飛騨古川町  

一条真也です。
サンレー北陸の社員旅行に参加しています。5日、ブログ「宇津江四十八滝」で紹介した県立自然公園を後にしたわたしたちは、「山腰楼」という老舗料亭で地元食材を使った和定食をいただきました。鮎の塩焼きと甘露煮が大変美味しく、ビールも旨かったです。昼間から堂々と酒が飲めるところが社員旅行の良いところですね。

f:id:shins2m:20190905122835j:plain昼食会場となった「山腰楼」の前で

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地元食材を使った和定食

f:id:shins2m:20190905115358j:plain昼間のビールが嬉しい!

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カンパ~イ!

 

昼食を終えたわたしたちは、飛騨市古川町を散策しました。古川町とは、かつて岐阜県吉城郡にあった町です。2004年(平成16年)2月1日に周辺町村と合併して飛騨市の一部となりました。旧町役場を飛騨市の市役所に使用しています。古川町といえば、ブログ「君の名は。」で紹介したアニメ映画の舞台として有名ですね。「君の名は。」は、1000年に1度のすい星の来訪が迫る日本で、山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉と東京在住の男子高校生・瀧がお互いに相手のことを夢に見て、やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくというファンタジーです。この大ヒットアニメ映画の多くのファンが、舞台となった現地を訪れ、古川町は「聖地」と呼ばれました。

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飛騨古川駅の前で

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飛騨古川駅で

 

東洋経済ONLINE」の記事「『君の名は。』の聖地が進める『君の名は。』離れ」では、「飛騨市古川町聖地巡礼ブームのその後」として、ジャーナリストの小倉正男氏が以下のように書いています。
岐阜県の北の端にある飛騨市古川町。白壁土蔵と鯉の泳ぐ瀬戸川の町として知られる。昔からの静かな町並みで、年配者たちが訪れて散策するといった、通好みの観光地だった。これが劇的に変わったのが、2016年8月に公開された長編アニメ映画『君の名は。』(新海誠監督)の爆発的なヒットからである」

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古川駅のようす

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古川駅にて

 

続けて、小倉氏は以下のように述べています。
「映画の主要な舞台は、糸守町。架空の土地だが、そのモデルとなったのが古川町にほかならない。高山本線・飛騨古川駅の線路、駅前のタクシー乗り場、図書館、大きな鳥居と参道・神社、神社から眺める平野と町並み、バス停。そのただずまいのすべてが、『君の名は。』で描かれている風景そのものである。古川町は突然、『君の名は。』の公開とともにその聖地となった」

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古川駅前にて

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古川町にて

f:id:shins2m:20190905124802j:plain古川町にて

f:id:shins2m:20190905124808j:plain古川町にて

 

飛騨市商工観光部の北村和弘観光課長は、「観光客がガーンと増えた。観光客数のデータが上昇した。特に若い女性が動いた。古川町は何も変わっていない。土産物屋も増えていない。しかし、聖地巡礼ブームの経済効果は大きかった」と語っています。飛騨市は2004年、古川町、河合村、宮川村、神岡町の2町2村が合併して誕生しました。2016年、市全体の観光客数は100万5881人(前年比3.6%増)でした。古川町だけでみると58万4730人(同11.4%増)に跳ね上がったそうです。「君の名は。」の封切りは8月末でしたが、その年の冬にはすでに聖地巡礼がスタートしていたのです。

f:id:shins2m:20190905124147j:plain「飛騨の匠文化館」の前で

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「飛騨古川まつり会館」にて

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「まつり」と聞くと、血が騒ぐ!

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太鼓を叩きました♪

 

2017年には飛騨市全体で113万852人(同12.4%増)となり、古川町だけで70万588人(同19.8%増)となりました。とりわけ、古川町の白壁土蔵の古い町並みと鯉が泳ぐ瀬戸川には約38万6000人(同42.4%増)が押しかけたそうです。しかし、ブームは突然に来て、突然に去っていくもの。2018年になると聖地巡礼ブームは徐々に一巡状態になっていきました。

f:id:shins2m:20190905130154j:plain古川町にて

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古川町にて

 

ブーム一巡には、豪雨の直撃も関係していました。2018年6月末に西日本豪雨災害が起こり、土砂崩れで高山本線の飛騨古川―富山間が長期の運休を余儀なくされたのです。インバウンドの外国人旅行客の多くが利用していた「特急ワイドビューひだ」も同区間が運休となりました。北陸新幹線で富山から入ってくる旅行客が途絶したわけで、古川町には大きな痛手になりました。

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人通りは少なかったです

f:id:shins2m:20190905125733j:plain宿の名は。

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エプロン屋さんがありました

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昭和の香りのするビューティサロン

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スナック「みちくさ」

f:id:shins2m:20190905134426j:plain喫茶「あかね」に入りました

f:id:shins2m:20190905131518j:plainアイスコーヒーを飲みました


小倉氏は、「ブームは必ず去る。『君の名は。』という巨大なブームにすら依存することはできない。そうした最も厳しい想定に立って考える。飛騨市古川町聖地巡礼ブームに沸いたが、今やっているのは『君の名は。』離れということになる」と述べています。古川町を後にしたわたしたちは、下呂温泉に向かい、水明館臨川閣に投宿しました。この後は、お待ちかねの宴会です!

 

2019年9月5日 一条真也