1ヵ月遅れの振り袖姿

一条真也です。
Happy Valentine!
バレンタインデーの14日の朝、「西日本新聞」に心温まる記事が掲載されました。わが社の松柏園ホテルに関連する記事ですが、読んだわたしは非常に感動しました。ブログ「優しさの上書き」で紹介したフジテレビ系TNC「報道ワイド 記者のチカラ」に続いて、連日の報道です。


西日本新聞」2023年2月14日朝刊

 

記事は、「1ヵ月遅れの振り袖姿」「『二十歳の式典』で墨汁被害」の見出しです。「小倉南の女性 祖母に見せる夢かなう」として、「小倉北区で1月8日に開かれた『二十歳の記念式典』会場周辺で、複数の女性が振り袖に墨汁のような液体をかけられた事件で、被害に遭った小倉南区の女性(20)が12日、別の振り袖を借りて市内のホテルで写真撮影した。式典当日に振り袖を貸したホテルが着付けとセットで無償提供した。約1カ月遅れとなった女性の晴れ姿を、家族は涙を浮かべて祝った(上田泰成)」というリード文が書かれています。

TNC「報道ワイド 記者のチカラ」より

 

リード文に続いて、「貸したホテル 無償で撮影」として、「『きれい』。女性の振り袖姿を見た母親(46)は涙ぐんだ。白と緑を基調に松や桜の花などの柄があしらわれた着物を身に着けた女性。『式典できた振り袖と、この振り袖のどちらにするか迷っていたんです』。鏡に写った姿を見つめ『いろんな方に協力してもらい、気持ちを新たにまた着ることができた。感謝の気持ちでいっぱい』と話した。撮影会は小倉北区の『松柏園ホテル』の粋な計らいで開かれた。ホテルは『被害に遭った女性に落ち度はない』と液体が付いた振り袖のクリーニング代を全額負担。さらに別の振り袖の着付けと写真撮影を無償で申し出た。ホテル内の庭園で、夫(24)と6カ月の娘など家族に見守られながら撮影に臨む女性を、温かな空気が包んだ」


TNC「報道ワイド 記者のチカラ」より

 

また、記事には「女性によると式典当日、会場には入らず友人と記念撮影するなどして過ごした。友人と別れたモノレールで帰ろうと切符を購入する際、黒いしみに気づいたという。液体は腰付近に多く付着し、流れ落ちて足袋まで汚れていた。祖母(83)に振り袖姿を見てもらう予定だったが、急きょ取りやめた。自宅の最寄り駅まで迎えに行った夫は『妻の表情は暗かった。なんでこんなことをするのかと怒りがこみ上げた』と当時を振り返る。撮影を終えた女性は祖母宅に向かった。『本当に良かったね。きれいだよ』。祖母は涙を流し孫の手を握った。女性は『大好きなおばあちゃんに一番、振り袖姿を見せたかった。夢がかなえられて良かった』と晴れやかな笑顔を見せた。小倉北署は、若松区の女性(20)の振り袖に墨汁のような液体をかけた器物損壊の疑いで1月24日に逮捕した同区の会社員の男(33)を、別の女性の振り袖にも液体をかけたとして14日にも再逮捕する方針。捜査関係者などによると、当初、容疑を否認していたが、現在は『振り袖に興味があった』など容疑を認める供述をしているという」


ハートフル・ソサエティ』(三五館)

 

この記事にあるお嬢様の写真撮影が行われている一昨日、1つの出来事が起こっていました。昨日、松柏園ホテルの井口総支配人からのLINEがわたしに届きましたが、内容は「お疲れ様でございます。昨日はご本人・ご家族様本当に嬉しそうな笑顔で、幸せそうでした。スタッフも幸せを分けて頂きました。皆様、当ホテル・許可を頂いた社長へとても感謝されていました。そしてもう1つご報告がございます。昨日撮影されている所に、新規のお客様(親御様)が墨汁事件をみて、ここで子供の婚礼をお願いしたいと予約して下さいました。幸せの連鎖です。松柏園はお客様に寄り添いこれからも取り組んで参ります」というものでした。わたしは、これを読んで本当に感動しました。今回の松柏園のコンパッション対応について「優しさの上書き」という素敵な言葉を各方面から頂戴しましたが、その「優しさの上書き」が「幸せの連鎖」を起したからです。2005年、わたしは『ハートフル・ソサエティ』(三五館)を書きましたが、ハートフル・ソサエティを呼び込むには「幸せの連鎖」が必要であると訴えました。

心ゆたかな社会』(現代書林)

 

ハートフル・ソサエティ』のアップデート版が『心ゆたかな社会』(現代書林)ですが、そこでも「幸せの連鎖」の重要性を説きました。まさに、心ゆたかな社会=ハートフル・ソサエティを呼び込むには、幸せの連鎖が必要なのです。経営学用語に「PDCA」というものがあります。Plan(計画)→ Do(実行)→  Check(評価)→  Act(改善)という意味です。わたしたち サンレーグループは、「CSHW」を提供したいと願います。それは、Compassion(思いやり)→  Smile(笑顔)→  Happiness(幸せ)→  Well‐being(持続的幸福)のハートフル・サイクルです。今回の一連の出来事は、長年想い続けてきたハートフル・サイクルがついに起動した実感があります。「心ゆたかな社会」が実現するその日まで、これからも頑張ります!

 

2023年2月14日 一条真也