人間にとっては三つの事柄しか存在しない。生まれること、生きること、そして死ぬことである。生まれる時は感じない、死ぬときは苦しむ、そして生きている時は忘れている。(ラ・ブリュイエール)
一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、ラ・ブリュイエール(1645年~1696年)の言葉です。17世紀に活躍したフランスの哲学者、モラリストです。
写真家で作家の藤原新也氏に『メメント・モリ』という本があります。タイトルは、ラテン語で「死を想え」という意味です。天国のような場所えお撮影した美しい写真で、死を想いながら生きていくことの大切さを教えてくれる名著だと思います。
死というのは常に人生のゴールなのですが、人々はどこかそれを忘れています。たとえば、人生最後の食事だと思えば、ありがたさを実感できるはずです。人生最後の花見だと思うだけで、その美しさはきっと違って見えるでしょう。もうこの人に会えないと思えば、その時間はかけがえのないものとなります。
死を意識することは、別に刹那的になれという意味ではありません。今、生きている時間を大切にしよう、かみしめようということです。「生きている時は忘れている」という言葉の重さを感じてします。忘れることもまた、人間の素晴らしさのひとつですから・・・・・・。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。
2021年1月17日 一条真也拝