営業責任者会議 

一条真也です。
15日の午後から、サンレー本社でサンレーグループ営業責任者会議が開催されました。16時半から社長訓話でした。

f:id:shins2m:20190315163013j:plain最初はもちろん一同礼!

f:id:shins2m:20190315163217j:plain最初に、営業優績者の表彰をしました

f:id:shins2m:20190315163321j:plain社長訓示をしました

 

社長訓示に先立って、営業部門の各種表彰を行いました。
わたしは感謝の念を込めて、表彰状や金一封を表彰の対象者の方々にお渡ししました。表彰式が終わると、わたしは60分ほどの社長訓話をしました。
わたしはまず、ブログ「東日本大震災八周年追悼式」の話をしました。追悼式で、わたしは、犠牲者の方々の御冥福を心から祈りました。それにしても、このような追悼式を行うことは素晴らしいことです。この日は150を超える諸外国の関係者も参列されていましたが、オリンピックが「人類の祭典」なら、このような追悼式も「人類の典礼」であると思いました。世界中の多くの人々が犠牲者のために献花する姿を見て、『唯葬論』(サンガ文庫)で訴えた「生者は死者とともに生きている」「人間とは死者を弔う存在である」という考えが間違っていないことを改めて痛感しました。

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東日本大震災八周年追悼式」について話しました

 

唯葬論 なぜ人間は死者を想うのか (サンガ文庫)

唯葬論 なぜ人間は死者を想うのか (サンガ文庫)

 

 

もうすぐ平成が終わりますが、30年におよぶ平成の歴史の中で、最大の出来事はやはり東日本大震災ではないでしょうか。わたしたちの人生とは喪失の連続であり、それによって多くの悲嘆が生まれます。大震災の被災者の方々は、いくつものものを喪失した、いわば多重喪失者です。家を失い、さまざまな財産を失い、仕事を失い、家族や友人を失いました。しかし、数ある悲嘆の中でも、愛する人の喪失による悲嘆の大きさは特別です。グリーフケアとは、この大きな悲しみを少しでも小さくするためにあるのです。この日は、儀式とグリーフケアを考えるうえで非常に勉強になりました。

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 「ケア・コンパクトシティ」について

 

 

それから、「ケア・コンパクトシティ」の話をしました。最近、佐久間会長から紹介された『2025年、高齢者が難民になる日~ケア・コンパクトシティという選択』小黒一正編著(日経プレミアシリーズ)という本を読み、非常に感銘を受けました。「幸福な老後は、住む『まち』で決まる」というメッセージの本で、高齢化の進行で、医療・介護難民が続出する中で、日本の現状を知り、解決策を考える内容です。  

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「ケア・コンパクト」とは何か

 

その具体的な解決策とは、ケア・コンパクトシティ内閣府の調査によれば、老後に移住を望む人々の過半数が移住の条件として「医療・介護の環境」(65%)と「商業施設があり買い物が便利」(61%)を挙げています。人は医療・介護の心配がなく、消費生活に不自由しないまちなら住み替えてよいと考えているわけです。法政大学経済学部教授の小黒氏は「ならば、そのようなまちづくりをすれば、自ずと人はわがまちに住み続け、よそからも人を誘い入れて、まちは蘇ることだろう」と述べています。

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「ラストリゾート」とは何か

 

また、小黒氏は以下のように述べています。
「人生80年の時代を迎え、60代からの人生は黄昏どきというより、むしろ人生の収穫期と言っていいだろう。“余生”を自分の仕事の完成に注ぐか、趣味や生涯学習に打ち込むか、あるいは現役時代にはできなかった自分だけのライフワークにかけるか――いずれにしても、安心な毎日を保証する『居場所』を確保しなければ豊かな老後はおぼつかない。そのようなラストリゾートをめざすということは、自己責任による『自助』、介護保険など社会保険制度という『共助』、近隣での助け合いやボランティアなどの『互助』、そして税金による生活保障である『公助』を組み合わせた新しいコミュニティを創造することにほかならない」

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「互助」について話しました

 

ここで「互助」という言葉が出てきましたが、互助会こそは日本人の老後を幸福なものにすることができる組織であると、わたしは思います。小黒氏は「これからは、老いも若きも生産と効率向上に奉仕するだけではなく、『人生の意味』を充実する〈生活世界〉を主眼とするまちづくりが、都市計画の本流となる。そのための仕組みこそ、地域包括ケアシステムの本質である。大都市だけでなく地方都市も、過疎地においても、それが21世紀のまちづくりの基本コンセプトなのである」と述べます。

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北九州市に「 ケア・コンパクトシティ」を!

 

「ケア・コンパクトシティ」という考え方は、わたしが長年提唱し続けている「高齢者福祉特区」、ひいては「老福都市」という考え方とほぼ同じです。日本は「世界一の高齢化先進国」だそうですが、その日本でも最も高齢化が進行している政令都市が、わたしが住む北九州市です。北九州市は、高齢者が多いことを「強み」として、日本一、高齢者が安心して楽しく生活できる街づくりを目指すべきだと思います。

f:id:shins2m:20190315165051j:plain孤独死をしない」ことが大切!

 

そこで、大事なポイントは「孤独死をしない」ということ。わが社を中心に年間700回以上開催されている「隣人祭り」をはじめとした多種多様な「隣人交流イベント」のノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要です。そうなれば、「北九州にさえ行けば、仲間もできて、孤独死しなくて済む」というふうになります。全国の独居老人には、どんどん北九州に移住していただきたいと願っています。

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決定版 冠婚葬祭入門』を紹介

 

 

それから見本が出たばかりの『決定版 冠婚葬祭入門』(PHP研究所)を手に持って、冠婚葬祭の重要性について話しました。平成が終わって新元号となったとき、さまざまな慣習や「しきたり」は一気に消え去ります。しかし、結婚式や葬儀、七五三や成人式などは消えてはならないものです。それらは「こころ」を豊かにする「かたち」だからです。人間の「こころ」は、どこの国でも、いつの時代でも不安定です。だから、安定するための「かたち」すなわち儀式が必要なのです。

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「こころ」と「かたち」について

 

そこで大切なことは先に「かたち」があって、そこに後から「こころ」が入るということ。逆ではダメです。「かたち」があるから、そこに「こころ」が収まるのです。人間の「こころ」が不安に揺れ動く時とはいつかを考えてみると、子供が生まれたとき、子どもが成長するとき、子どもが大人になるとき、結婚するとき、老いてゆくとき、そして死ぬとき、愛する人を亡くすときなどがあります。その不安を安定させるために、初宮祝、七五三、成人式、長寿祝い、葬儀といった一連の人生儀礼があるのです。

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最後は、もちろん一同礼!

 

無縁社会」が叫ばれ、生涯非婚に孤独死や無縁死などが問題となる中、冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなります。いまや全国で2000万人を超える互助会員のほとんどは高齢者であり、やはり孤独死をなくすことが互助会の大きなテーマとなっているのです。わが社が行っている「隣人祭り」をはじめとした隣人交流イベント、グリーフケア・サポート、さらには見回りや買い物支援、そして婚活サポートなども互助会に求められてきます。平成が終わって新元号となり、あらゆるものが変化しようとも、「相互扶助」をコンセプトとした冠婚葬祭互助会は不滅です!
そんなことを、この日は話しました。

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懇親会のようす

f:id:shins2m:20190315180750j:plain懇親会でカンパ~イ!

 

社長訓話が終わった後は、松柏園の「長浜」で懇親会が開かれました。最初に佐久間会長が挨拶し、「営業のみなさんはよく頑張っていますが、もう少しだけ高い目標を持って前進していただきたい」と述べました。続いて、わたしも挨拶しましたが、「『儀式』と『相互扶助』は人類普遍の価値ある営みです。みなさんは、この世で最も価値のある商品を売っているのだという誇りを持っていただきたい」と述べました。それから、玉中常務の音頭で乾杯しました。

f:id:shins2m:20190315182445j:plain懇親会のようす

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笑顔が絶えませんでした

 

各地から参集したみなさんは、お酒や料理を楽しみながら会話の花を咲かせました。最後は、岸部長による中締めの挨拶でした。岸部長は、 サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。これをやると、みんなの心が本当にひとつになる気がします。その後も、松柏園のラウンジで二次会を開催。わが社のコンパは和気あいあいと続いたのであります。改元まで、あと46日です。

 

2019年3月16日 一条真也