コンパッション社長賞 

一条真也です。
わが社は、コンパッション企業を目指しています。
コンパッションは直訳すれば「思いやり」であり、他にも「隣人愛」や「仁」「慈悲」「利他」などの意味が含まれています。つまるところ、コンパッション企業とは、お客様にこころに寄り添って「思いやり」を示し、さらには、老いや病、死、喪失などを受けとめ支える会社です!

「コンパッション社長賞」の贈呈式のようす

 

ブログ「2月度総合朝礼」で紹介したように、このたび、コンパッション社長賞を松柏園ホテル衣装部に贈りました。総合朝礼での社長訓示の後、素晴らしいコンパッション対応をした松柏園ホテル衣装部を代表して、川俣副支配人が緊張の面持ちで登壇しました。

「コンパッション社長賞」の賞状

 

わたしは、「北九州市二十歳の記念式典における貴チームのコンパッション溢れる対応は 日本中の方々に感動を与え かつ会社の名声を大いに高めることになりました この活躍は他の社員の模範となる素晴らしいものであります よってその功績を讃え 金一封を添えて表彰致します」と賞状を読み上げ、金一封とともに川俣副支配人にお渡ししました。そして、会場に向かって、「これからも、お客様に寄り添う対応をした部署や個人には、どんどん『コンパッション社長賞』を贈ります。ぜひ、コンパッション企業の一員として励んで下さい!」と呼びかけました。

川俣副支配人に賞状と金一封を授与

 

今年の1月8日、北九州市で開かれた『二十歳の記念式典』で、振り袖に墨汁のようなものをかけられる事件が発生しました。33歳の容疑者が逮捕されましたが、少なくとも10件の被害が確認されています。その中には、わが社の松柏園ホテルでお世話させて頂いたお客様も含まれていました。当日の全国ニュースに映った衣裳も、じつはわが社の衣裳でした。当日の夜、お客様のお母様からの連絡で「娘が大変ショックを受けていること」「実家の祖父母へ晴れ姿を見せに行く予定だったこと」を聞いた川俣副支配人は、なんとかこの悲しみをケアし、喜びに変えたいと思案したようです」と言いました。



現場からの報告を受けた冠婚副本部長の山下取締役からLINEで相談されたわたしは、「コンパッションで行きなさい!」と言いました。川俣副支配人はお客様への慰めの言葉に加えて、「ぜひとも新しい振袖を着て、ご実家に行きましょう! 当ホテルで無償で準備をさせて下さい」と訴えたのです。テレビ各局からの取材を受けたお嬢様は、ホテルスタッフの対応に感謝の言葉を語られました。その後、松柏園ホテルへ複数のテレビ局からの取材が相次ぎました。取材では、わが社が日頃より「コンパッション」をテーマに「お客様に寄り添った対応」を意識していること。事件自体は残念なことではあるが、「おばあさまへ晴れ着姿をご覧いただきたい」という、お客様の優しい思いに寄り添った対応をすることを何よりも最優先したことなどを川俣副支配人が熱く語ってくれました。

ヤフーニュースのTOPで紹介されました!

 

各テレビ局のインタビュアーの方々も大きく頷きながら取材をして下さいました。そして悲しい事件の中でも「優しさの上書き」ができたことに各局とも時間を大きく割いてご紹介いただきました。残念ながら、人間は晴れの日の振り袖に墨汁をかけるという非道な行為も行います。しかし、人間は困っている人にコンパッションを提供し、そのグリーフをケアすることもできるのです。そう、非道には人道で対抗すべきではありませんか! 松柏園ホテルの人道的コンパッション対応はヤフーニュースのTOP記事にもなり、1100件を超える絶賛コメントが寄せられました。また、松柏園ホテルの公式サイトへのアクセス数はなんと140倍になったのでした。わたしは、社長として、「コンパッション・ホテル」としての対応、そして英断をした松柏園ホテル衣装部のみなさんに感動しました。一生に一度の晴れの日を悲しい事件で終わらせることなく、お客様のグリーフを共有し、そして新たな喜びのサイクルを呼び込んだメンバーを心から誇りに思います。

「コンパッション」について講義する島薗先生

 

「コンパッション」という言葉は、東京大学名誉教授で宗教学者島薗進先生から教えていただきました。その島薗先生は、今回の一件を知って、「振り袖に墨汁の事件に関わる、松柏園の川俣副支配人の対応、すばらしいですね。感謝の気持ちを述べている若者もさわやかな感じを持ちました。日頃、会社が目指しているものが社内に浸透し、自然にこうした対応がとれるような企業文化があること、さすがサンレーさんと感銘を受けましたお嬢様の結婚式のときにもその前にもお世話になっておりますし、度々、社員の皆さまと接しておりますので、あらためて社風として認識した次第です。コンパッション社長賞というのは新たに設けられたものでしょうか。諸業界に広めたいような気がします」とのメールを送って下さいました。

「財界九州」2023年新年号

 

島薗先生の質問にお答えすると、コンパッション社長賞は、今回の振り袖墨汁事件への松柏園スタッフの対応をきっかけに新しく設けたものです。コンパッション営業、コンパッション・ウエディング、コンパッション・セレモニー、コンパッション・ホール・・・・・・わが社の各部門は、さまざまな形での「コンパッション」の実現を企んでいます。それらが実現したとき、コンパッション社長賞は贈られます。次から次に、コンパッション社長賞を贈りつづけるようになれば、わが社はコンパッション企業に近づいていくでしょう。そして、それは、「心ゆたかな社会」としての互助共生社会の到来を呼び込むものと信じます。まずは、松柏園ホテル衣装部のみなさん、このたには、誠におめでとうございました。これからも、お客様の心に寄り添い続けて下さい!

川俣副支配人と(笑いすぎ?)


山下取締役と井口総支配人も加わって記念撮影

 

2023年2月1日 一条真也