別府にて

一条真也です。
別府に到着したわたしは、わが社の施設を見回った後、ぜひ一度行ってみたかった場所を訪れました。書肆ゲンシシャという古書店です。全国的に有名なカルト書店です。

f:id:shins2m:20201002220623j:plain書肆ゲンシシャの前で

f:id:shins2m:20201002152905j:plain書肆ゲンシシャにて


ブログ「アスタルテ書房」で紹介した京都の書店に少し似ていますが、こちらの方がもっとディープです。驚異の陳列室が公開されており、絵画・写真・現代アート・映画・漫画などを通し新しい視覚をもたらすことができます。特に、幻想文学、幻想絵画を中心に取り揃えており、わたしにとっては宝の山。店主の藤井さんはわたしのことをご存じで、1点ずつ丁寧に説明していただきました。店ごと買いたいぐらいでしたが、とりあえず、今日のところは洋書の心霊写真集、死体写真集、それに『怖い絵展』の図録などを購入しました。それにしても、ゲンシシャはあるし、最も注目すべき大学であるAPUはあるし、邪馬台国だったかもしれないしで、面白すぎるぞ別府!

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「いけす割烹平家」の前で

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素晴らしい「いけす」がありました

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関サバの刺身が絶品!

f:id:shins2m:20201002175841j:plainこれは旨い!

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「西の関」の冷酒を注文

f:id:shins2m:20201002180455j:plain五臓六腑に染みわたる!

ゲンシシャを出ると、夕食の時間になったので、わが社の別府地区の幹部数人と会食しました。もちろん広めの部屋で、ソーシャルディスタンスには最大の配慮をしています。地元で有名な「いけす割烹平家」という店でしたが、活きのいい関サバの刺身が絶品でした。大分の名酒「西の関」の冷酒も旨かった! わたしは基本的に食べ物の画像はブログにUPしないのですが、ブログ「久々の焼肉!」でのわたしが焼肉を食らう表情があまりにも反響が大きかったので、特別に公開することにします。

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鯛のあら煮

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アワビと秋野菜の陶板焼き

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〆は、土瓶蒸しと鰻飯

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店を出ると満月が・・・

 

関サバの他にも、鯛のあら煮、アワビと秋野菜の陶板焼き、土瓶蒸し、〆の鰻飯と、すべて美味しかったです。ステーキも出たのですが、わたしが「豊後牛ですか?」と訊くと、お店の女性が大きな声で「オージーです!!」と言ったのには驚きました(笑)。お腹いっぱいになって割烹「平家」を出ると、夜空には見事な満月が浮かんでいました。そう、昨夜は中秋の名月でしたが、今夜は満月なのです。

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話題の宿に宿泊

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部屋には露天風呂あり!

今夜の宿は、せっかくなので勉強になるところに泊まろうと思って、「AMANE RESORT GAHAMA」に宿泊しました。3500坪の敷地に17の客室。大人が楽しめる温泉リゾート旅館ですが、今夜は1人で宿泊しました。ネットでも4.8点の高評価で、なかなかの高級施設なのですが、GoToトラベルのおかげで、非常に安価でした。部屋には、プライベート露天風呂があります。

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満月の露天風呂!

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海上の月の道

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満月の温泉に浸かる幸福・・・

満月交心 ムーンサルトレター

満月交心 ムーンサルトレター

 

 

ほろ酔い気分で部屋の露天風呂に入ろうとすると、なんと上空には見事な満月が上って、夜の海を明るく照らしているではありませんか。しかも、海上には一筋の月の道ができています。温泉に浸かりながら見上げる満月は最高でした。わたしは月光浴をしながら、「一条本」の100冊とか、コロナ禍での諸施設のオープンとか、コロナ禍でも黒字を確保できたこととか、そして満月の今夜、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生との共著『満月交心 ムーンサルトレター』(現代書林)の見本が出たことを祝いました。



わたしは、iPhoneで桑田佳祐の「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」のPVを流して満月を見上げながら、いつまでも温泉に浸かっていました。いつまでも月光浴を楽しみました。鎌田先生とわたしは「聖者」というよりは「変人」だと思いますが、この歌に登場する「現在(いま)がどんなにやるせなくても、明日は今日より素晴らしい!」という歌詞は、すべての人にとって祈りだと思いました。

 

2020年10月2日 一条真也

小倉から別府へ

一条真也です。
10月2日の午前中、わたしが座長を務めるグリーフケアPTのリモート会議に参加しました。グリーフケア資格認定制度の発会式などの一連の行事を11月4日に北九州市のわが社の小倉紫雲閣で開催するなど、重要な決定事項がたくさんありました。心して全国の方々をお迎えしたいと思います。

f:id:shins2m:20201002133608j:plainJR小倉駅のホームにて

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ソニック25号が小倉駅に到着

 

会議終了後、わたしは車でJR小倉駅に向かい、ソニック25号に乗って別府に向かいました。別府地区のわが社の施設を視察する目的で、翌3日はサンレー大分の営業推進会議を別府で開催するのです。

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車内のようす

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車内で読書しました

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夢中になって読みました 

 

ソニック25号の車内では、駅ホームの自動販売機で買ったアイスコーヒーを飲みながら、読書をしました。『邪馬台国別府温泉だった!』酒井正士著(小学館新書)という本で、「火山灰に封印された卑弥呼の王宮」というサブタイトルがついています。もともと、「驚愕!邪馬台国は「別府温泉」にあった・・・地下には卑弥呼の王宮が眠る?」という8月22日にUPされたネット記事を読んで仰天し、慌てて同書を求めました。でも、どうせなら別府に行くときに読もうと思っていたのです。正直、「もしかしてトンデモ本?」などとも思いましたが、実際に読んでみると論理構成が非常にしっかりしています。

 

 

著者は理系の方なのですが、10年ほど前に高木彬光の『邪馬台国の秘密』を読んで、邪馬台国の謎の虜になったそうです。同書は宇佐神宮の本殿の地下に卑弥呼の亡骸を入れた棺が安置されているという内容でした。宇佐にしろ、別府にしろ、大分県にはロマンがありますね。ちなみに『邪馬台国別府温泉だった!』はアマゾンで3冊購入して、父と弟にもプレゼントしました。父はここ最近、もっぱら邪馬台国に夢中ですし、弟は学生時代にシュリーマンの『古代への情熱』が愛読書だったという考古学マニアなのです。弟のことをリアリストと思っている人は多いと思いますが、じつはロマンティストだったのです! 夢を追うのは佐久間家の血筋!(笑)

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車窓から秋の空を眺める

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JR中津駅を通過しました

読書の合間、車窓の外も眺めました。山々の上に広がる秋の空、またJR中津駅を通過するときはホームからわが社の結婚式場「ヴィラルーチェ」がよく見えました。ブログ「幸福度1位の宮崎へ」で紹介したように、9月9日にはソニック9号で宮崎県の延岡に向かう途中、中津駅で列車が立ち往生して下車した苦い思い出があります。今日は無事に中津を通過しました。

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JR別府駅に到着しました

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別府駅は温泉みたい!

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JR別府駅前にて

 

JR別府駅に到着すると、駅そのものが温泉浴場みたいな感じでした。サンレー大分の祐徳取締役と澤谷ブロック長が迎えに来てくれており、わたしは用意された車に乗り込みました。これから施設を視察してからある秘密の場所に寄るつもりです。

 

2020年10月2日 一条真也

「週刊読書人」に『心ゆたかな社会』の書評が掲載されました

一条真也です。
1日の夜、中秋の名月を愛でました。2日は満月。
菅首相が「日本学術会議」の新会員候補6人の任命を見送ったことが話題になっています。改めて「学術とは何か」が問われていますが、本日発売された「週刊読書人」最新号の「学術読物」に『心ゆたかな社会』(現代書林)の書評が掲載されました。評者は「京都の美学者」こと秋丸知貴さんです。

f:id:shins2m:20201003113725j:plain週刊読書人」2020年10月2日号

 

秋丸さんの書評は、「無縁社会(ハートレス・ソサエティ)から有縁社会(ハートフル・ソサエティ)へ」のタイトル、「アフター・コロナは何を基盤にすべきか?」のサブタイトルで、こう書かれています。
「今では一般に定着した『ハートフル』概念の創始者にして、稀代の実業的哲学者である一条真也の100冊目の著作である。著者は2005年に、ピーター・ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ』に呼応して『ハートフル・ソサエティ』を上梓した。これは、農業革命、産業革命、情報革命と入れ子状に発達する人類社会の次の段階として、人間の心こそが問題となる社会の到来を予見し、その構想を示す思想書であった。15年後の改訂版である本書は、コロナ禍という想定外の危機も視野に入れつつ、古今東西の人文・社会・自然科学の知見を多彩に取り込んで、改めて来たるべき実現可能な『心ゆたかな社会(ハートフル・ソサエティ)』の総合見取図(グランド・デザイン)を提示するものである。
議論の前提は、テクノロジーの発展である。産業革命は、都市型大衆消費社会を実現し、『なんとなく、クリスタル』な個々人の欲望の追求を奨励した。その結果、私達は物質的には十分満たされたが、個人主義の瀰漫は共同体を解体させ、その帰結が無縁社会である。人々の絆の喪失は、逆に心の貧困を招来し、鬱や依存症や自殺や孤独死を増加させている。その一方で、それに続く情報革命は、仮想と現実の二重世界を常態化し、超能力的に万能感を高めてさらに個人主義を助長している。遺伝子操作やAIは、人間を神に近づけようとすらしている。しかし、ZOOM浸りの自粛生活の中で、私達は現在の生活基盤がいかに歪(いびつ)で脆弱で過負荷(ストレスフル)であるかに気付いたはずである。
テクノロジーの進歩は、それだけでは心の不調を増産するに過ぎない。高度で強力な科学技術は、ユートピアディストピアも導きうる。私達には、何かが欠けているのだ。一体、私達は望ましい生き方の基盤をどこに置くべきだろうか?
死と向き合うべきである、と著者は喝破する。近代において、死は隠蔽されてきた。しかし、『死を想え(メメント・モリ)』は人類普遍の叡智である。今こそ、改めて価値観の大再編を本書は提唱する。
死は、必ずしも忌むべきものではない。死があるからこそ、生の充実と真の感動がある。若さを礼讃する近代化の中では忘れられてきたが、古来人間は老いや病いや死にさえも人生を豊かにする意味を見い出してきた。古代エジプトや古代中国や江戸のような『好老社会』『尊老社会』に学ぶことは、超高齢社会の喫緊の希望的課題である。
それでも避けられない死別の悲嘆を癒し合う中で、人々の絆は作られる。その基本単位は家族であり、その連帯から確固とした社会が形成される。近年不要とされ簡略化が進む葬儀や法要は、実際には残された人々の孤独を分け合い悲嘆を和らげることで心身の不調を防止する有益な社会資本であった。時代の趨勢で解体した共同体を再生する核として、互助会が新たな地域拠点(コミュニティ・センター)となり、遺族のグリーフケアや日常的な隣人祭りや緊急時の防災活動に取り組むべきとする著者の提言は慧眼である。
近代は利己心を称揚してきたが、生来人間は利他心も兼ね備えている。他人の役に立つことは、失われることのない確かな生きがいと喜びをもたらす。また、たとえ物に溢れていなくても、古来風流と呼ばれる大自然に素朴に親しむ瞬間に尽きせぬ活力を得た経験は誰にでもあるはずである。死や自然に畏敬の念(センス・オブ・ワンダー)を感受することが、哲学・芸術・宗教の新たな主題となるだろう。それらを統合する人間の根源的営みとしての冠婚葬祭を、著者は『宗遊』と呼ぶ。会話し、社交し、思いやり(ホスピタリティ)を持って訪問したり歓待したりすることは、ローカルにもグローバルにも人々の心を縁と共感で結び付ける。当たり前でつい忘却しがちであるが、私達はそのためにこそテクノロジーを利用すべきであると思い出させてくれる一本筋の通った希哲の書である」

 

心ゆたかな社会 「ハートフル・ソサエティ」とは何か
 

 

気鋭の美学者による達意の文章には感激しました。
タイトルに「アフター・コロナは何を基盤にすべきか?」と入っていますが、わたしはここ最近、ブログ『コロナ後の世界』ブログ『コロナ後の世界を生きる』ブログ『コロナ後の世界を語る』ブログ『変質する世界――ウィズコロナの経済と社会』ブログ『コロナ後の世界――いま、この地点から考える』などで紹介した本を読み、書評も書いてきましたが、『心ゆたかな社会』で示したヴィジョンは間違っていなかったと改めて思っています。コロナ後の社会は、ハートフル・ソサエティであると確信します。それにしても、拙著の多くを読まれてこられた評者の秋丸さんが100冊目の「一条本」である同書を美学者ならではの感性で読んで下さったのが嬉しかったです。秋丸さんの文章には、小林秀雄澁澤龍彦に通じる研ぎ澄まされた感性を感じます。
また、満月のこの日、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生との共著『満月交心 ムーンサルトレター』(現代書林)の見本が出ました。合計600ページ近い今時ありえないような本で、内容的にも奇書ですが、この本も秋丸さんに真っ先に献本させていただくつもりです。
秋丸さん、このたびは本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします!

 

満月交心 ムーンサルトレター

満月交心 ムーンサルトレター

 

 

2020年10月2日 一条真也

10月度総合朝礼

一条真也です。
10月1日は「中秋の名月」です。
今夜は、サンレーグランドホテルで恒例の「隣人祭り・秋の観月会」を開催し、「月への送魂」も行う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて無念の中止となりました。この日の朝、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールで、サンレー本社の総合朝礼を行いました。

f:id:shins2m:20201001084408j:plain10月度総合朝礼のようす

f:id:shins2m:20201001115220j:plain最初は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20201001084537j:plain社歌斉唱のようす

f:id:shins2m:20201001084745j:plain黒マスク姿で登壇しました


全員マスク姿で社歌の斉唱および経営理念の唱和は小声で行いました。それから社長訓示の時間となり、わたしが黒マスク姿で登壇しました。わたしは、まず、「今日は中秋の名月ですが、観月会の中止はまことに残念です」と述べました。それから、以下のような話をしました。9月16日、安倍晋三内閣が総辞職し、菅義偉氏が第99代の内閣総理大臣に就任しました。菅首相は、全日本冠婚葬祭互助会政治連盟の最高顧問です。今回は政治連盟から5人の大臣が出ました。素晴らしい快挙であり、互助会業界も政治力が以前より格段に強くなってきました。

f:id:shins2m:20201001084843j:plainマスクを外しました

 

ちなみに、政治連盟の初代会長はわが社の 佐久間進会長です。佐久間会長は、全互協の初代会長でもあり、互助会事業の法制化を実現しました。わたしは、現在、全互協と政治連盟ともに副会長を拝命しています。ぜひ、菅首相にお願いしたいことがあります。菅首相は一連のGoToキャンペーンを主導してこられた方ですが、日本人が結婚式を挙げやすい政策を立てていただきたいと思います。結婚式の費用とか交通費などを助成する、いわば「GoToウエディング」です。「GoToウエディング」は「GoToトラベル」のように業界救済、つまり経済のためではなく、社会のために行うものです。

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人口減こそ最大の国難である!

 

日本は、いま最大の国難に直面しています。それは新型コロナウイルスの問題でも、中国の領土侵犯の問題でも、北朝鮮のミサイル問題でもありません。より深刻なのが人口減少問題です。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が発表した「日本の将来推計人口」(2017年)によれば、100年も経たないうちに5000万人ほどに減少することが予測されます。ベストセラーになった『未来の年表』の著者である大正大学客員教授の河合雅司氏は、「こんなに急激に人口が減るのは世界史において類例がない。われわれは、長い歴史にあって極めて特異な時代を生きているのである」と述べています。

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熱心に聴く人びと

 

人口減少を食い止める最大の方法は、言うまでもなく、たくさん子どもを産むことです。そのためには、結婚するカップルがたくさん誕生しなければならないのですが、現代日本には「非婚化・晩婚化」という、「少子化」より手前の問題が潜んでいます。わたしは、結婚式は結婚よりも先にあったと考えています。一般に、多くの人は、結婚をするカップルが先にあって、それから結婚式をするのだと思っているのではないでしょうか。でも、そうではないのです。

f:id:shins2m:20201001085032j:plain結婚よりも結婚式が優先する!

 

日本人の神話である『古事記』では、イザナギイザナミはまず儀式をしてから夫婦になっています。つまり、結婚よりも結婚式のほうが優先しているのです! 他の民族の神話を見ても、そうでした。すべて、結婚式があって、その後に最初の夫婦が誕生しています。結婚式の存在が結婚という社会制度を誕生させ、結果として夫婦を生んできたのです。結婚式があるから、多くの人は婚約し、結婚するのです。結婚するから、子どもが生まれ、結果として少子化対策となります。観光や外食よりも、結婚式は社会の維持のために絶対に必要です。冠婚業はけっして単なるサービス産業ではありません。日本という国を継続させていくエンジンのような存在です!

f:id:shins2m:20201001085108j:plain「GoToウエディング」の実現を!

 

菅首相は、自民党総裁に選ばれた直後の挨拶で「私の目指す社会像は、自助・共助・公助、そして絆であります」と述べられました。自助・共助・公助、そして絆の社会とは、まさに相互扶助の互助社会ではありませんか! ぜひ、互助の精神で「GoToウエディング」の実施を切に願う次第です。結婚式も大事ですが、葬儀も重要です。葬儀がなければ、家族や友人・知人・恋人などの「愛する人」を亡くした悲嘆から、うつ・自死の連鎖が起こって、人類は滅亡していたというのが、わたしの仮説です。

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熱心に聴く人びと

 

最近、「葬祭業はエッセンシャルワークですね」とよく言われます。エッセンシャルワークとは医療・介護・電力・ガス・水道・食料などの日常生活に不可欠な仕事です。同じように大切な仕事と思われてきた教育はエッセンシャルワークではありません。日本中の大学は未だに閉鎖されています。神社や寺院や教会といった宗教もエッセンシャルワークではありません。コロナ前から「神社崩壊」や「寺院消滅」が叫ばれていたことが思い出されます。

f:id:shins2m:20201001085300j:plain紫雲閣は永久に不滅です!

 

しかし、葬儀はエッセンシャルワークです。葬儀にはさまざまな役割があり、霊魂への対応、悲嘆への対応といった精神的要素も強いですが、まずは何よりも遺体への対応という役割があります。遺体が放置されたままだと、社会が崩壊します。それは、これまでのパンデミックでも証明されてきたことでした。何が何でも葬儀に関わる仕事は続けなければならないのです。葬儀が必要不可欠のエッセンシャルワークなら、わが 紫雲閣は永久に不滅です!

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人々の魂を結びて魂送る わが礼業は不滅なりけり

 

このたびの台風10号では、100人以上の避難者の方々を受け入れました。「魂を送る場所」であった紫雲閣が「命を守る場所」となったことは画期的であり、「セレモニーホール」が「コミュニティホール」へと進化しました。冠婚業も葬祭業も、単なるサービス業ではありません。それは社会を安定させ、人類を存続させる社会インフラとしての文化装置なのです。冠婚葬祭が変わることはあっても、冠婚葬祭がなくなることはありません! この1ヵ月の間にも、若宮紫雲閣宮田紫雲閣ゆくはし三礼庵の3つの施設がオープンしました。コロナ禍の中にあっても、わが社はなんとか今年も黒字で終わる見込みです。みんなで力を合わせて、この素晴らしい礼業を守りましょう!

 

人々の魂(たま)を結びて魂送る

     わが礼業は不滅なりけり

 

f:id:shins2m:20201001090002j:plain「今月の目標」を唱和

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最後は、もちろん一同礼!

総合朝礼の終了後は、大会議室で北九州本部会議を開催します。コロナ時代にあっても未来を拓くための有意義な会議にしたいと思います。みんなで力を合わせて、「心ゆたかな社会」を創造しましょう!

 

2020年10月1日 一条真也

家族葬の罪と罰

一条真也です。
10月1日、産経新聞社の WEB「ソナエ」に連載している「一条真也の供養論」の第27回目がアップされます。タイトルは「家族葬罪と罰」です。 

f:id:shins2m:20200929161519j:plain家族葬罪と罰

 

ある週刊誌が終活特集を組み、「家族葬罪と罰」というテーマで、わたしも取材を受けました。わずらわしい人間関係を避けつつ、あまりおカネをかけたくない人たちが家族葬を選んでいるといいます。結局、家族葬の根本にあるのは、「なるべく労力をかけたくない」という本音です。

 

しかし、わたしは「葬儀は、面倒だからこそ意味がある」と指摘し、「よくよく考えてみれば、人がひとりこの世からいなくなってしまうというのは大変なことです。骨になってしまえば、生の姿を見ることは二度と出来ない。取り消しがつかないからこそ、憂いは残さないほうがいい。億劫という気持ちはいったん脇において、関係のあった多くの人に声をかけ、故人と最後の挨拶を交わす場所を用意してあげるべきです。選択を誤れば、最期を迎える自分自身も無念が残るし、家族にも『罪と罰』という意識だけを抱かせてしまうことになる。一生の終わりに間違いを犯さぬよう、よくよく考えて『去り方』を決めなければならない」と述べました。

 

家族葬」は、もともと「密葬」と呼ばれていたものです。身内だけで葬儀を済ませ、友人・知人や仕事の関係者などには案内を出しません。そんな葬儀が次第に「家族葬」と呼ばれるようになりました。しかしながら、本来、ひとりの人間は家族や親族だけの所有物ではありません。どんな人でも、多くの人々の「縁」によって支えられている社会的存在であることを忘れてはなりません。「密葬」には「秘密葬儀」的なニュアンスがあり、出来ることなら避けたいといった風潮がありました。それが、「家族葬」という言葉を得ると、なんとなく「家族だけで故人を見送るアットホームな葬儀」といったニュアンスに一変し、身内以外の人間が会葬する機会を一気に奪ってしまったのです。

 

また、昨今わたしたちが目にするようになった「直葬」に至っては、通夜も告別式も行わず、火葬場に直行します。これは、もはや「葬儀」ではなく、「葬法」というべきでしょう。そして、「直葬」などというもったいぶった言い方などせず、「火葬場葬」とか「遺体焼却」という呼び方のほうがふさわしいように思います。すでにさまざまな関係性が薄れつつある世の中ですが、家族葬をはじめとする密葬的な葬儀が進むと「無縁社会」が一層深刻化することは確実です。さらにそれだけにとどまらず、家族葬で他人の死に接しないことが、他人の命を軽視することにつながり、末恐ろしいことにつながらなければ良いと思います。

 

2020年10月1日 一条真也

久しぶりの「新北九州を考える会」

一条真也です。
9月30日、長月晦日の夜、久々に「新北九州を考える会」が開催されました。会場は、もちろん松柏園ホテルです。もともと3月27日の開催予定だったのが、コロナ禍でこの日に延期されたのです。じつに半年ものあいだ延期されたことになります。

f:id:shins2m:20200930175523j:plain松柏園ホテルのロビーで

 

まずは、18時30分から北九州市の鈴木清副市長の講話がありました。鈴木副市長は、わたしの弟である佐久間康弘の東大の同級生で、駒場時代の文Ⅰ・文Ⅱ合同クラスで一緒だったそうです。そのことをお話すると、最初はなかなか思い出せないようでしたが、最後は「なつかしいですね」と言われていました。

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講話のようす

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「日本一住みよいまち 北九州市の実現について」

 

鈴木副市長の講話のテーマは「日本一住みよいまち 北九州市の実現について」でした。具体的なデータと鈴木副市長の実感に基づいたお話をお聴きし、地元の人間として非常に勉強になりました。また、「北九州はなぜ人口が減るのか」「北九州市のコロナ対策」についてのお話も参考になりました。

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懇親会場にて(小倉織マスクあり)

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懇親会場にて(小倉織マスクなし)

 

講話の終了後は懇親会です。久々に北九州を代表する名士の方々と飲みましたが、みなさん「やっぱり、松柏園の料理は美味しいですね!」と言って下さいました。涙が出るほど嬉しい言葉です。わたしの臨席のNHKの支局長さんからは「今度、NHKのど自慢大会に出場されませんか?」と言われて驚きました。もしかしたら、わたしの人生の新展開になるかもしれません(笑)。ということで、ソーシャルディスタンスに配慮しながらも、みなさん宴席でのコミュニケーションを満喫しておられました。

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活〆タマクエの超低温調理ロースト&アラの出汁

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佐賀伊万里産黒毛和牛のローストビーフ

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秋の味覚「松茸」の五目御飯

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ヌガーのパルフェとチョコレートテリーヌ
熱々キャラメルソースを注いで

 

メンバーには 小倉ロータリークラブの会員さんも多いのですが、同クラブの観月会が松柏園で開催予定でしたが、コロナを理由を中止となりました。 小倉南ロータリークラブをはじめ、他のクラブは観月会を開催しているのに残念でしたが、観月会の代わりとしても今夜の宴を楽しんだ方が多かったようです。明日、10月1日は「中秋の名月」です!

 

2020年9月30日 一条真也

燃える闘魂60周年!

一条真也です。
9月30日になりました。今日は、‟燃える闘魂アントニオ猪木さんのプロレスデビュー60周年の記念すべき日です。猪木信者であるわたしは、これまで猪木さんから多大なパワーを与えられてきました。心よりお祝いを申し上げたいと思います。

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アントニオ猪木さん

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60年前の猪木さん

 

1943年(昭和18年)2月20日生まれの猪木さんは、1960年4月11日、興行でサンパウロを訪れていた力道山から直接スカウトされて日本へ帰国し、日本プロレスに入団。ジャイアント馬場のデビューと同日の同年9月30日、本名の猪木寛至として、東京都台東区台東区体育館でデビュー。対戦相手は、当時の力道山道場で最強とされた大木金太郎で、猪木さんは7分6秒に逆腕固めで敗退しました。ちなみに、馬場選手は道場で最も弱いとされていた田中米太郎を相手にデビュー戦勝利を収めています。



1962年11月9日、沖縄県那覇市での長沢秀幸との試合において、リングネームをアントニオ猪木に改名。本名で活動中に出演したテレビドラマ「チャンピオン太」での役名「死神酋長」を気に入った力道山は、その名を猪木さんのリングネームにしようとしたといいます。ナンバー2の豊登も乗り気で実現しかけましたが、猪木さんは必死で拒んだとか。南米での興行を成功させるための布石として力道山は当初猪木さんを日系ブラジル人として売り出そうとしていました(猪木さん自身が「横浜生まれ」だということを公にしたのは力道山の没後でした)。



デビューして間もなく、力道山の付き人となったものの、力道山は1963年12月15日に死去。力道山は猪木さんに非常に辛く当たりましたが、後継者として期待したと思われます。猪木さんは、師である力道山から「闘魂」を継承しました。「闘魂」は力道山が使っていた言葉を猪木さんが引き継ぎ、アントニオ猪木の代名詞となったのです。最高の遺産ですね!


日本プロレスでは馬場との「GI砲」で無敵を誇りました。ドリー・ファンク・ジュニアらと名勝負も演じましたが、1972年、猪木さんは自身の団体・新日本プロレスを旗揚げし、従来のプロレスを超える「過激なプロレス」で、伝説的存在となります。ルー・テーズカール・ゴッチビル・ロビンソンタイガー・ジェット・シン、ローラン・ボック、アンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、ハルク・ホーガンらとの激闘は今でも語り草になっています。 



また、プロボクシング世界ヘビー級王者であったモハメド・アリとの「格闘技世界一決定戦」は現在のMMA(総合格闘技)のルーツとされていますし、アリ以外にも柔道世界一の‟赤鬼”ウィレム・ルスカ、プロ空手最強の‟黒い怪鳥”ザ・モンスターマン、極真空手の‟熊殺し”ウィリー・ウイリアムスらとの一連の異種格闘技戦も伝説となっています。



また、藤波辰爾長州力藤原喜明佐山聡前田日明、髙田延彦、船木誠勝武藤敬司蝶野正洋橋本真也小川直也藤田和之リョート・マチダといった日本のプロレス&格闘技の歴史を彩った弟子たちを育てました。一時は格闘技路線をめぐって新日本プロレスを混乱させたこともありましたが、その功績の大きさは誰も否定できないでしょう。‟燃える闘魂アントニオ猪木さんは1998年4月4日に超満員の東京ドームで引退しました。55歳でした。



いま、わたしは発売されたばかりの猪木さんの著書『猪木力:不滅の闘魂』(河出書房新社)を読んでいます。プロレスデビュー60周年と喜寿を記念し、猪木さんが一切の虚飾を排してプロレスと人生を見つめ、全てを語った本です。好敵手、名勝負、生と死、愛した女たち・・・燃える猪木哲学が余すところなく書かれていて、ものすごく面白いです。猪木vs前田の初対談も掲載されていて、これが恩讐を超えた師弟愛に溢れており、涙なしには読めません。そのうち、書評ブログをUPしますので、お楽しみに! 
最近、少し弱った感じで、杖もつかれている猪木さんですが、まだまだお元気でいていただき、わたしたちに猪木力を伝授してほしいものです!

 

猪木力: 不滅の闘魂

猪木力: 不滅の闘魂

 

 

2020年9月30日 一条真也