5月度総合朝礼

一条真也です。
ゴールデンウィークの最中ですが、1日の午前8時45分から、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールにおいて、サンレー本社の総合朝礼を行いました。ソーシャルディスタンスには最大限の配慮をしています。

5月度総合朝礼前のようす

最初は、もちろん一同礼!

社歌斉唱のようす

還暦マスク姿で登壇しました

 

全員マスク姿で社歌の斉唱は黙唱で行いました。それから社長訓示の時間となり、わたしが赤の不織布マスク姿で登壇しました。まず、わたしは「5月になりました。今月から、ついにコロナが5類に移行されますが、高齢のお客様のお世話をすることも多いわたしたちは、引き続き油断しないように心掛けましょう!」と言いました。それから、「5月10日で、わたしは60歳になります。いよいよ還暦を迎えるわけですが、老いること、そして生きることの意味を考える今日この頃です」と述べました。


今月10日で還暦です!


マスクを外して映画の話をしました

それから、以下のような話をしました。生きるといえば、イギリス映画「生きる LIVING」を観ました。「最期を知り、人生が輝く」というテーマですが、主人公の「生きることなく、人生を終えたくない」という言葉が心に沁みました。第二次世界大戦後のイギリス・ロンドンを舞台に、仕事一筋で生きてきた男性が死期を宣告されたことで、自らの人生を見つめ直す物語です。役所の市民課に勤めるウィリアムズ(ビル・ナイ)は、毎日同じことを繰り返し、仕事に追われる自分の人生にむなしさを感じていました。ある日、医師からがんで余命半年であることを告げられます。最期が近いことを知った彼はこれまでの味気ない人生を見つめ直し、残された日々を大切に過ごして充実した人生にしたいと決意します。


映画「生きる」について話しました


熱心に聴く人びと

 

「生きる LIVING」は、黒澤明監督の不朽の名作「生きる」(1952年)のリメイク作品です。「生きる」の主人公は、市役所の市民課長・渡辺(志村喬)。物語の内容はリメイク版とほぼ同じですが、非人間的な官僚主義を痛烈に批判するとともに、人間が生きることについての哲学をも示した名作でした。オリジナル版もリメイク版も、主人公が亡くなって葬儀が行われます。そして、そこから本当の物語が始まります。葬儀に参列するために集まった人々が故人について語り合う中から、主人公のこの世での最後の日々の様子が明らかになっていくのです。そして、渡辺もウィリアムズも残り時間を自身のために使わず、市民のため、それも未来ある子どもたちのための公園作りに精力的に取り組んだことがわかるのでした。


「終活」から「修活」へ

 

コロナ前、わたしは「終活」をテーマにした講演をよく依頼されました。わたし自身は、「人生の終(しま)い方の活動」としての「終活」よりも、前向きな「人生の修め方の活動」としての「修活」という言葉を使うようにしています。そんな講演会でよくお話しするのが、「講演を聴いておられるみなさん自身の旅立ちのセレモニー、すなわち葬儀についての具体的な希望をイメージして下さい」ということ。 自分の葬儀を具体的にイメージすることは、残りの人生を幸せに生きていくうえで絶大な効果を発揮します。わたしは自分の葬儀を考えることは、いかに今を生きるかを考えることだと思っています。


自分の葬儀を想像しよう!


熱心に聴く人びと

 

自分の葬儀を想像するとき、友人や会社の上司や同僚が弔辞を読む場面、その弔辞の内容を具体的に想像することが大切です。そこには、あなたがどのように世のため人のために生きてきたかが述べられているはずです。葬儀に参列してくれる人々の顔ぶれも想像して下さい。そして、みんなが「惜しい人を亡くした」と心から悲しんでくれて、配偶者からは「最高の連れ合いだった。あの世でも夫婦になりたい」と言われ、子どもたちからは「心から尊敬していました」といわれるシーンを頭の中に描いてみて下さい。自分の葬儀の場面とは、「このような人生を歩みたい」というイメージを凝縮して視覚化したもの。そんな理想の葬式を実現するためには、残りの人生において、あなたはそのように生きざるをえないのです。葬儀とは、その人の生き方の集大成としての「人生の卒業式」なのです。


第一交通の黒土始氏の葬儀について

 

4月17日、タクシー業界最大手、第一交通産業の創業者で相談役の黒土始氏がお亡くなりになられました。大分県中津市のご出身で、101歳でした。故人の訃報に接したわたしは、すぐさま御自宅を訪れ、お参りをさせていただきました。まるで親戚が亡くなったかのような感覚にとらわれ、グリーフを感じました。横たわる故人のお顔を見ながら、手を合わせて「長い間、お疲れ様でございました。ありがとうございました」と申し上げました。19日に通夜式、20日に葬儀・告別式が小倉紫雲閣の大ホールで行われました。大規模改装が先月末に終わったばかりの大ホールの杮落としとなったことに故人とわが社との深い御縁を感じました。

最高の人生の卒業式でした

 

葬儀・告別式は小倉を代表する寺院である広寿山福聚寺ご住職様をはじめ、日本仏教各宗派の13名の僧侶が並びました。これほど多くの導師による葬送の儀はわたしも初めて見ましたが、壮観でした。会葬者は800名を超え、生花は700本以上を数えました。 偉大な生涯を送られた故人の「人生の卒業式」に、まことに相応しく、わたしは感動しながら、「これは日本一の葬儀だ! 最高の人生の卒業式だ!」と思いました。故人は、2022年6月に代表権を返上して取締役を退くまで、60年以上も第一交通産業グループの経営を率いていかれました。そのときの引退記者会見では、「みなさんも、100歳を目標にして下さい!」と訴えられました。こんな凄い人はいません!

最後に道歌を披露しました

 

また、故人は早くから人生を卒業する準備をされていました。葬儀の具体的な打ち合わせも5年前から、わが社と行っていました。こんな方はなかなかおられません。先に「自分のお葬式をイメージすること」の大切さを述べましたが、故人はまさに、将来必ず訪れる最期を覚悟して今の生を輝かせる達人でした。還暦を迎えたわたしは、「100歳を目標に頑張りなさい!」と故人からエールを送られた気がしました。謹んで、御冥福を心よりお祈りいたします。最後に、わたしは「日本一のご葬儀のお世話をさせていただいた誇りを胸に、わたしたちも老い、そして生きていきましょう!」と述べ、以下の道歌を披露しました。

 

還暦を迎へしわれが 百一の
    翁に学ぶ
老いと生き方 庸軒

 

「今月の目標」を唱和

最後は、もちろん一同礼!

 

その後は「今月の目標」を全員で唱和し、最後はもちろん「一同礼」で総合朝礼を終えました。この後は、恒例の北九州本部会議を行います。丸3年間、コロナ禍にもかかわらず、黒字の確保はもちろん、ベストを尽くして走ってきました。コロナ4年目となる今年は、1月から歴代最高記録ラッシュで、ロケットスタートに成功しました。今年も、全社員が全集中の呼吸で全員の力を合わせて、最後まで前向きに走り抜きたいです!

今年も、最後まで走り抜こう!

 

2023年5月1日 一条真也拝