大分総合朝礼

 一条真也です。
7日の10時20分頃にJR中津駅に到着しました。ブログ「小倉から中津へ」で紹介したように、駅全体が福澤諭吉記念館みたいになっており、有名な「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という福翁の名言も掲げられていました。わたしは人間の平等を訴えたメッセージを見て、「コンパッションの言葉だ!」と思いました。


ヴィラルーチェの前で


入場のようす


さあ、これから本番です!
最初は、もちろん一同礼!


国旗・社旗に拝礼


S2M宣言」を全員で唱和

 

11時からは、サンレー大分の総合朝礼をわが社の結婚式場「ヴィラルーチェ」で行いました。さまざまな部署から、総勢150名以上が参集しました。司会は管理部の清水課長が務めました。まず、「開会の辞」に続いて全員で社歌を斉唱し、それから別府亀川紫雲閣の藤本副支配人によって「経営理念」および「S2M宣言」が読み上げられ、全員で唱和しました。みんな、緊張気味でした。


マスク姿で登壇しました

 

この日もクールビズです。一応、コロナ感染への警戒を緩めずに、全員マスク姿です。社長訓示の時間となり、わたしがピンクの不織布マスク姿で登壇しました。まず、わたしは「昨日は『広島原爆の日』でしたね。わたしも黙祷し、犠牲者の方々の御冥福を祈りました。毎日、とにかく殺人的に暑いです。東京に出張に行っても災害級の暑さです。地球温暖化の猛威を痛感しますが、みなさん、くれぐれも熱中症には気をつけて下さい」と言いました。

マスクを外しました

 

それから、「米メジャーリーグエンゼルス大谷翔平選手が大活躍です。打者としてはホームラン王確実で、投手としては10勝目前です。本当に素晴らしいですね。また、先日、ブログ「ミッション:インポッシブル  デッドレコニング PART ONE」で紹介した映画を観たのですが、制作費が約3億ドル(約416億円)という史上最高額でありながら世界的に大ヒットして、巨額の製作費は回収できる見込みというから凄い。主演のトム・クルーズは61歳でスタントマンなしの危険なアクションに挑んでいて、もう凄すぎる!」と言いました。

大谷翔平トム・クルーズ二宮金次郎・・・

 

それから、わたしは以下のような話をしました。
大谷翔平トム・クルーズも、わたしが最もリスペクトする人物の1人です。また、先の天道塾の講話でも言及しましたが、わたしは最近、尊徳二宮金次郎に多大な関心を寄せています。晩年の二宮尊徳は、「学者と坊主」が嫌いだったそうです。「理論や教説よりも、現実を良く変えなければ意味がない」と考えたのです。彼は、貧しい農民たちが豊かに生きていくのはどうすればいいかを考え続け、実践し続けた人でした。あまりにも偉大です!

二宮尊徳福澤諭吉の実行力とは?

 

二宮尊徳の実行力は、宮沢賢治と比較してみるとわかりやすいでしょう。詩人、童話作家としての賢治は偉大な人だとは思いますが、若くして病死した彼は「農民を幸せにしたい」という願いを叶えることはできませんでした。一方、同じく「農民を幸せにしたい」という志を抱いた尊徳は、さまざまな具体的方策によって600以上の農村を救ってきたのです。尊徳の実行力は、福澤諭吉にも通じると思います。幕末、黒船の襲来を受けて「船に乗ってアメリカに渡りたい」と切望した2人の日本人がいました。吉田松陰福澤諭吉です。松陰は黒船で密航しようと下田渡海を試みますが、失敗して獄死します。一方の諭吉は勝海州が率いる咸臨丸に乗って渡米に成功しました。


五常講は互助会のルーツ

熱心に聴く人びと

 

農民を救う具体的な方策として、尊徳は「五常」というものを発案しました。五常とは仁義礼智信・・・儒教が重んじる5つの徳目です。「この人倫五常の道によって、余裕のある者は仁をもって金を貸し出し、借りる者は義をもって講より借り入れをする。礼をもって貸してくれた者に感謝し、誠実かつ一日でも努力工夫する。貸した者に借りた者が相互に信頼しあうのが信だ。これを実行に移す小田原藩服部家の中で互いを助け合うという制度として、名づけて五常講」です。五常講のコンセプトは、互助会の理念そのものだと思います。「相互扶助」という言葉もそのまま使われており、互助会のルーツは二宮金次郎にあったのかもしれません。

尊徳の「コンパッション都市」構想とは?

 

ブログ「マイ・エレメント」で紹介したアニメ映画は火と水の結婚という陰陽和合の物語でした。思いやりを意味する「コンパッション」と健康・幸せを意味する「ウェルビーイング」という2つの考えが陰陽の関係にあります。江戸時代に「コンパッション村」「コンパッション藩」「コンパッション共同体」と、そこにおける「ウェルビーイング」の実現を図ろうと社会実践をしていたのが、二宮尊徳だという説があります。宗教哲学者で京都大学名誉教授の鎌田東二先生が唱えておられます。二宮尊徳こそ、江戸時代における「コンパッション都市」づくりの先駆者だというのです。尊徳の思想は、すべての事象は根本的に陰陽の関係にあるというのが鎌田先生の考えです。

尊徳に学ぶリーダーシップ

熱心に聴く人びと

 

二宮尊徳は、終生、コンパッションの精神をもって農民のウェルビーイングに尽力し続けた人でした。そのため、武士階級と衝突することが多々ありました。「おのれは武士をなめすぎておる。この国は武士が治めているのだ」と言う武士に対して、尊徳は毅然と「あなたにとって国を治めるとは民になめられるな! それが第一ですか? 民の上に君臨するだけですか?」と言い放つのでした。この言葉は、わが社のあらゆる部署のあらゆる上司にも心に刻んでほしい言葉です。上司とは部下になめられず、部下の上に君臨するのが仕事ではありません。

最後に道歌を披露しました

 

わたしが最も尊徳を尊敬する点は、心の底から農業に誇りを持っていたことです。ブログ『猛き黄金の国 二宮金次郎』で紹介した本宮ひろ志のコミックにも描かれていましたが、極貧の中にあっても、少年・金次郎は「父ちゃん、母ちゃん、おいらを農民に生んでくれて、ありがとう!」と田んぼに向かって叫びます。この場面が一番感動しました。人間の幸せとは「自分の仕事に誇りを持つ」ことに尽きます。大谷翔平は野球に、トム・クルーズは映画に、誰にも負けない強い誇りを持っています。そして、中津が生んだ偉人である福澤諭吉先生の「心訓七則」には、「世の中で一番楽しく立派な事は 一生涯を貫く仕事を持つという事です」、「世の中で一番さびしい事は する仕事のない事です」とあります。わたしたちは、冠婚葬祭業という礼業に対して心からの誇りを持ちましょう。そこに、持続的幸福としての「ウェルビーイング」が生まれるのです。そして、以下の道歌を披露しました。

 

自らの生業(なりわい)信じ
        心より誇り抱くは幸せの道 庸軒

 

挨拶する祐徳常務

挨拶する小久保取締役

挨拶する長尾支配人

挨拶する山形チーフ

 

その後、部門長挨拶がありました。祐徳常務、小久保取締役、長尾支配人、山形チーフの順番で力強く挨拶が行われました。続いて、役員挨拶として、小倉からわたしに同行してきた東専務、山下取締役が挨拶をしました。

挨拶する東専務

挨拶する山下取締役

和のこえ」で締めくくる

ガンバロー✖3回


ガンバロー✖3回

最後は、もちろん一同礼!

 

そして、いよいよクライマックス。中津豊前地区の澤谷ブロック長の音頭で「和のこえ」を行いました。わたしたちは、手をつないで「ガンバロー!」と3回唱和しました。わたしは、「この勢いがあれば、必ず飛躍できる!」と思いました。大分のみなさんに期待しています。総合朝礼の後は、ヴィラルーチェのランチを試食してから、大分事業部会議に参加します。

退場のようす

この後は試食&会議です!

 

2023年8月7日  一条真也