死を乗り越える樹木希林の言葉

 

人はいつかは死ぬではなく、
いつでも死ぬ(樹木希林

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、女優の樹木希林(1943年~2018年)の言葉です。彼女の夫は、内田裕也。数々の映画やドラマに出演。晩年に書かれたエッセイはベストセラーになりました。



全身がガンに侵されていることを告白した樹木さんの生き方は、多くの日本人の共感を呼びました。同時に、片眼の視力を失いながらも精力的に女優業を貫いた姿勢、そして老いを受け入れながら、その中で自分の使命を見つけていたであろう、迷いを感じさせない生き様も、彼女が憧れの存在になった理由なのでしょう。とくに内田裕也さんとの夫婦関係は、不思議な余韻を感じさせるものでした。

 

 

わたしは彼女の「老い」を見ることができてよかったと思います。老女を演じた名女優たちはたくさんいますが、樹木希林さんはその中でも、トップクラスの存在だったといえるでしょう。その姿を見せてくれたことに感謝です。ブログ『一切なりゆき~樹木希林のことば~』で紹介した彼女の著書(文春新書)は2019年の年間ベストセラー第1位になりました。老いと死を受け入れた彼女の姿は、老いや死におびえるだけの現代日本人に一石を投じたと思います。なお、この高倉健の名言は、死を乗り越える名言ガイド(現代書林)に掲載されています。

 

 

2023年11月27日  一条真也