死を乗り越える与謝野晶子の言葉

 

人は刹那に生きると共に
永遠にも生きる。

与謝野晶子

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、日本の歌人、作家、思想家である与謝野晶子(1878年~1913年)の言葉です。



「あゝをとうとよ、君を泣く、君死にたまふことなかれ。」これは、与謝野晶子実弟の出征に際し送った言葉です。戦中にあってこの発言は婦女子としても許されることはなかったはずです。けれども、彼女はあえて、心の中の想いを言葉にしました。



ここで紹介した言葉もなんと力強いものでしょう。人生は時間に縛られることはないのだという彼女の強いメッセージを感じます。彼女の夫は与謝野鉄幹です。子だくさんだったこともあって、鉄幹が大学教授の職につくまで、家計を支えていたといいます。来る仕事はすべて引き受け、歌集の原稿料を前払いしてもらっていたこともあったとか。



主婦であり、母であり、しかも歌人。多忙なやりくりの間も、即興短歌の会を女たちとともに開いたりと精力的に活動しています。遺した歌は五万首にも及びます。冒頭に紹介した歌と同じように、この言葉もまた永遠に残るものとなりました。なお、この与謝野晶子の言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2022年7月12日 一条真也