死を乗り越える本田宗一郎の言葉

 

飛行機は飛び立つときより
着地が難しい。

人生も同じだよ。
本田宗一郎

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、本田宗一郎(1906年~1991年)の言葉です。彼は、日本の実業家、技術者、ホンダの創業者です。著書に『夢を力に』『やりたいことをやれ』などがあります。84歳没。



「飛行機は飛び立つときより着地が難しい。人生も同じだよ」とは、じつに本田宗一郎らしい言葉ではないでしょうか。彼は経営者というより、生涯、技術者だったと思います。ホンダのかつての社名たる本田技術研究所(通称ホンダ技研)からも、技術を中心に据えていた姿勢がわかります。彼は人生を飛行機に例えています。これはいかに人生を終えるか、そんな彼なりの問いかけであり、答えだったような気がします。



引き際をどうするか――これは人生最後の大命題です。本田宗一郎の盟友、藤沢武夫は社長の本田とともに副社長を退き、取締役最高顧問となります。じつはこの引退は、後継育成を見極めた藤沢が決断したもので、本田宗一郎はその藤沢の決断を聞いた際に、藤沢の意思をくみ取り、引退を決断したと言われています。



ところで、リアリストであった本田宗一郎は常々「必ず実現する夢」しか見ないと公言していましたが、「世界に人類が40億人いるなら、その全部に好かれたい」という途方もない夢を抱いていたといいます。彼は究極のポジティブ思考の持ち主でもあったのです。なお、この本田宗一郎の言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2023年2月16日 一条真也