初の民間月着陸が失敗

一条真也です。
26日の午後、沖縄から福岡へ戻りました。
この日、宇宙スタートアップのispace(アイスペース)は、月面着陸船の月への着陸について、「通信の回復が見込まれず、完了が困難と判断した」と発表しました。


日本経済新聞」オンラインより

 

アイスペースの月面着陸船は燃料が尽きて着陸時に機体を減速できずに月面に激しく衝突し、破損した可能性があるそうです。成功すれば民間企業として世界初との期待があった月面着陸は失敗。アイスペースの袴田武史最高経営責任者(CEO)は26日の記者会見で「着陸するまでのデータを取得しているのは非常に大きな達成で、次のミッションに向けた大きな一歩だと考えている」と強調。



着陸船は2022年12月に米スペースXのロケットで打ち上げられ、宇宙空間を4カ月半航行して月に到着した。26日午前0時40分頃、月面から高度約100キロメートルの位置で着陸態勢に入りました。順調に行けば、着陸開始から1時間後の午前1時40分頃に着陸する予定でした。同社が着陸時のデータを分析したところ、着陸船の燃料が切れた他、月面に向かう速度が急速に上昇していました。月面着陸は軟着陸が最大の難関ですが、着陸船が月面に激しく衝突して故障した可能性があります。



それにしても、今から57年前の1966年に米ソが月面着陸を実現し、今から54年前の1969年には米国が「アポロ計画」で初の有人着陸した偉業の凄さを再確認しました。月面着陸を巡っては米国と旧ソ連、中国の3カ国の政府機関が成功した事例はあるものの、民間で成功した事例はありません。2019年にはイスラエルの民間団体やインドの宇宙機関がそれぞれ試みましたが、着陸直前に通信が途絶え、軟着陸に失敗したとされています。



今回の失敗について色々と批判の声もあるようですが、挑戦しない人間が挑戦する人間を批判などできません。アイスペースは24年に2回目、25年に3回目の着陸船の打ち上げを計画。今回の運用で得た知見を2回目以降に生かす考えで、月面への定期輸送サービスによる収益化を将来的に目指すそうです。ぜひ、次回は成功することを期待しています。大の月狂いであるわたしは、民間のロケットによる月旅行が実現する日を楽しみにしています。もうすぐ還暦を迎えますが、生きているうちに月に行きたい!

 

2023年4月26日 一条真也