北陸総合朝礼

一条真也です。金沢に来ています。
昨夜は、ブログ「金沢の還暦祝い」で紹介したように、昨夜はサンレー北陸の本部会議メンバーからサプライズで還暦を祝っていただき、たくさんカラオケを歌いました。

金沢カレーを食べて勝つ!!

 

とにかく昨夜はたくさん歌ったので、お腹が空きました。そこで今朝はガツンと食べてガッツを注入しようと思い、金沢カレーのミニを食べました。ご存知のように、金沢カレーにはキャベツとともにカツが入っています。朝からカツを食べて、負けてもカツ!!


開式前のようす


赤の装いで入場しました


みんなギョッとしていました


華麗なステップで前へ!


さあ、これから本番です!


拍手の中を着席しました

 

11時から金沢紫雲閣で、サンレー北陸の総合朝礼を行いました。5月8日から新型コロナウイルスは5類に移行しましたが、わが社の社員は高齢者の方々と接する機会が多いので、念には念を入れて、総合朝礼はソーシャルディスタンスに配慮して人数を制限し、マスク着用です。わたしは通常のスーツ姿で行ったのですが、東専務と岸事業部長から「ぜひ、みんなのハートに火をつけて下さい!」と言われ、またもや赤のボルサリーノとジャケットを渡されました。ブログ「営業推進部総合朝礼」で紹介したセレモニーにように真っ赤な装いで気合いを入れてほしいそうです。仕方なく、わたしは着替えてから入場しました。入場時、勇壮な曲が鳴り響いて、会場がどよめきました。


最初は、もちろん一同礼!

社歌斉唱のようす♪


今回は、11月14日以来の7ヵ月ぶりの北陸総合朝礼です。わたしは太陽みたいな赤いマスクを着けて参加しました。次第に気合が入ってきます。まず、総務課の上本さんによる「開会の辞」に続いて全員で国旗・社旗拝礼の後に社歌をマスク越しに小声で斉唱しました。

「経営理念」および「S2M宣言」の唱和

わたしもマスク越しに唱和しました

 

それから野々市営業所の小橋所長によって「経営理念」および「S2M宣言」を唱和しました。コロナ前は応援団のような大きな声で唱和していたものですが、これは仕方ないですね。何よりも感染防止が第一です!


赤のマスク姿で登壇しました


マスクを外しました

 

そして、いよいよ「社長訓示」です。まず、わたしは「みなさん、お久しぶりです。毎日、お勤め御苦労様です。先月10日で、わたしは60歳になりました。いよいよ還暦を迎えたわけですが、老いること、そして生きることの意味を考える今日この頃です」と言ってから、以下のような話をしました。イギリス映画「生きる  LIVING」やそのオリジナルである黒澤明監督の名作「生きる」をご存知ですか? 両作品では、がんの宣告をされた主人公が大変なショックを受け、自暴自棄になる様子が描かれます。


最初は、映画の話をしました

 

ともに1950年代前半の物語で、今から70年前の話です。がんという病気が当時は現在のように「誰でもなる病気」と考えられるほど一般化していなかったのでしょう。それゆえ宣告されたときのショックも大きかったのだと思います。しかし、別に末期がんの患者でなくとも、誰だって半年後に、いや明日死ぬかもしれません。いつ人生が終わるかもしれない状況は、じつは万人が同じなのです。「生きる」も、「生きる  LIVING」も、主人公が亡くなって葬儀が行われます。そして、そこから本当の物語が始まります。葬儀に参列するために集まった人々が故人について語り合う中から、主人公のこの世での最後の日々の様子が明らかになっていくのです。


自分の葬儀をイメージする

 

コロナ前、わたしは「終活」をテーマにした講演をよく依頼されました。わたし自身は、「人生の終(しま)い方の活動」としての「終活」よりも、より前向きな「人生の修(おさ)め方の活動」としての「修活」という言葉を使うようにしています。そんな講演会でよくお話しするのが、「講演を聴いておられるみなさん自身の旅立ちのセレモニー、すなわち葬儀についての具体的な希望をイメージして下さい」ということです。自分の葬儀について考えるなんて、複雑な思いをされる方もいるかもしれません。しかし、自分の葬儀を具体的にイメージすることは、残りの人生を幸せに生きていくうえで絶大な効果を発揮します。「死んだときのことを口にするのは、バチがあたる」と、忌み嫌う人もいます。果たしてそうでしょうか?


想像してみて下さい!


熱心に聴く人びと

 

わたしは自分の葬儀を考えることは、いかに今を生きるかを考えることだと思っています。ぜひ、みなさんもご自分の葬義をイメージしてみていただきたいと思います。そこで、友人や会社の上司や同僚が弔辞を読む場面を想像して下さい。そして、その弔辞の内容を具体的に想像して下さい。そこには、あなたがどのように世のため人のために生きてきたかが克明に述べられているはずです。葬儀に参列してくれる人々の顔ぶれも想像して下さい。そして、みんなが「惜しい人を亡くした」と心から悲しんでくれて、配偶者からは「最高の連れ合いだった。あの世でも夫婦になりたい」といわれ、子どもたちからは「心から尊敬していました」といわれるシーンを頭の中に描いてみて下さい。

葬儀とは「人生の卒業式」である!

 

自分の葬儀の場面とは、「このような人生を歩みたい」というイメージを凝縮して視覚化したものなのです。そんな理想の葬式を実現するためには、残りの人生において、あなたはそのように生きざるをえないのです。わたしは、「死」を「不幸」とは絶対に呼ばないようにしています。なぜなら、そう呼んだ瞬間、わたしは将来必ず不幸になるからです。死は不幸な出来事ではありません。人生を卒業するということであり、葬儀とは「人生の卒業式」です。

ウェルビーイング&コンパッションについて

 

今月、ついにウェルビーイング?』『コンパッション!』の2冊の著書が同時刊行されます。前者のサブタイトルは「故人・企業・社会が求める『幸せ』とは」で、京都大学名誉教授の鎌田東二先生推薦。後者のサブタイトルは「老い・病・死・死別を支える『思いやり』」で、東京大学名誉教授の島薗進先生の推薦となっています。両先生の推薦文はそれぞれの帯に記載されます。まことに光栄なことです。さらには、両書は「日本経済新聞」や「北國新聞」の一面に書籍広告が掲載されることが決定しました。40年前から「ウェルビーイング」を追求し、「コンパッション」に行き着いたわが社の思想や活動が多くの方々のヒントになることを願っています。

ウェルビーイングとは何か?

 

いま、「ウェルビーイング」が時代のキーワードですが、その定義は「健康とは、たんに病気や虚弱でないというだけでなく、身体的にも精神的にも社会的にも良好な状態」というもの。わが社の佐久間進会長はまだ誰も注目していない40年前に、わが社の経営理念として、また社会理念として「ウェルビーイング」を掲げていました。創立20周年のバッジにも、社内報にも「ウェルビーイング!」の文字が踊っています。本当に驚くべきことです。


コンパッションとは何か?

 

いま、「コンパッション都市」という考えが注目されています。老い、病、死、死別を支える「悲しみの共同体」のことで、まさに互助会の究極の目標だと思いました。直訳すれば「思いやり」ということになるでしょうが、「コンパッション」という言葉が内包している大きさは「思いやり」を超えるものでした。キリスト教の「隣人愛」、儒教の「仁」、仏教の「慈悲」など、人類がこれまで心の支えにしてきた思想にも通じます。わたしは当初、「コンパッション」を「ウェルビーイング」を超えるものと位置づけ、『ウェルビーイングからコンパッションへ』という本を書こうと思いました。ところが、「コンパッション」と「ウェルビーイング」は陰と陽というか、お互いが補完し合う関係であることに気がつきました。結果、わたしは2冊の双子本を書いたのです。


「CSHW」のハートフル・サイクルを起こせ!


熱心に聴く人びと

わたしは、「CSHW」というものを提唱しています。Compassion(思いやり)→  Smile(笑顔)→  Happiness(幸せ)→  Well‐being(持続的幸福)のハートフル・サイクルです。このようなハートフル・サイクルが、今後わが社がコンパッション経営によるコンパッション企業になるための具体的施策と考えています。コンパッションは、わが社が提供するケアやサービスに必要不可欠なものです。真の思いやりをもったケアやサービスは、必ずお客様を笑顔にしていきます。そして、笑顔となったお客様は当然、幸せな気持ちになります。同時にお客様を笑顔にすることができた社員自身も幸せを享受することができるのです。


訓示の最後に、道歌を披露しました


盛大な拍手が起こりました

 

幸せの場である婚礼のシーンではもちろん、ご葬儀においても「大切なあの人をきちんとお見送りすることができた」と、笑顔になり、スタッフへ感謝の言葉をかけてくださるご遺族が多くいらっしゃいます。コンパッション・ケア、コンパッション・サービスはお客様にも提供者にも笑顔と幸せを広げていくことができるのです。人は「幸せ」を求め、そのためには「思いやり」が欠かせません。最後に、わたしは「あとは、実行あるのみです。がんばりましょう!」と言ってから、以下の道歌を披露しました。

 

自らの幸せ求め 他人への
   思ひ忘れず 心ゆたかに 庸軒

 

最後に、わたしは「わが社がウェルビーイング経営を実現し、コンパッション企業となるためには、何よりもみなさんの力が必要です。どうか、よろしくお願いいたします!」と述べて、降壇しました。

東専務の話を聴きました


岸事業部長の話を聴きました


青木部長の話を聴きました


山岸支配人の話を聴きました

 

それから、北陸本部長である東専務の挨拶がありました。東専務は「変革」の重要性を訴えました。続いて、昨年から北陸事業部長となった岸事業部長の挨拶がありました。その情熱的なメッセージから、岸事業部長のやる気を強く感じました。その後は、青木部長と山岸支配人が挨拶しました。どれも熱のこもったメッセージでした。


グリーフケア士の表彰を行いました


グリーフケア士と記念撮影

1級ブライダルコーディネート技能士を表彰しました

1級ブライダルコーディネート技能士と記念撮影

 

その後、「グリーフケア士」資格の試験合格者の表彰を行いました。今回は、金沢紫雲閣の松田さんを表彰しました。続いて、「ブライダルコーディネート技能士」一級資格の合格者表彰を行いました。今回は、冠婚事業部の山岸支配人を表彰しました。いつも、人材の素晴らしさがわが社の最大の強みであると思っています。

これが「和のこえwithコロナ」だ!

ガンバロー✖3回


こちらもガンバロー✖3回


がんばって! 期待していますよ!

 

コロナ前は全員で手をつないでの「和のこえ」のはずでしたが、手を腰に当てて「ガンバロー!」と3回唱和するウイズ・コロナ・スタイルとしました。MSセンターの中山所長の音頭で、全員の心が1つになりました。


ステージに1人で取り残されました


西野さんが花束を持って登場


60本の赤バラを受け取りました


西野さんと記念撮影しました

 

和のこえ」が終わったので、とっとと退場しようかと思っていたのですが、司会者が「社長はそそのままステージ上にお残り下さい」とアナウンスするではありませんか。わたしは何が起こったのか理解できず呆然としていると、「ハッピー・バースデー♪」の歌が流れ始めました。「あっ、もしかして、またもやサプライズの還暦祝いでは?」と思ったら、ドンピシャリ! 勤続45年のベテラン営業員の西野さんが60本の赤いバラが入った花束を持って登場。それをわたしに渡してくれました。


みなさんのお祝いの言葉に涙・・・


涙をこらえて感謝の言葉を述べました


予算の達成が本当の還暦祝いです!


ボルサリーノを取って挨拶しました

その後、会場にいた全員から「社長、還暦おめでとうございます!」とお祝いのメッセージを頂戴しました。わたしは胸がいっぱいになって、涙がこみあげてきました。それからスタンドマイクに向かって、矢沢永吉の「時間よとまれ」を歌おうかと思いましたが、それは止めておきました。代わりに感謝の気持ちを述べました。わたしは、「みなさん、本当にありがとうございます。大好きな北陸のみなさんから祝っていただき、感無量です。みなさんのお心、確かに受け止めました。でも、みなさんには予算があります。その予算を完達されて、今年を良い年としていただくことが、わたしにとって最高の還暦祝いです!」と言いました。挨拶を終えると、ボルサリーノを取って、深々と一礼しました。

半田さんが赤いタオルを肩にかけてくれました


「イノキ・ボンバイエ♪」が流れる中を退場


最高の思い出になりました


みなさん、ありがと~!


そして一人で去りぬ


最後は、もちろん一同礼!

 

花束を貰ったわたしが深々と頭を下げていると、営業におけるムードメーカー的存在であるの半田さんが赤いタオルを肩にかけてくれました。その瞬間、昨年亡くなられたアントニオ猪木さんがモハメド・アリから贈られたテーマ曲「イノキ・ボンバイエ!」が大音響で鳴り響きました。猪木さんといえば、「燃える闘魂」の異名で知られました。わたしは、「ああ、今この瞬間、みんなハートに火が着いたな!」と思いました。会場中がバーニング・スピリッツで満たされました。わたしは、「これからも俺は、闘魂の放火魔でありたい」などと思いながら、花束を持って退場したのでした。わたしが去った後、見事な一同礼が行われたことを、わたしは背中で感じました。

 

2023年6月13日 一条真也