グリーフケア囲みTV取材

一条真也です。金沢に来ています。16日、金沢紫雲閣で北陸初のグリーフケア自助グループである「月あかりの会」が発足し、その記念として、ブログ「北陸合同慰霊祭」で紹介したセレモニー、ブログ「グリーフケア・トークショー」で紹介したイベントが行われました。


囲み取材のようす

 

この日はテレビ局が4社来ており、トークショーの後、囲み取材が行われました。最初に、「それでは幹事社より、質問させていただきます。佐久間社長にお伺いします。今回、サンレー北陸に『月あかりの会』を発足した理由を改めて教えてください」という質問がありました。


質問にお答えしました

 

わたしは、「まず『月あかりの会』とは愛する人を亡くされた、ご遺族の方々のための『グリーフケア・サポート』のための会員組織です。『超高齢社会』を迎えている現在の日本では、ご自宅で亡くなる方よりも、病院等の医療機関でお亡くなりになる方が圧倒的に多いため、近親者の死を身近に経験する機会、死と向き合う機会が減少しました。さらに伝統的な宗教や地域社会の弱体化により、地縁や血縁が薄れた社会は『無縁社会』とも呼ばれ、悲嘆を抱える人々を支える場、癒しの場が少なくなっており、その結果、悲しみを誰にも言えずに孤立してしまう人が増えています」と語りました。


囲み取材のようす

 

続けて、わたしは「人間は1人では生きていけません。『無縁社会』を超えて『有縁社会』を再生させるためには、血縁や地縁以外にもさまざまな縁を見つけて、育てていく必要があります。そこで『月あかりの会』では、さまざまな活動を通じて、共通した悲しみを持つご遺族が、胸の内を明かし合い、さらには励まし合うことで結びつき、新たな縁である『悲縁』が生み出されていっております。この北陸の地でも、グリーフケア・サポートにて悲縁を繋ぐお手伝いをしたいと思い、発会に至りました。北九州では2010年にスタートしております」と述べました。


囲み取材のようす 

 

次に「お二人にお伺いします。グリーフケアを行うにあたり、改めて、わたしたちが知っておくべきことは何でしょうか?」との質問がありました。わたしは、「人間1人ひとりの思い方や感じ方が当然違うことは、『多様性』という言葉がメジャーとなった現代では、頭の中ではわかっていることかもしれません。しかしながら、それぞれの喪失感や悲嘆の感じ方は他の人には全くわからないことを知っておくことが必要です。無縁化により悲嘆を語る場の消滅という社会変化により、悲嘆を抱えたまま生きていくしかない、ケアをされることなく生きていく、とあきらめている方たちに、そうではないことを伝えたい。すでに全国で多くの方がグリーフケア・サポートを始め、その輪が広がっていることを知って欲しいです。そして、すべての方に『ただ聴いてあげること』でもケアとなっていくことを知っていただきたいと思います」と述べました。

 

次に、「お二人にお伺いします。お二人も出演されているドキュメンタリー映画宮内庁や国会でも注目されている事についてお聞かせ下さい」との発言がありました。わたしは、「公開初日となる12月1日の初回上映に宮内庁の正式行事として秋篠宮皇嗣妃殿下、梨本宮本殿下がご臨席されました。わたしも参加し妃殿下に御挨拶を申し上げるという大変名誉な経験をさせていただきました。また、来年5月に国の行事である『命を大切にする』イベントにおいて、議員会館での上映申し込みもありました。いずれにしても、映画のタイトルのようにグリーフケアの時代の到来を感じます。そして、グリーフケアの普及こそが、日本人の『こころの未来』にとっての最重要課題だと思います」と述べました。


囲み取材のようす

喜びも悲しみもともに分かち合い、寄り添い合う社会を!

最後に、わたしに「カメラ目線で一言お願いします」というので、わたしは「今日という日が、北陸の地でのグリーフケアの時代の新たな幕開けとなりました。喜びも悲しみもともに分かち合い、寄り添い合う社会をこれからつくっていきたいと思います」と述べました。こうして、囲み取材は終了したのでした。この後は、島薗進先生と書籍用の対談を行います。

 

2023年12月16日 一条真也