ヤマト・コンパッション!

一条真也です。毎日、災害級に暑いですね。
6日の朝、ヤフーニュースで「何度も叫んだ『助けて』 駆け付けたヤマト配達員らに称賛の声」という毎日新聞配信の記事を見つけました。素晴らしい内容でした。こういった善行についての情報を広めることも当ブログの役割の1つではないかと思い、ここに紹介させていただきます。

ヤフーニュースより

 

記事によれば、暑さが増してきた6月27日、コンビニエンスストアに行った帰り道、東京都の葛飾区に住む84歳の女性が突然、ふらついて倒れそうになったそうです。付き添っていた娘のアキさん(仮名)は慌てて助けを求めました。完全に脱力した母親の体を一人では支えきれなかったアキさんは、「助けてくださーい! 助けてくださーい!」と何度も叫びました。すると、道路の向かい側のヤマト運輸葛飾柴又営業所から、何かを手にした男性ドライバーら4人が駆け付けてくれました。彼らは、すのこに、業務用とみられる梱包(こんぽう)材(エアパッキン)を敷き、手慣れた様子で、簡易ベッドを作り、母親が横になれるようにしてくれました。昼過ぎで気温も上がっていましたが、傘で「日陰」を作り、営業所にあった保冷剤を使い、熱中症にも気を配ってくれました。その合間に、自転車で通りかかった男性が119番通報。母親は、救急車で搬送され、病院で処置を受けて回復しました。



アキさんは「母は食事と水分が十分に取れておらず、倒れてしまったようです」と振り返ります。日常生活を取り戻し、「世の中捨てたもんじゃない」エピソードを伝えたくなったアキさんは、感謝を込めてX(旧ツイッター)に<ヤマト運輸の方々の本日のお助けがあったおかげで母は無事でした。(倒れて)力の抜けた人を抱えると他に何もできません。ゆっくり寝かせる事も私にはできませんでした。ヤマト運輸様初め配送のお仕事の皆様、暑さや雨の中いつもありがとうございます!>と投稿。すると、7月5日時点で700万のインプレッション(表示回数)を記録し、<ヤマトの方々の対応が素晴らしくて感動!> <ヤマト運輸さんの皆さんは表彰されてほしい> <普段から優しい人たち多いですからね。いい会社。素晴らしすぎる>といった温かなコメントが相次ぎました。



毎日新聞社の坂根真理記者は、「想像以上の反響に、アキさんは『正直、びっくりしました』と戸惑いつつも、『ヤマトさんの対応にとても感謝しています』と振り返った。お中元シーズンで荷物量が増える7月、宅配ドライバーは多忙を極める。アキさんは、今回の投稿をきっかけに、配達員に負荷がかる『再配達』などの状況が少しでも改善してほしいと願っている。ヤマト運輸の広報担当者は『当社は、地域に根差した事業を行っており、地域の皆さまの安全や安心を確保することは、重要な責務であると考えております。今後も、地域社会により愛される存在となるために、努めてまいります』とコメントした」と書いて、この素晴らしい内容の記事をしめくくっています。わたしは、この記事を読んで、しみじみと感動しました。



いま、ヤマト運輸は揺れています。運転手不足の「2024年問題」に加えて、同社は3期連続赤字、3万人解雇などのネガティブなニュースでも話題になりました。これからもさまざまな問題に直面することが予想されますが、現場の社員に「地域の皆さまの安全や安心を確保する」という意識があれば、同社の未来は明るいと思います。アキさんの「助けて!」の声を聴いてすぐさま男性ドライバーが4人も駆け付けたことにも感銘を受けましたが、彼らがすのこに、業務用とみられる梱包(こんぽう)材(エアパッキン)を敷き、手慣れた様子で簡易ベッドを作って倒れそうな母親が横になれるようにしたことを知って、感動しました。さらに、傘で「日陰」を作り、営業所にあった保冷剤を使い、熱中症にも気を配ってくれたとは! 彼らは「いま、自分は何をすべきか」が完全に理解して行動しています。本当にいくら称賛しても足りません。

 

 

わが社は、「思いやり」としてのコンパッションを大切にし、それを実践する「コンパッショナリー・カンパニー」を目指していますが、今回のヤマト運輸さんの利他的行為からは多くの学びを得ました。まさに「ヤマト・コンパッション」を感じました。わが社も、ヤマト運輸さんと同じように「地域に根差した事業」を行っていますが、同社に負けないように「地域の皆さまの安全や安心を確保する」ことを今後いっそう心掛けたいと思います。わが家の配送でお世話になっているドライバーさんも人間性の素晴らしい方ですが、ヤマト運輸さんには2代目社長である小倉昌男翁の「運輸で世の中に貢献したい」という志と、現場の方々のコンパッションのある会社だと思います。ぜひ、「2024年問題」を乗り越えて、さらに発展していただきたいものです。そして、アキさんのX→毎日新聞→ヤフーニュースと繋がった善行の情報拡散の連鎖も素晴らしいです。当ブログもその末尾に加わらせていただきます!

 

2024年7月6日  一条真也