一条真也です。
北九州は春爛漫。各地で桜が咲き誇っています。小倉紫雲閣の桜も満開ですが、さらに嬉しい出来事がありました。
小倉紫雲閣の桜も満開🌸
北九州市はかねてよりSDGsに熱心に取り組んでいますが、「2021北九州SDGs都市アワード」において、わがサンレーが奨励賞を受賞しました。他の受賞企業は製造業が多く、いわゆる非製造業ではわが社のみのようです。まことに名誉なことです。ちなみに、ブログ「奥田知志さんの来社」で紹介した認定NPO法人抱樸さんはなんと大賞を受賞されています。なお、この箇所を書いている最中に奥田知志さんからお電話がありました。奥田さんから直接電話が掛かることは滅多にないので、非常に驚きました。これはもう、シンクロニシティです!
表彰状の授与式のようす
謹んで、名誉ある賞をお受けしました
その授賞式が3月30日、サンレー本社の貴賓室で行われました。北九州市企画調整局SDGs推進室の上田ゆかり室長、同推進室の吉田大樹主任が来社され、上田室長から表彰状を授与されました。アカデミー賞でいえば、大賞を受けた抱樸抱樸代表の奥田さんが主演男優賞に相当します。わたしは、主演をサポートする助演男優賞をお受けする気持ちで、奨励賞の表彰状を受け取りました。
SDGs推進室の上田室長と記念撮影
せっかくなので、マスクを外して・・・
SⅮGs(Sustainable Development Goals)とは、「持続可能な開発目標」という意味であり、国連で採択された「未来のかたち」です。健康と福祉、産業と技術革新、海の豊かさを守るなど経済・社会・環境にまたがる17の目標があり、2015年の国連総会で全加盟国が合意しました。そして、二〇三〇年までにそのような社会を実現することを目指しています。感染症への対処、ワクチンなど医薬品の開発、「元に戻る」ためのレジリエント(復元力の高い)なインフラ構築、差別の撤廃、廃棄物の大幅削減、そして貧困の解消。これらはすべてSⅮGsの目標に含まれています。
その後、歓談タイムとなりました
SDGsについての自説をお話ししました
ブログ『SDGs(持続可能な開発目標)』で紹介した蟹江憲史氏の著書において、現代社会の多くの課題は経済の問題、社会の問題、環境の問題と3つに分けることができると指摘し、蟹江氏は「より身近な言い方をすれば、カネ・ヒト・地球の問題である。それらは一見独立した問題のようにも思われるが、実はそれぞれが深く強く関連している」と述べています。課題が相互に関連しているということは、課題解決も一筋縄では行かないということであり、何かを解決しようとしても、総合的に考えて行動を取らない限り、全体として課題を解決できません。
「サンレーズ・アンビション・プロジェクト(SAP)」
わが社は「サンレーズ・アンビション・プロジェクト(SAP)」として、「天下布礼」を進めています。具体的には「社会貢献」「有縁社会再生」「老福社会実現」「グリーフケア」の4つのカテゴリーで数多くのプロジェクトを推進しています。最近、わが社の社会貢献事業が多大な注目を集めています。わが社の大志、すなわちサンレーズ・アンビションが次々に「かたち」となっており、地域社会や業界の話題を集めているのです。
「西日本新聞」2021年12月17日朝刊
まず、わが社では今年から児童養護施設に入居している新成人に晴れ着などを提供し、記念の写真を撮影する取り組みを始めました。昨年12月4日、北九州市の児童養護施設で暮らす新成人2人が 松柏園ホテルで晴れ着を選び、今年1月9日に行われた北九州市の成人式式典には、この晴れ着で出席されました。また、わが社は同様に経済的理由から七五三の晴れ着撮影ができない北九州市内の6児童養護施設の児童に対しても、今年から晴れ着の提供を呼びかけ、計28人の児童が七五三の晴れ着姿を撮影しました。良い思い出になったようで、お礼のお手紙や絵が届いたときは涙が出るほど感動しました。
「西日本新聞」2021年12月8日朝刊
さらに、昨年12月より、わが社が指定管理者を務める天然温泉「ふるさと交流館 日王の湯」(田川郡福智町神崎)で「子ども食堂」を開催し、小中学生を無料招待しています。これらの活動は大きな話題となり、全国紙をはじめとしたマスコミ各社からも取材の申し込みが相次ぎました。取材ではよく、「なぜ、このような社会貢献事業をされるのですか?」という質問があります。わたしは、「わが社の本業である冠婚葬祭互助会はソーシャルビジネスだからです」とお答えしています。ソーシャルビジネスとは、高齢者や障がい者の介護・福祉、子育て支援、まちづくり、環境保護、地域活性化など、地域や社会が抱える課題の解決をミッション(使命)として、ビジネスの手法を用いて取り組むもの。「人間尊重」としての礼の精神を世に広める「天下布礼」の実践です。
「毎日新聞」2021年1月17日朝刊
晴れ着の無料レンタルは、儀式というわが社の本業というべきものの意味と価値を世に広く問うものです。七五三は不安定な存在である子どもが次第に社会の一員として受け容れられていくための大切な通過儀礼です。成人式はさらに「あなたは社会人になった」というメッセージを伝える場であり、新成人はここまで育ててくれた親や地域社会の人々へ感謝をする場です。長寿祝いも含めて、すべての通過儀礼は「あなたが生まれたことは正しい」「あなたの存在と成長をこの世界は祝福している」という存在肯定のセレモニーです。万物に光を降り注ぐ太陽のように、サンレーはすべての人に儀式を提供する志を抱いています。
「財界九州」2022年新年号
これらの一連の活動は、SDGsにも通じています。SDGsとは「持続可能な開発目標」という意味ですが、要するに社会を持続させるために必要なことを実行するということ。そして、冠婚葬祭互助会は社会を持続させるシステムそのものであると考えます。結婚式は、夫婦を生み、子どもを産むことによって人口を維持する結婚を根底から支える儀式です。一方で葬儀は、儀式とグリーフケアによって死別の悲嘆によるうつ、自死などの負の連鎖を防ぐ儀式です。冠婚業も葬祭業も単なるサービス業ではありません。社会を安定させ、人類を存続させる文化装置です。
「ふくおか経済」2022年新年号
そして、互助会の根本理念である「相互扶助」は、社会の持続性により深く関わります。貧困ゆえに入浴の習慣を知らない小学生がいるという。また、一日に一回しか食事ができない子どもがいるという。その事実を知り、「なんとかしなければ!」と強く思いました。SDGsは環境問題だけではありません。人権問題・貧困問題・児童虐待・・・・・・すべての問題は根が繋がっています。そういう考え方に立つのがSDGsであるわけです。その意味で入浴ができない、あるいは満足な食事ができないようなお子さんに対して、見て見ぬふりはできません。「相互扶助」をコンセプトとする互助会こそはソーシャルビジネスであるべきです。今回の受賞を機に、さらに「サンレーズ・アンビション・プロジェクト」を推進したいです!
2022年3月30日 一条真也拝