ります。サービス業からケア業への進化を目指すサンレーは「天下布礼」の大志を抱きながら、新しい時代を創造したいと述べました。マスクの上から覗く新入社員たちの目が輝いていたことは言うまでもありません。

f:id:shins2m:20220402150448j:plain起立! 礼! ありがとうございました!

 

企業の真の宝は施設などではなく、人です。特に、わが社のようなケア業のアンビショナリー・カンパニーは人がすべてです。今日の講話は1時間という短い時間でしたが、みんな真剣に聞いていました。みんな、わたしの話に興味を持ってくれていることが実感できました。彼らが冠婚葬祭やホテルなどのケア業の現場、あるいはサポート部門で活躍してくれる日が楽しみです!

 

日の本の礼の社に咲く花は
   人をもてなす若き桜よ(庸軒)

 

f:id:shins2m:20220402154442j:plain松柏園ホテルの庭園にて

 

2021年4月2日 一条真也