12月度総合朝礼 

一条真也です。ついに、12月になりました。
今年も残るところ1ヵ月です。2日の午前8時45分から、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールにおいて、サンレー本社総合朝礼を行いました。

12月度総合朝礼前のようす

最初は、もちろん一同礼!

社歌斉唱のようす

マスク姿で登壇しました

 

一応、コロナ感染やインフルエンザ感染への警戒を緩めずに、全員マスク姿で社歌を歌いました。社長訓示の時間となり、わたしがレッドの不織布マスク姿で登壇しました。まず、わたしは「12月になりました。本当は昨日の1日に総合朝礼を行うはずでしたが、2日になってしまいました。みなさんにお詫びいたします」と言いました。


昨日の出来事を報告しました

 

わたしは、「1日から公開のドキュメンタリー映画グリーフケアの時代に』の東京上演の初回が秋篠宮妃殿下が御臨席される宮内庁の公式行事となり、急遽わたしも参加することになったのです。皇室が日本人の心の紐帯の拠り所であり、かつ日本の『まつり』の中心の1つであることは間違いないことですが、そうした立場の方々にグリーフケアの重要性を知っていただくことは、日本人の心、そしてそれがかたちとなるまつりにおいてグリーフケア的な意義が増すことに直結するかと存じます」と述べました。


マスクを外しました

 

続いて、わたしは以下のように話しました。11月は七五三で、各地の神社も賑わったことだと思います。そんな中、二一日に宗教哲学者で京都大学名誉教授の鎌田東二先生とわたしの対談本である古事記と冠婚葬祭(現代書林)が刊行されました。同書には「神道と日本人」というサブタイトルがついていますが、鎌田先生は神道研究の第一人者であり、神主の資格も持っておられます。鎌田先生は、対談の中で「鎌田 さし昇ってくる朝日に手を合わす。森の主の住む大きな楠にも手を合わす。台風にも火山の噴火にも大地震にも、自然が与える偉大な力を感じとって手を合わす心。どれだけ科学技術が発達したとしても、火山の噴火や地震が起こるのをなくすことはできません。それは地球という、この自然の営みのリズムそのものの発動だからです」と述べておられます。

グレート・スピリットとは?

 

鎌田先生は、「その地球の律動の現れに対する深い畏怖の念を、神道も、またあらゆるネイティブな文化も持っています。ネイティブ・アメリカンはそれをグレート・スピリット、自然の大霊といい、神道ではそれを『八百万の神々』といいます」と述べられました。わたしは、10月24日の早朝、社員旅行先の別府湾で日の出を拝みました。なんと、そのとき、朝日の真上に龍が出現しました。感動しました。自然科学が発達していなかった頃、古代人たちはこうやって龍を見て、神を感じたのだと思いました。まさに、そこには「グレート・スピリット」がありました。また、神道という言葉には、「神の道」「神からの道」「神への道」という意味があります。


神道とは何か?


熱心に聴く人びと

 

神道といえば、祭りと切っても切り離せません。祭りとは、神々と自然と人々との交歓によって、大なる循環と調和を導く民衆的知恵と生活技術です。それは、魂の力をもって、平和と平安と幸福を招き入れるワザヲギであり、何モノか神聖なる存在、つまり神の訪れを待つところから始まります。それは、深い「耳のそばだて」、傾聴の姿勢を必要です。神々や自然や先祖の声に慎しみ深く耳を傾け、その場に到来するものを待ち受けること、そしてそこに到来した大いなるモノに心からの感謝の供え物を奉り、大いなる存在の「声」に従い、讃え、調和と美と喜びをもたらすこと、それが「祭り」です。


祭りと神楽について

 

こうした「祭り」の中で、聴こえてきた声と身振りのかたちが、やがて「神楽(ルビ:かぐら)」という芸能文化となります。日本の芸能文化の始まりは「天の岩屋戸の神事」に発するとされています。舞い踊るアメノウズメノミコトの姿を見て神々は楽しくなり、口々に、「天晴れ、あな面白、あな楽し、あなさやけ、おけ!」と歓び叫びました。ここに「神道」の真髄があります。鎌田先生によれば、神道とは、この「天晴(ルビ:あっぱ)れ、面白、楽し」を生き方の根本に据えていく道です。


「天晴れ」について


熱心に聴く人びと

 

「天晴れ」とは、今まで曇って真っ暗だった状態から天が晴れること、つまり「いのち」の源の開放である。「面白」は、そのときに聖なる光が射してきて、顔の面が白くなること。「楽し」とは、光を受けて体が自然に踊りスイングすること。「さやけ」とは、神や人間だけではなく、笹がサヤサヤと一緒になって震えること。「おけ」とは、木の葉が一緒になって震えること。こういう宇宙的調和的状態を実現するのが「祭り」であり、「神楽」であり「芸能」であるといいます。「神楽」とは、神と共に、自然の草木までが一緒になって震え歓ぶ歓喜の時間です。そういう行為と状態を、古語で「タマフリ」とも「タマシヅメ」とも「ワザヲギ」とも呼びました。

ウェルビーイングとコンパッション

 

「タマフリ」とは魂を奮い立たせることであり、「タマシヅメ」とは魂を鎮めること、また「ワザヲギ」とはその魂を招き寄せ、エンパワーメントしていくこと。こうして、「祭り」のワザが実現します。現在のわが社のメインテーマは「ウェルビーイング」と「コンパッション」の2つですが、鎌田先生は神道的に見ると、ウェルビーイングとは「あっぱれ」であり、コンパッションとは「あはれ」であると言われました。「神懸り」の際に、神々が大いに喜び踊り、口々に「あはれ、あなおもしろ、あなたのし、あなさやけ、おけ」と囃したと記されています。そこで、「あはれ」とは「天晴れ(ルビ:あっぱれ)」、天が晴れて光が差し込み、世界が明るくなることであると『古語拾遺』という書物に書かれています。

最後に道歌を披露しました

 

これは「鎮魂」や「神楽」の起源を語る神話とされていますが、それは、太陽の死と復活と、笑いによる生命力の更新を象徴している。神懸りと笑いによる「招福攘災」、すなわち「岩戸開き」の業こそが「俳優」であり、彼が岩戸を開くことによってこの世に太陽光を戻し、「天晴れ」を実現します。そこから、「あはれ」が派生していくのです。ウェルビーイングとは「あっぱれ」で、コンパッションとは「あはれ」である。そのどちらも太陽光(SUNRAY)と深く関わっています。すべてがわが社の理念や活動と一糸の矛盾もなく繋がっていると悟りました。そして、わたしは以下の道歌を披露しました。

 

天晴れと思ふ心は神の道

   あはれと思ふ心も神へ(庸軒)

 

「今月の目標」を唱和

最後は、もちろん一同礼!

 

その後は「今月の目標」を全員で唱和し、最後はもちろん「一同礼」で総合朝礼を終えました。この後は、恒例の北九州本部会議を行います。丸3年間、コロナ禍にもかかわらず、黒字の確保はもちろん、ベストを尽くして走ってきました。コロナ4年目となる今年は、1月から歴代最高記録ラッシュで、ロケットスタートに成功しました。今年も、全社員が全集中の呼吸で全員の力を合わせて、最後まで前向きに走り抜きたいです!

今年も、最後まで走り抜こう!

 

2023年12月2日 一条真也拝