「修活クラブ」としての互助会

一条真也です。
18日、ブログ「『隣人祭り』のある街」で紹介したように、「西日本新聞」朝刊に月2回連載しているコラムが掲載されました。この日は、早朝から松柏園ホテルの神殿で月次祭が行われました。

f:id:shins2m:20190618080537j:plain月次祭のようす

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今日は祭主を務めました

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拝礼しました

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一同礼!

 

皇産霊神社の瀬津神職が神事を執り行って下さいました。いつもはサンレーグループ佐久間進会長が祭主を務めるのですが、今日は不在でしたので、わたしが祭主を務め、玉串奉奠を行いました。わたしは、社業の発展と社員のみなさんの健康を祈願しました。

f:id:shins2m:20190618083111j:plain天道塾のようす

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わたしが登壇しました

 

神事の後は、恒例の「天道塾」を開催しました。いつもは佐久間会長が最初に登壇するのですが、この日はわたしが最初に登壇して、講話を行いました。わたしはまずブログ「サンクスフェスタ八幡」で紹介したイベントの総括を行い、それからブログ「北九州市災害時支援協定調印式&記者会見」で紹介した北九州市と株式会社サンレーの間で締結した「災害時における施設の使用に関する協定」について話しました。

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災害協定について話しました

 

これは、地震津波や台風や大雨などの災害時に予定避難所として北九州市が紫雲閣の施設を使用するという協定の調印式です。出席者紹介、協定概要説明、協定締結(署名)、記念写真撮影が行われた後、わたしはサンレー社長として次のように挨拶しました。
「弊社は昭和41年にこの北九州市で創業し、以来52年間冠婚葬祭互助会の事業を展開しております。『人間尊重』を経営理念とし、地域の皆様のお役に立てること、そして必要とされる会社となることを目指し精進してまいりましたが、わが社のミッションに基づいたこの協定の締結で、大きな目標に一歩近づくことができ、大変嬉しく思っております。今回の締結の経緯といたしましては『小倉紫雲閣』と『北九州紫雲閣』の2施設を災害時の予定避難所として提供させていただくことで、より地域の皆様が安心していただけるのではないかと考え、北九州市様にご相談させていただいたところ、ご尽力頂き締結の日を迎えることができました。今回の協定により、さらに地域に密着したかたちで地域の皆様と密接な関係が築けていけるものと思っております」

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互助会から互助社会へ!

 

北九州市の市民のみなさまのために、サンレーは全社をあげてお役に立ちたいと考えています。紫雲閣は全館バリアフリーで駐車場も完備しているため乳幼児や高齢者・身体が不自由な方でも安心して使用できる施設です。これまで避難所に行くことをためらっていた方に大規模な災害時に限らず、毎年起こりうる大雨や台風の際にも予定避難所として避難者を受け入れ安心を提供させていただきたいとの思いで今回の協定締結となりました。この協定により新たなコミュニティセンターとしての大きな役割を果たすことができ、そして地域に無くてはならない施設としてこれからも地域に貢献させていただきたいと願っています。拙著『ハートフル・ソサエティ』や『隣人の時代』(ともに三五館)などで訴えてきた互助社会の実現を目指したいです。

f:id:shins2m:20190618084428j:plain「修活クラブ」とは何か

 

続いて、わたしはパワーポイントを使って「人生の修め方」についての講話を行いました。今後の互助会は巨大な「修活クラブ」となります。そのコンセプトを理解してもらうための内容を用意しました。また、今月末には『修活読本』(現代書林)という監修書を上梓するので、そのエッセンスを話しました。冒頭、わたしは「アンチエイジング」という言葉についての異論を唱えました。これは「『老い』を否定する考え方ですが、これは良くありませんね」と述べました。

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ウルマンの「青春」について

 

そして、わたしは「老いと死があってこそ人生!」という話をしました。サミュエル・ウルマンの「青春」という詩がありますが、その根底には「青春」「若さ」にこそ価値があり、老いていくことは人生の敗北者であるといった考え方がうかがえます。おそらく「若さ」と「老い」が二元的に対立するものであるという見方に問題があるのでしょう。「若さ」と「老い」は対立するものではなく、またそれぞれ独立したひとつの現象でもなく、人生というフレームの中でとらえる必要があります。

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「人生の五計」について

 

理想の人生を過ごすということでは、南宋の朱新仲が「人生の五計」を説きました。それは「生計」「身計」「家計」「老計」「死計」の5つのライフプランです。朱新仲は見識のある官吏でしたが、南宋の宰相であった秦檜に憎まれて辺地に流され、その地で悠々と自然を愛し、その地の人々に深く慕われながら人生を送ったといいます。そのときに人間として生きるための人生のグランドデザインとでも呼ぶべき「人生の五計」について考えたのでした。

f:id:shins2m:20190618084932j:plain老年期は実りの秋である!

 

それから、「老年期は実りの秋である!」という話をしました。今年の夏は本当に暑かったですね。わたしはもうすぐ56歳になりますが、若い頃と違って暑さが体にこたえます。昔は夏が好きだったのですが、今では嫌いになりました。四季の中では、秋が好きです。古代中国の思想では人生を四季にたとえ、五行説による色がそれぞれ与えられていました。すなわち、「玄冬」「青春」「朱夏」「白秋」です。

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人は老いるほど豊かになる 

 

こうして歴史をひもといていくと、人類は「いかに老いを豊かにするか」ということを考えてきたといえます。「老後を豊かにし、充実した時間のなかで死を迎える」ということに、人類はその英知を結集してきたわけです。人生100年時代を迎え、超高齢化社会現代日本は、人類の目標とでもいうべき「豊かな老後」の実現を目指す先進国になることができるはず。その一員として、実りある人生を考えていきたいものです。

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「終活」から「修活」へ!

 

世の中は大変な「終活ブーム」ですが、「終活」という言葉に違和感を抱いている方が多いようです。特に「終」の字が気に入らないという方に何人もお会いしました。もともと「終活」という言葉は就職活動を意味する「就活」をもじったもので、「終末活動」の略語だとされています。ならば、わたしも「終末」という言葉には違和感を覚えてしまいます。死は終わりなどではなく、「命には続きがある」と信じているからです。

f:id:shins2m:20190618092428j:plain死を穏やかに迎えられる死生観を!

 

わたしは「終末」の代わりに「修生」、「終活」の代わりに「修活」という言葉を提唱しています。「修生」とは文字通り、「人生を修める」という意味です。そして、人生を修めるための活動が「修活」です。究極の「修活」とは死生観を確立することではないでしょうか。死なない人はいませんし、死は万人に訪れるものですから、死の不安を乗り越え、死を穏やかに迎えられる死生観を持つことが大事だと思います。以上のような話を1時間にわたって行いました。

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互助会を修活クラブに!

 

「天道塾」の終了後、わたしは迎えの車に乗って北九州空港に向かいました。これからスターフライヤーで東京に飛ぶのです。今日は数件の本業や出版関係の打ち合わせ、夜は業界の重要人物たちとの会食が予定されています。明日19日は朝から一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の正副会長会議、午後は正副会長委員長会議に出席、夜は一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団の懇親会に参加します。20日には石垣島に飛んで、21日は朝から石垣紫雲閣の竣工式を行ってから福岡に飛び、夕方から小倉ロータリークラブの新旧理事懇談会に参加します。
ハードな毎日ですが、「天下布礼」のために頑張ります!

 

2019年6月18日 一条真也