一条真也です。
9月20日の朝、かねてより病気療養中だった父・佐久間進が満88歳で旅立ちました。25日の通夜、26日の葬儀も無事に終え、ご弔問・ご参列いただいた皆様、また供花・弔電を頂戴した皆様には心より感謝申し上げます。
『佐久間進のすべて』より
荼毘に付されて父の肉体は消滅しましたが、その精神は生きています。というのも、父は生前に多くの言葉を遺してくれました。今回は、「『はひふへほ』の法則」を紹介いたします。父は、さまざまな経験を通して、さまざまなユニークな法則を発案してきました。2011年に発生した東日本大震災後、日本人が幸せになるためには「はひふへほ」の法則を実践することが大事だと語りました。「はひふへほ」の法則では、「は行」の5つの発音から始まる言葉が「幸せに生きるための人生訓」となっています。
は・・・半分でいい
ひ・・・人並みでいい
ふ・・・普通でいい
へ・・・平凡でいい
ほ・・・程々でいい
日本を代表する宗教哲学者であり、京都大学名誉教授の鎌田東二先生は、2012年1月12日に開催された父の「喜寿の祝い」において、「佐久間進会長(当時)は國學院大學の先輩です。國學院出身の代表的人物である折口信夫が理論国学者 だとしたら、佐久間会長は応用国学者だと思います。『はひふへほ』の法則といい、わかりやすい説明と実践には感服しております」と述べられ、それから祝いの法螺貝を吹いていただきました。
「喜寿の祝い」(2012年1月16日)での父
こうした「語呂合わせ」による教えは多数存在していますが、インターネットによる検索では、父が唱えた「はひふへほ」の法則と同一内容は存在していないようです。この事実で、わたしも父による「オリジナル法則」であることが確信できました。考えてみれば、「はひふへほ」の法則とは「足るを知る」ということではないでしょうか。すなわち、ブッダの考え方と同じだと言えるかもしれません。
また、鎌田先生が提唱する「応用国学」とは「心学」にも通じると考えます。かの石田梅岩は、江戸時代に神道や仏教や儒教の教えを「心学」として庶民にわかりやすく説きました。それは、まさに「応用国学」であり、「応用仏教」であり、「応用儒教」だったのではないでしょうか。そう、心学というものは「何でもあり」なのです。
サンレーでは、石田梅岩が提唱した「心学」を継承すべく、平成の寺子屋構想を具体化していくための施設「天道館」を新設しました。施設名称とした「天道」思想とは、太陽の徳の如く、あらゆる人々、いや人をも超えた万物を慈しむことを第一義としています。この「天道館」を拠点に何事も「陽にとらえる」明るい世直しを推進していきたいものです。その中で、父が遺した「ほひふへほ」の法則も「天道館」から広く発信していきます。
『佐久間進のすべて』(オリーブの木)
2024年9月29日 一条真也拝