死を乗り越える高倉健の言葉  

 

いい風に吹かれたいですよ。きつい風ばかりに吹かれていると、人に優しくなれないんです。待っていてもいい風は吹いてきません。旅をしないと。(高倉健

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、日本を代表する俳優だった高倉健(1931年~2014年)の言葉です。福岡県出身で、代表作に映画「網走番外地」シリーズ、「日本侠客伝」シリーズ、「昭和残侠伝」シリーズ、「新幹線大爆破」「幸福の黄色いハンカチ」「八甲田山」「南極物語」「動乱」「駅」「鉄道員(ぽっぽや)」「あなたへ」などがあります。



男は無口で不器用な存在である――そんなメッセージを遺していった戦後最大のスター、それが高倉健でした。わたしは同郷ということもあり、特別な親しみを感じていました。生涯、彼は俳優という職業に疑問をもっていたといいます。俳優というものが、男子が生涯を賭ける仕事なのかどうか、そんな迷いがあったというのです。



ただ、そんな彼の思いとは逆に、多くの男性の憧れとしての「男」になったといえます。彼が演じたヤクザたちの生き方に、男の美学を見ました。「世界のミフネ」と言われた三船敏郎アメリカの舞台などでも活躍する渡辺謙など、世界を舞台に活躍した、あるいは活躍する俳優はいますが、わたしは高倉健こそ、世界に通用した日本男児だと思っています。

 

彼は数多くのハリウッド映画に出演していますが、彼のスケールが世界的だったことの証明です。彼が演じてきた男たちは、死を常に意識した人間像といえるのではないでしょうか。その生き方が、世界にも通じたと思います。なお、この高倉健の名言は、死を乗り越える名言ガイド(現代書林)に掲載されています。

 

 

2023年11月18日  一条真也