酒縁

 

一条真也です。
無縁社会」などと呼ばれ、血縁と地縁の希薄化が目立つ昨今です。人間は1人では生きていけません。「無縁社会」を超えて「有縁社会」を再生させるためには、血縁や地縁以外のさまざまな縁を見つけ、育てていく必要があります。そこで注目されるのが趣味に基づく「好縁」です。この中には、ともにお酒を楽しむ「酒縁」があります。


お酒が縁を深めてくれる

 

美味しい食事とお酒は、人との円滑なコミュニケーションに役立ちます。また、冠婚葬祭の中にもお酒はよく出てきます。神前式における御神酒や、披露宴における乾杯、法事などでは故人を偲び献杯することもあります。さまざまなシーンで出てくる「お酒」ですが、いずれも人と人、故人と遺族など、縁をむすぶ、あるいは絆を深めるときに飲まれていることが分かります。


ともに酒を飲む幸せ!

 

1年の締めくくりや新年の始まり、仲間同士や会社の歓迎会や送別会、男女の出会いの場として合コンなどでも、お酒を飲むことが多いでしょう。これらも人と人をつなぎ、絆を深めたり、縁をむすんだりするものです。このようにお酒は私たちを心ゆたかにしてくれる有縁のためのツールでもあるのです。また、「酒は百薬の長」などともいわれますが、適量のお酒には、精神的な緊張をほぐしてストレスを軽減したり、血行が良くなったり、食欲の増進など様々な効果があります。一方で、「酒は百薬の長。されど万病の元」という言葉もあります。大量の飲酒をすると急性アルコール中毒や様々な臓器障害の危険性もあります。


論語とお酒」を大切に!

 

わたしが尊敬する孔子は『論語』において、「唯酒無量、不及乱」と説かれています。「酒を飲む量には決まりはないが、酔っ払って乱れるまでは飲むな」という意味です。まさにその通りだと思います。ニュースを見ると時折、酒に酔った輩が暴れたり、暴力を振るったりと酒に飲まれてしまっている人が見受けられます。そういう人にはぜひ『論語』を読んで、君子になっていただきたいものです。新型コロナウイルスの新規感染者もずいぶん減少してきたこともあり、これまで自粛されていた飲み会が増えてくることと思います。そこには新たな出会いや、新たな絆が生まれてくることでしょう。「お酒」というツールと適切に付き合い、「酒縁」を広げて、有縁社会が広がっていけば何よりです。では、盃を掲げてカンパイ!!

 

2023年4月5日 一条真也