隣人祭り・秋の観月会

一条真也です。
11日(金)の夜、北九州市八幡西区折尾のサンレーグランドホテルで、毎年恒例のイベントが盛大に開催されました。そうです、「隣人祭り・秋の観月会」です。おかげさまで、今年も300名を超える多くの方々が月見を楽しみました。

f:id:shins2m:20191011170255j:plainサンレーグランドホテルの前で

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今年も始まります!

 「無縁社会」という言葉が時代のキーワードになって久しいですね。わたしたちは無縁社会にどう向き合えばよいのか。さらに言うなら、どうすれば無縁社会を乗り越えられるのか。わたしは、その最大の方策の1つが「隣人祭り」であると思います。それは、地域の隣人たちが食べ物や飲み物を持ち寄って集い、食事をしながら語り合うことです。都会に暮らす隣人たちが年に数回、顔を合わせます。

f:id:shins2m:20191011180906j:plain隣人祭り・秋の観月会」の受付で

f:id:shins2m:20191011170421j:plain一条本新刊コーナー

 

隣人祭りのキーワードは「助け合い」や「相互扶助」です。ならば、多くの人は日本に存在する某組織のことを思い浮かべるのではないでしょうか。そう、互助会です。正しくは、冠婚葬祭互助会といいます。「互助」とは「相互扶助」を略したものなのです。わたしはフランスを中心にヨーロッパで起こった隣人祭りと日本の互助会の精神は非常に似ていると思っています。サンレーはまさに互助会です。

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今年のキャンドル・アート 

 

無縁社会」が叫ばれ、生涯非婚に孤独死や無縁死などが問題となる中、冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなると思っています。いまや全国で2000万人を超える互助会員のほとんどは高齢者であり、やはり孤独死をなくすことが互助会の大きなテーマとなっているのです。早速、互助会のわが社では、2008年10月15日にサンレーグランドホテルにおいて開催された隣人祭りのサポートをさせていただきました。サンレーグランドホテルの恒例行事である「秋の観月会」とタイアップして行われたのですが、これが九州では最初の隣人祭りとなりました。日本の政令指定都市の中では最も高齢化が進行し、孤独死も増えていた北九州市での隣人祭り開催とあって、マスコミの取材もたくさん受け、予想以上の大きな話題となりました。

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隣人祭り」のようす
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観月会のようす
 

その後も、わが社はNPO法人ハートウエル21と連動し、隣人祭り日本支部公認のオーソドックスな「隣人祭り」の他、わが社オリジナルの「隣人むすび祭り」のお手伝いを各地で行っています。その後、年々回数を増やし、今年も700回以上の開催を予定しています。「隣人祭り」と「隣人むすび祭り」などを合わせれば、わが社は日本で地域の隣人が集う「隣人交流イベント」あるいは「地縁再生イベント」の開催を最もサポートしている組織だと思います。いや、世界でも5本の指に入るのではないでしょうか。

f:id:shins2m:20191011182157j:plain今宵の月が上りました

 

本家のフランスをはじめ、欧米諸国の隣人祭りは地域住民がパンやワインなどを持ち寄る食事会ですが、そのままでは日本に定着させるのは難しいと考え、わが社がサポートする「隣人交流イベント」では、季節の年中行事などを取り入れています。たとえば、花見を取り入れた「隣人さくら祭り」、雛祭りを取り入れた「隣人ひな祭り」、節分を取り入れた「隣人節分祭り」、七夕を取り入れた「隣人たなばた祭り」、秋の月見を取り入れた「隣人祭り 秋の観月会」、クリスマスを取り入れた「隣人クリスマス祭り」といった具合です。おかげさまで、大変好評を得ています。

f:id:shins2m:20191011180327j:plain隣人祭り」はサンレーの代名詞になりました

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隣人祭り」のようす


今宵の月は厚い雲に隠れており、ヒヤヒヤしました。
日本には「月見」の文化があります。日本人は月が好きです。日本文化を考えるうえでのキーワードは「自然」ですが、松尾芭蕉は、自然を「造化(ぞうか)」と呼びました。「造」はつくりだすこと、「化」は形を変えることです。英語の「ネイチュア」と見事に一致していますね。すなわち、ネイチュアとは、物ではなく運動なのです。そして日本の自然において、「雪月花(せつげつか)」がそのシンボルとなります。つまり、雪は季節の移り変わり、時間の流れを表わし、月は宇宙、空間の広がりを表わします。花は時空にしたがって表われる、さまざまな現象そのもののシンボルといえるでしょう。

f:id:shins2m:20191011181247j:plain月は上空へ移動しました

 

「造化」の三大要素の1つが「月」である意味はとても大きいと思います。日本では、明治の初めまで暦は中国にならって太陰暦を使っていました。いうまでもなく、太陰暦というのは月を基本にした暦であり、農耕のプランもそれによって決められていました。当然、日本人の生活全体にわたって月が深く関わってきたことがわかります。今夜、見事な月を見上げながら、わたしは古代日本人たちの「こころ」を、まるでテレパシーのように感じたような気がしました。

f:id:shins2m:20191011191234j:plainフラダンスショーが行われました

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フラには月がよく似合う

 

この日も、フラダンンスショーが行われました。総合芸術であると同時に宗教的な行為でもあるハワイの伝統的な歌舞音曲「フラ」の魅力を堪能しました。月あかりの下で繰り広げられるフラダンスは、まるで天女の舞のようでした。

f:id:shins2m:20191011194047j:plain比嘉いつき君のソプラノステージ

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月下に響き渡るソプラノ


それから、今年6月にCDデビューした小学4年生の比嘉いつき君のソプラノステージがありました。天才ソプラノ少年として話題の比嘉君は、「マイ・ウェイ」「千の風になって」「愛の讃歌」などを月下で歌い上げました。この夜は、多くの方々が月を愛でる「隣人祭り・秋の観月会」となりました。そして、いよいよ「月への送魂」が行われます。

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2019年10月12日 一条真也