開会式前日の解任劇

一条真也です。
東京五輪の開幕まであと1日となった22日、東京の感染者数は1979人でした。開会式が行われる23日は確実に2000人を超えることが予想されています。

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ヤフーニュースより

 

そんな中、信じられないような超弩級のバッド・ニュースが飛び込んできました。翌日の開会式でショー・ディレクターを務める元お笑い芸人の小林賢太郎氏が解任されたのです。小林氏は、過去にユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)をコントの題材にしていたとみられる動画が拡散し、SNSで批判されていました。動画は、小林氏のお笑いコンビ「ラーメンズ」時代のコントで、小林氏が「あのユダヤ人大量惨殺ごっこやろうって言った時のな」と発言しています。「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」とは!

f:id:shins2m:20210722170750j:plainヤフーニュースより

 

わたしは、解任前にこのニュースを知りましたが、「これは完全にアウトだな!」と思いました。何と言っても、ホロコーストを揶揄するのは国際社会で最大のタブーであり、平和の祭典としての五輪にとって最も踏んではならない地雷だからです。これはもうメガトン級の地雷と言っても過言ではありません。五輪憲章はあらゆる差別を禁止しており、東京五輪も大会ビジョンの1つに「多様性と調和」を掲げています。この「多様性と調和」というビジョンに対して、森喜朗氏の女性蔑視発言、佐々木宏氏の容姿侮蔑演出企画、小山田圭吾氏の過去の「いじめ自慢」、そして今回の小林賢太郎氏のホロコースト揶揄・・・・・・すべて完全に違反しています。オールアウト!

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ヤフーニュースより 

 

東京都内で記者会見した組織委員会橋本聖子会長は「開会式が目前に迫る中、このような事態になり、多くの関係者、国民、都民の皆様にご心配をお掛けしたことを深くおわび申し上げる」と謝罪しました。組織委員会ももちろん悪いですが、小山田氏や小林氏を選出したであろう大手広告代理店の責任も大きいと言えます。オリンピックという最大級のイベントに限らず、こんなにもトラブル続きのイベントが過去に存在したでしょうか。いや、おそらくは前代未聞であり、史上初だと思います。まことにスリリングであり、変な意味でワクワクドキドキいたします。

f:id:shins2m:20210722170657j:plain東スポニュースより 

 

小山田氏の辞任や小林氏の解任には大きな衝撃が走りましたが、そこまでのインパクトはないにしろ、東京オリンピックパラリンピックに関連した文化プログラム「東京2020NIPPONフェスティバル」への出演が決定していた絵本作家・のぶみ氏が20日、出演を辞退しています。のぶみ氏の参加をめぐっては、ツイッター上で自伝の内容が大炎上。学生時代に黒板消しのクリーナーの後ろに3か月間隠して腐った牛乳を教師に飲ませたことなどが記されており、ツイッタートレンド入りしていました。

 

 

のぶみ氏は、ブログ『ママがおばけになっちゃった!』ブログ『さよなら、ママがおばけになっちゃった!』で紹介した絵本がシリーズ累計販売部数が50万部を突破して一躍有名となりました。一方で、母の死をテーマとした内容が「子供には過激すぎるのでは」という批判の声も噴出しています。わたしは、この絵本は「子どもに読ませる絵本としては」、失敗作だと思います。それは「おばけ」になる人がママだというのが最大の原因です。詳しいことは、両ブログ記事をお読み下さい。いずれにせよ、開会式前日の電撃解任劇で、東京五輪は史上例を見ないほどの最悪のスタートを切ることになりました。現場は大混乱で大変だと思いますが、悪いことは言いませんから、今からでも中止にしてはいかがでしょうか? 

 

2021年7月22日 一条真也