「グリーフケアの時代に」舞台挨拶in小倉昭和館

一条真也です。
17日、グリーフケア映画の決定版が火災での焼失から奇跡の復活を遂げた小倉昭和館で上映されました。ブログ「グリーフケアの時代に」で紹介したドキュメンタリー映画がその作品です。おかげまさで、超満員になりました!



「グリーフ」とは、「深い悲しみ」や「悲嘆」を意味する言葉であり、大切な人を失ったときに起こる身体上・精神上の変化を指します。家族やパートナー、友人やペットを失って、旅立ちを見送らなくてはならない人が、心の痛みを手放し、やがて再生へと向かうための一助となるような、心あたたまる映画です。監督・構成は中村裕さん。語りは、音無美紀子さん。わたしも出演しています。


オープン前の劇場前に長蛇の列が・・・


続々と入場していく観客


上映前の会場のようす


上映開始後、小倉昭和館の前で


劇場前の屋外ポスターを背に


小倉昭和館のロビーで

 

ブログ「小倉昭和館復活!」で紹介した映画館での2月17日10時開始の限定上映でした。前売り券はソールドアウトで満席になりました。オープン前には、当日券を求めた方々が劇場前に長蛇の列を作りました。それでも、数十人の方々がチケットを買うことができず、お帰りいただきました。とても申し訳なく、かつ残念でしたが、この様子を見た小倉昭和館の樋口智巳館主が、今後ロングラン上映することを決めて下さったようです。ありがたい!


舞台挨拶MCの益田祐美子さんが登場!


続いて、わたしも登場しました!

 

映画が終わった後、舞台挨拶がありました。同作品のプロデューサーである益田祐美子さんがMCを務められ、最初に「みなさん、映画『グリーフケアの時代に~あなたはひとりじゃない~』はいかがでしたか?」と客席に問いかけると、盛大な拍手が起こりました。それから、益田さんは「大きな悲しみを受けた心のケア・・・・・・人の話に傾聴し、共有し、承認することが重要となって来ている現代。喪失感を受けた人々、心のケアを行う方々に密着したドキュメンタリー映画グリーフケアの時代に』。東京、大阪、京都、名古屋、そしてここ小倉での上映および舞台挨拶にお越しいただき誠にありがとうございます。小倉の皆様、映画をこよなく愛する方々のご協力があり、再生のシンボルでもある小倉昭和館さん、2022年8月10日に発生した火災で全焼。2023年12月に再建・営業再開したこの地での公開に喜びを隠せません。本日の司会進行を務めます、プロデューサーの益田祐美子と申します。よろしくお願いいたします!」と言いました。

登壇すると、大きな拍手が!

本日は、本当にありがとうございます!

 

益田さんの「本日は、素敵なゲストをお呼びしております。それでは、本日のゲストの方をお呼びいたしましょう。本作に出演されています株式会社サンレー代表取締役社長で、作家・一条真也ペンネームで多くの著作を出版されています・・・・・・ 佐久間庸和社長をお迎えしております。みなさま、盛大な拍手を持ちましてお迎えください!」との声で、わたしが登壇しました。会場割れんばかりの盛大な拍手を頂戴し、感激しました。まるでアカデミー賞の主演男優賞を受賞したような気分になりました。(笑)益田さんが「佐久間社長、一言ご挨拶頂きたいと思います」と言われたので、わたしは「おはようございます、佐久間です。本日は、こんなに多くの方々にこの映画を御覧いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に、ありがとうございます!」と言って深々と一礼しました。


能登半島地震への想いを語りました

 

わたしは、「まずは能登半島地震でお亡くなりになられた方々へ哀悼の誠を捧げたいと思います。本映画のタイトルにある『グリーフ』とは、深い悲しみ、悲嘆を意味する言葉で、大切な人を失ったときに起こる身体上、精神上の変化や苦悩を指します。本作品は、そうした家族やパートナーを失い、旅立ちを見送らなくてはならない人が、心の痛みを手放し、再生へと向かう一助となるような映画です。この映画には日本を代表するグリーフケアの達人たちが一堂に集結。僭越ながらわたしも出演し、グリーフを抱える方同士が結ぶ『悲縁』について紹介致しました。東京での公開初日には秋篠宮紀子さまも臨席、鑑賞されました。出演者として私がご挨拶させていただくという大役を務めさせていただきました。また著書をお渡しする大変名誉な経験をさせていただきました。そして本日、昨夏の火災から奇跡の復活を遂げられた 小倉昭和館さんにおいて、この作品を上映できることは…再建を応援してきた私にとっても大きな喜びです」と言いました。

悲縁」について語りました


舞台挨拶のようす

 

「ありがとうございます。今年5月には東京永田町の議員会館でも上映されることが決まりました。佐久間社長には国会議員の方々に向けて、グリーフケアについてレクチャー頂きたいと思います。よろしくお願いいたします! さて、映画にもご紹介頂いた「 悲縁」について、改めてお伺いできますか?」とのMCの言葉があり、わたしは「サンレーでは、ご遺族の自助グループである『月あかりの会』を運営しています。ここでは…例えば夫を亡くした人は同じ境遇の方が集まって、夫を亡くしたことの体験談を話し合う。お子さんを亡くした人も、同じように体験談を話し合う・・・・・・つまり同じ悲しみを抱いている人同士が『共に集い、語らう交流の場』を提供しているのです。私はこれを『悲縁』と呼んでいます。同じ境遇の方々をつなぐ縁のことです。わたしは映画『グリーフケアの時代に』と出合い、それぞれの喪失感や悲嘆の感じ方は他の人には全くわからないことを改めて気付かせてもらいました。無縁化によるグリーフを語る場の消滅という社会変化により、グリーフを抱えたまま生きていくしかない、ケアをされることなく生きていくとあきらめている方たちにそうではないことを伝えたい・・・・・・わたしどもの『月あかりの会』もそうですが、すでに多くの方々がサポートを始め、その『悲縁の輪』が広がっていることを知っていただきたいです。そして、すべての方に、ただ聴いてあげることでもケアとなっていくことを知っていただきたいと思っています」と言いました。

モンゴル国名誉領事が登壇

挨拶するモンゴル国名誉領事

すると、益田さんが最前列の席に座っていたモンゴル国名誉領事のシーテヴェ・アルタン・イルデン名誉領事を紹介し、名誉領事が登壇。映画の感想を聞かれた名誉領事は、「大変感動しました。でも、『グリーフケア』という言葉は初めて知りました。ぜひ、モンゴルの人たちにも教えてあげたいと思います」と答えました。わたしは、「モンゴルといえば、やっぱり相撲ですよね。名誉領事も相撲がお強いんじゃありませんか?」と質問しました。すると名誉領事は笑顔で「はい、相撲は大好きです。モンゴルの子どもたちは、みんなモンゴル相撲を遊びとしてやります」と言いました。わたしは、「モンゴル相撲も、日本の相撲もそうですが、じつはルーツはお葬式にあるんですよ。アジアでは、古代の王の葬礼として相撲競技が誕生し、力士が活躍したとされています。相撲はグリーフケアの文化なんですよ」と言いました。名誉領事は「初めて知りました。それは素晴らしい!」と驚かれていました。

「君の忘れ方」について語り合いました


西野七瀬さんは素晴らしいですね!

 

その後、「さて、佐久間社長は、作家・一条真也としても多くの著書がありますが・・・・・・グリーフケアについて書かれた著書愛する人を亡くした人へを原案とした映画『君の忘れ方が、全国公開されるようですね! ヒロインには大人気の西野七瀬さんが務められるとか?」とのMCからの言葉があり、わたしは「はい。来年のお正月に公開予定です。『死別の悲しみとどう向き合うか』をテーマに、恋人を亡くした作家の青年が、悲嘆の状態にある人に、さりげなく寄り添う『グリーフケア』と出合い、自らと向き合う姿を描く作品となっています。ヒロインをつとめる西野七瀬さんといえば言わずと知れた、乃木坂46で最多のセンターを務めた絶対的エースです。また演技力が素晴らしいことから、今回のヒロインは西野さんに決まって良かったです。なにしろ、彼女は『孤狼の血2』の演技で日本アカデミー賞の優秀女優賞を受賞しているのですから。また主演には若手実力派俳優の坂東龍汰さんがつとめます。じつは、わたしも、少しだけですが出演しています。ぜひ探してみて下さい!」と言いました。


心より感謝いたします!


退場前に一礼しました

 

続けて、わたしは「ドキュメンタリー映画グリーフケアの時代に』に続き、ドラマ映画『君の忘れ方』が上映されることで・・・・・・さらにグリーフケアという考え方が、世の中に広まり、愛する人を亡くした人の悲嘆が少しでも軽くなることを願ってやみません」と言いました。最後に、「この映画は、ロシアの大統領、中国とか北朝鮮の主席にも見ていただきたいですね。愛する人を亡くす悲嘆の大きさ、グリーフケアの大切さを知っていただきたい。グリーフケアが広まることは戦争のない平和な世界が来ることだと思っています」と結びました。「ありがとうございました。経営に、著書にそして映画にと…益々活躍の場が広がっていらっしゃるのですね。『君の忘れ方』では、佐久間社長の名演技を楽しみにしています(笑)佐久間社長、本日はありがとうございました。みなさま、熱い拍手でお送りください!」との益田さんの言葉で、大きな拍手の中をわたしは退場しました。


イベント後、控室で「毎日新聞」の取材を受けました


控室にモンゴル国名誉領事の訪問を受けました

 

イベント終了後、控室で毎日新聞社の山田部長のインタビュー取材を受けました。明日の「毎日新聞」に記事が掲載されるそうです。それから、控室に先程のモンゴル国のシーテヴェ・アルタン・イルデン名誉領事が訪問して下さいました。今年は、蒙古襲来から750年目の記念すべき年だそうです。それで、日蒙親善のためのセレモニーにわたしにも参加してほしいとのことでした。アルタン名誉領事は「日本人は『神風』によってモンゴル軍を撃退したと思っていますが、あれは神の力というよりも、仏に祈った民衆の心の力だと思います」と言われましたが、わたしは目から鱗が落ちる思いでした。たしかに、神風とは自然現象というよりも「祈りの力」が起こしたものかもしれません。イルデン名誉領事とは再会を約束して別れました。


ポスターの隣で記念撮影

 

それにしても、わたしがグリーフケアの書である『愛する人を亡くした人へ』を17年前に書いたときは、ほとんどの人が「グリーフケア」という言葉を知らなかったことが思い出されます。それなのに、このような素晴らしい映画が作られて、わが心の故郷である小倉昭和館で上映され、さらには舞台挨拶までできて、わたしは本当に幸せ者です。日本にグリーフケアが完全に根付く日まで頑張ります。最後に、この日の上映会&舞台挨拶でお世話になった関係各位、劇場に足をお運びいただいたみなさまに心より感謝いたします。ありがとうございました。

 

2024年2月17日  一条真也