2月度総合朝礼

一条真也です。2月になりました。
ついこの前、新年を迎えたばかりだったのに、時間の流れは速いものです。1日の朝、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールで、サンレー本社の総合朝礼を行いました。もちろん、ソーシャルディスタンスには最大限の配慮をしています。

f:id:shins2m:20210201115027j:plain最初は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20210201084709j:plain社歌斉唱のようす

f:id:shins2m:20210201115141j:plain鬼滅マスク姿で登壇しました

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鬼滅マスクを取りました

 

全員マスク姿で社歌の斉唱および経営理念の唱和は小声で行いました。それから社長訓示の時間となり、わたしが鬼滅マスク姿で登壇しました。わたしは、まず、「日本各地に緊急事態宣言が発令されていますが、先月は各事業部において新年祝賀式典を行いました。責任者のみなさんからは、力強い決意表明を受け取りました」と言いました。

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社長訓示のようす



それから、わたしは以下のような内容の社長訓示を行いました。新しいNHK大河ドラマ「青天を衝け」が2月14日から始まります。主人公は新1万円札の顔になる渋沢栄一です。渋沢栄一は、約500の企業を育て、約600の社会公共事業に関わった「日本資本主義の父」として知られています。晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に二度も選ばれています。その彼が生涯、座右の書として愛読したのが『論語』でした。

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渋沢栄一について語りました

 

渋沢栄一の思想は、有名な「論語と算盤」という一言に集約されます。それは「道徳と経済の合一」であり、「義と利の両全」です。結局、めざすところは「人間尊重」そのものであり、人間のための経済、人間のための社会を求め続けた人生でした。第一国立銀行(現在の東京みずほ銀行)を起こしたのをはじめ、日本興業銀行東京銀行(現在の東京三菱)、東京電力東京ガス王子製紙、石川島造船所、東京海上火災東洋紡清水建設麒麟ビール、アサヒビールサッポロビール、帝国ホテル、帝国劇場、東京商工会議所東京証券取引所聖路加国際病院日本赤十字病院、一橋大学日本女子大学東京女学館など、おびただしい数の事業の創立に関わりました。

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熱心に聴く人びと

 

渋沢は、「自分さえ儲かればよい」とする欧米の資本主義の欠陥を見抜いていました。ですから、彼は「社会と調和する健全な資本主義社会をつくる」ことをめざしますが、その拠り所を『論語』に求めました。それは、彼が会社を経営する上で最も必要なのは、倫理上の規範であると知っていたからです。渋沢の思想は、有名な「論語と算盤」という一言に集約されます。それは「道徳と経済の合一」であり、「義と利の両全」です。結局、めざすところは「人間尊重」そのものであり、人間のための経済、人間のための社会を求め続けた人生でした。

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論語と算盤」について

論語 (岩波文庫)

論語 (岩波文庫)

 

 

 『論語』はわたしの座右の書でもありますが、その真価を最も理解した日本人が3人いると思っています。聖徳太子徳川家康渋沢栄一です。聖徳太子は「十七条憲法」や「冠位十二階」に儒教の価値観を入れることによって、日本国の「かたち」を作りました。徳川家康儒教の「敬老」思想を取り入れることによって、徳川幕府に強固な持続性を与えました。そして、渋沢栄一は日本主義の精神として『論語』を基本としたのです。

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論語』の真価を理解した3人とは?

論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

  • 作者:渋沢 栄一
  • 発売日: 2008/10/24
  • メディア: 文庫
 

 

聖徳太子といえば日本そのものを作った人、徳川家康といえば日本史上における政治の最大の成功者、そして渋沢栄一は日本史上における経済の最高の成功者と言えます。この偉大な3人がいずれも『論語』を重要視していたということは、『論語』こそは最高最大の成功への指南書であることがわかります。渋沢には、『論語』の言葉を題材に、自身の経験や思想を縦横無尽に語った『論語と算盤』という著書がありますが、日本人が書いた最高の『論語』入門書だと言えます。

f:id:shins2m:20210201085313j:plain熱心に聴く人びと

マネジメント[エッセンシャル版]
 

 

わたしがリスペクトする経営学ピーター・ドラッカーは、著書『マネジメント』上田惇生訳(ダイヤモンド社)で渋沢栄一に言及し、「率直に言って私は、経営の『社会的責任』について論じた歴史的人物のなかで、かの偉大な明治を築いた偉大な人物の一人である渋沢栄一の右に出るものを知らない。彼は世界の誰よりも早く、経営の本質は『責任』に他ならないということを見抜いていたのである」と絶賛しました。

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利の元は義にあり!

 

そう、「利の元は義」です。自分の仕事に対する社会的責任を感じ、社会的必要性を信じることができれば、あとはどうやってその仕事を効率的にやるかを考え、利益を出せばよい。「論語と算盤」とは、ハートフル・マネジメントを言い換えたものなのです。ドラッカー渋沢栄一をこよなくリスペクトするのも当然だと言えるでしょう。そして、渋沢自身は孔子をこよなく尊敬していました。わたしの著書に『孔子とドラッカー新装版』(三五館)という本がありますが、渋沢栄一こそは、まさに孔子ドラッカーをつなぐ偉大なミッシング・リンクでした。

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訓示の終わりに道歌を披露しました 

 

もちろん、わたしも渋沢の言うように「利の元は義」であると確信しています。そして、「利の元は義」こそは、わがサンレーの目指す「天下布礼」の志を支える思想であると思っています。最後に、「みなさんも、ぜひ、『青天を衝け』を観て、渋沢栄一の人生と業績について知って下さい。また、『論語と算盤』読んで、『利の元は義』ということを学んで下さい」と述べてから、以下の道歌を披露しました。

 

利の元は義にあることを知りたれば

    天下布礼の道は開けり  

 

f:id:shins2m:20210201090309j:plain「今月の目標」を唱和

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最後は、もちろん一同礼!

 

総合朝礼の終了後は、大会議室で北九州本部会議を開催します。コロナ時代にあっても未来を拓くための有意義な会議にしたいと思います。昨年はなんとかコロナイヤーを黒字で乗り切りましたが、コロナ2年目となる今年は正念場を迎えます。全社員が全集中の呼吸で全員の力を合わせて最後まで走り抜きたいです。明日は「節分祭withコロナ」を行います。コロナ禍だからこそ、年中行事をきちんと行わないと!

 

2021年2月1日 一条真也拝