4月度総合朝礼

一条真也です。
4月になりました。素晴らしい晴天となった1日の朝、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールにおいて、サンレー本社の総合朝礼を行いました。もちろん、ソーシャルディスタンスには最大限の配慮をしています。

f:id:shins2m:20210401120507j:plain4月度総合朝礼前のようす

f:id:shins2m:20210401120528j:plain
最初は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20210401084831j:plain
社歌斉唱のようす

f:id:shins2m:20210401085039j:plain春マスク姿で登壇しました

 

全員マスク姿で社歌の斉唱および経営理念の唱和は小声で行いました。それから社長訓示の時間となり、わたしが春を呼ぶピンクの不織布マスク姿で登壇しました。わたしは、まず、「昨日、京都出張から戻ったら、PCに「入学式も卒業式もムダ。3月4月すべての儀式が日本人を不幸にする」というとんでもないネット記事が届いていたので、一気に30分ぐらいで反論を書き、ブログ「儀式が日本人を不幸にする?」をUPしました。大量のアクセスが集中したようですが、儀式不要論に対峙するのもわが社の使命だと考えています。興味のある方はぜひ、ご覧下さい」と言いました。続いて、春マスクを取って、以下のように述べました。

f:id:shins2m:20210401120614j:plainこれから新入社員を迎えます

 

いよいよ、4月ですね。今日は、この後、辞令交付式が行われます。今年も新入社員のみなさんを迎えることができます。心より歓迎いたします。コロナ禍によって多くの企業が苦境に陥っています。当然ながら、新卒の採用というのは厳しくなります。わたしは、今年の新入社員に大いに期待しています。なぜなら、彼らほど、会社に入ることの喜びと社会人になることの責任感を胸に抱いている者はいないと思うからです。みなさんも、ぜひ新しい仲間たちを温かく迎えてあげて下さい。そして、会社の先輩として、社会人の先輩としての見本になって下さい。

f:id:shins2m:20210401120822j:plainグレート・リセット」について

 

ダボス会議」といえば、世界のリーダーたちが連携する国際機関で、著名な政治家や実業家、学者らが招かれ、意見を交わします。2020年1月に開催される年次総会のテーマは「グレート・リセット」でした。グレート・リセットとは、より良い世界をもたらすために、わたしたちの社会と経済のあらゆる側面を見直し、刷新することです。世界経済フォーラムを創設したクラウス・シュワブ会長は、この「リセット」が意味するものについて、「世界の社会経済システムを考え直さないといけない。第二次世界大戦後から続くシステムは異なる立場のひとを包み込めず、環境破壊も引き起こしている。持続性に乏しく、もはや時代遅れとなった。人々の幸福を中心とした経済に考え直すべきだ」と語っています。ここでシュワブが言う「第二次世界大戦後から続くシステム」とは、「無限の成長を前提とするシステム」です。

f:id:shins2m:20210401085955j:plain
人類社会のグレート・リセット とは? 

 

そのシュワブとオンラインメディア代表のティエリ・マルレの共著に『グレート・リセット』があります。同書には、「人間らしさの見直し」として、2020年3月のイタリアの状況に言及しています。その時期、死者が1万人を超え、新型コロナウイルス感染症による破滅的状況にあったイタリアでは、著名なオペラ歌手が近所の住人のために自宅のバルコニーから歌を披露しました。また、医療従事者に敬意を表し、人々は毎晩声を合わせて歌いました。その後、この現象はほぼヨーロッパ全土に広まりました。助け合いの精神や、困っている人を助けようとするさまざまな行動も見られました。

f:id:shins2m:20210401085427j:plain「人間らしさの見直し」について

f:id:shins2m:20210401085613j:plain
熱心に聴く人びと

 

市民全員が強制自宅隔離になると、人々は以前よりも人助けに時間を割き、互いにいたわりあい、このことで共同体意識が強まりました。同書には、「至るところで、親切心や寛大さ、利他主義を表すちょっとした行動が常識になりつつあるように思えた。協力という概念、共同体を重んじる考え、社会の利益と思いやりのためなら、自分の利益を犠牲にする価値観が重んじられるようになった」と書かれています。

f:id:shins2m:20210401090031j:plainエコノミーにヒューマニティを!

 

ビジネス書の分野でベストセラーを連発している山口周氏は、コロナ後の社会を構想した著書『ビジネスの未来』で「エコノミーにヒューマニティを」と訴え、「ここに、私たちが向き合わなければならない本質的な課題があります。真に問題なのは『経済成長しない』ということではなく『経済以外の何を成長させれば良いのかわからない』という社会構想力の貧しさであり、さらに言えば『経済成長しない状態を豊かに生きることができない』という私たちの心の貧しさなのです」と述べています。これは、拙著『心ゆたかな社会』(現代書林)の主張に通じます。

f:id:shins2m:20210401085228j:plain
「生きるに値する世界」へ

 

わたしたちの社会は、これからどちらの方向へ向かうべきなのか。それは、「便利で快適な世界」を「生きるに値する世界」へと変えていくことであり、これを別の言葉で表現すれば「経済性に根ざして動く社会」から「人間性に根ざして動く社会」へと転換させるということになります。今後の社会を、優しく、愛と思いやりに満ちた、感性豊かなものにしていくためには、この「経済性から人間性」への転換がどうしても必要になります。

f:id:shins2m:20210401090502j:plain「経済性から人間性」への転換について

f:id:shins2m:20210401085344j:plain
熱心に聴く人びと

 

そして、「経済性から人間性」への転換を実現するために必要なのは、ここ100年のあいだ、わたしたちの社会を苛み続けてきた三つの強迫、すなわち「文明のために自然を犠牲にしても仕方がない」という文明主義、「未来のためにいまを犠牲にしても仕方がない」という未来主義、「成長のために人間性を犠牲にしても仕方がない」という成長主義からの脱却が必要です。その他にも、わたしはコロナ後の社会を予見した多くの本を読みましたが、いずれも「人間性」というものを重視しています。

f:id:shins2m:20210401120728j:plain
「相互扶助」の時代が来た!

 

そして、もうひとつキーワードがあります。それは、「相互扶助」です。ネアンデルタール人ホモ・サピエンスの遺跡からもわかるように、死者の埋葬と並んで、相互扶助は人類の本能であるとされています。わたしも、そう思います。最近観たアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」には、相互扶助を絵に描いたような村が登場し、非常に感動しました。人類が生き延びるには「相互扶助」という本能を呼び起こすことが必要なのです。

f:id:shins2m:20210401120656j:plain道歌を披露しました

 

互助会の「互助」とは、「相互扶助」の略です。「相互扶助」が最重要となるコロナ後の社会で、互助会は大きな存在感を放つでしょう。コミュニティホールである紫雲閣がワクチン接種の会場になるかもしれません。社会に貢献し、人類の存続を支えるという大いなる志をもって頑張りましょう!」と述べてから、以下の道歌を披露しました。

 

世直しは 人と人とが助け合ふ

    心ゆたかな人の世めざし  

 

f:id:shins2m:20210401090840j:plain「今月の目標」を唱和

f:id:shins2m:20210401090907j:plain最後は、もちろん一同礼!

 

総合朝礼の終了後は、松柏園ホテルで新入社員の辞令交付式を行います。明日は、本部会議と新入社員への社長訓話を行います。昨年はなんとかコロナイヤーを黒字で乗り切りましたが、コロナ2年目となる今年は正念場を迎えています。全社員が全集中の呼吸で全員の力を合わせて最後まで走り抜きたいです。

 

2021年4月1日 一条真也拝