GACKTの死生観

一条真也です。
東京に来ています。羽田空港に到着したら、「『よくここまで生きたな』GACKT語った50歳の死生観・・・家族には『沖縄の海に散骨して』」という「女性自身」配信のネットニュースの記事を見つけました。


ヤフーニュースより

 

記事では、本日7月4日に50歳の誕生日を迎えたタレントのGACKTが「ボクがこれまで50歳という年齢に持っていた印象は“人生の終わり”。織田信長の《人生五十年》という言葉をどこかに意識していました。でも、今わかったのは《人生五十年》って、50年しか生きられないという意味ではなくて、50になる前にどれだけのことができたのかということなのかと。もう30代や40代には戻れないですし。それまでどれだけ全力で走っていけるのかが、人生でいちばん大事だと思うようになりました」と語っています。


待望の主演映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」の公開も11月23日に決まったというGACKTは昨年末、2021年秋からの約1年間の活動休止期間中、遺書を書いたそうです。50歳を前に、終活を考える契機があったようで、「遺書はね、20通ぐらい書きました。『財産はこういうふうに分けて、車は清算して』とかね。愛犬は姉だったり、スタッフに託したりとか、そういうことを書きました」と語っています。



また、GACKTは自身の墓のことも姉に伝えているそうで、「『沖縄の海に散骨してくれ』と。墓なんていりません。昔からそうなんですよ。墓に来てもらいたくないですよ。海を見て手合わせてくれるぐらいで十分。身内のお墓を買ったり、いろんなことをやったとき思ったんです。ここ(墓)にいたくないなって。ボクは毎年、沖縄に戻って実家の墓を掃除してるんですよ。今はボクの役目になっていて。最低20人から30人のスタッフを連れて墓掃除に行ってます」と語ります。ブログ「海洋散骨in沖縄」で紹介したように、わが社では沖縄の海に散骨するお手伝いを行っています。


沖縄海洋散骨で主催者挨拶する

 

また、GACKTは「20代後半からお墓の掃除を手伝っていましたが、一族の人たち皆、年をとってやり手がいなくなってしまったんですよ。沖縄の門中墓って、もともとサイズが大きい。うちの墓は山奥にあって、古かったから建て直したんですが、今も(今回撮影した)このスタジオぐらいの大きさはありますよ。もともとは、もっとデカかった。覚えているのは6歳のとき。サトウキビ畑を車で抜けて、あぜ道を抜け山の中歩いて、たどり着くまでも大変で。大きな墓に苔も生えるし草も生えるし、汚れも全部掃除しないといけない。ハブの出ない時期に行くようにしてました」と語っています。


沖縄の合同慰霊祭で献灯する

 

さらに、彼は「お墓だけではなく祭壇もあって、お墓と祭壇が沖縄の別々の場所にあって。うちの先祖のルーツは沖縄の南部エリア。お墓は南部にあって、ひいじいさんが北部で町を作ったから祭壇は北部にあるんです。だからお墓と祭壇の掃除は日帰りでは行けなくて。いちばん最初は6人で行ったんだけど、終わらなくて墓掃除だけで2日半かかって。ボクの後の世代には、そんな嫌なことをさせたくない。死後、毎年管理しなきゃいけない状況が続くとしんどいでしょう?」と語ります。そして、彼は「だからボクは散骨でいい。海を見に来てくれて『ここにいるんだな』っていうぐらいでちょうどいい。そのうち誰も来なくなっても、誰も困らないでしょう」と語るのでした。


沖縄の海に祈りを・・・

 

わたしは、この記事を読んでGACKTを見直しました。2日半もかけてご先祖様の墓掃除するのも素晴らしいですし、沖縄の海に散骨してほしいというのも素敵です。ミステリアスな印象の強い彼ですが、沖縄人らしく「供養」というものを大切にしていることがわかりました。「供養は要らない」と言っているのではなく、「海を見て手合わせてくれるぐらいで十分」という言葉から海を見て手を合わせてくれることが十分供養にらなると言っているのだと思います。また、「海を見に来てくれて『ここにいるんだな』っていうぐらいでちょうどいい」という言葉に供養の本質を感じたように思います。沖縄の散骨に参加いただいた方々も同じような気持ちだと思うと、海洋散骨のお手伝いをしていることがとても嬉しく感じています。供養の達人である彼には、ぜひ拙著『供養には意味がある』(産経新聞出版)を献本させていただきたいと思います。

供養には意味がある』(産経新聞出版

 

2023年7月4日 一条真也