2月度総合朝礼 

一条真也です。
新年を迎えたと思ったら、気がつけば2月になりました。1日の8時45分から、サンレー本社の総合朝礼を行いました。会場は小倉紫雲閣。いつもの大ホールが改装工事中につき、2階の「鳳凰の間」で行いました。当然ながら、ソーシャルディスタンスには最大限の配慮をしています。


開始前のようす


最初は、もちろん一同礼!

社歌斉唱のようす

レッドのマスク姿で登壇

 

全員マスク姿で社歌の斉唱は小声で行いました。それから社長訓示の時間となり、わたしがレッドの不織布マスク姿で登壇しました。まず、わたしは「2月になりました。毎日、寒いですね。赤いマスクをしているのは、わたしが派手好きだからでもなく、来年が還暦だからでもありません。寒さに負けずに、心に情熱の火を燃やせというメッセージです。あと、わが社が大切にしているコンパッションの色も赤だと思うからです。そう、コンパッション・レッドです!」と言いました。

この日は、コンパッションの話をしました


マスクを外しました

 

それから、わたしは「1月は、北九州・大分・宮崎が新記録となる業績で、サンレー九州が大躍進。見事なロケットスタートに成功して、大きな喜びを感じています。みなさん、本当にありがとうございます。今日は、コンパッションの話をしたいと思います。1月8日、北九州市で開かれた『二十歳の記念式典』で、振り袖に墨汁のようなものをかけられる事件が発生しました。33歳の容疑者が逮捕されましたが、少なくとも10件の被害が確認されています。その中には、わが社の松柏園ホテルでお世話させて頂いたお客様も含まれていました。当日の全国ニュースに映った衣裳も、じつはわが社の衣裳でした。当日の夜、お客様のお母様からの連絡で『娘が大変ショックを受けていること』『実家の祖父母へ晴れ姿を見せに行く予定だったこと』を聞いた川俣副支配人は、なんとかこの悲しみをケアし、喜びに変えたいと思案したようです」と言いました。

振り袖墨汁事件への対応について

熱心に聴く人びと

 

現場からの報告を受けた冠婚副本部長の山下取締役からLINEで相談されたわたしは、「コンパッションで行きなさい!」と言いました。川俣副支配人はお客様への慰めの言葉に加えて、「ぜひとも新しい振袖を着て、ご実家に行きましょう! 当ホテルで無償で準備をさせて下さい」と訴えたのです。テレビ各局からの取材を受けたお嬢様は、ホテルスタッフの対応に感謝の言葉を語られました。その後、松柏園ホテルへ複数のテレビ局からの取材が相次ぎました。取材では、わが社が日頃より「コンパッション」をテーマに「お客様に寄り添った対応」を意識していること。事件自体は残念なことではあるが、「おばあさまへ晴れ着姿をご覧いただきたい」という、お客様の優しい思いに寄り添った対応をすることを何よりも最優先したことなどを川俣副支配人が熱く語ってくれました。

非道には人道で対抗すべき!

 

各テレビ局のインタビュアーの方々も大きく頷きながら取材をして下さいました。そして悲しい事件の中でも「優しさの上塗り」ができたことに各局とも時間を大きく割いてご紹介いただきました。残念ながら、人間は晴れの日の振り袖に墨汁をかけるという非道な行為も行います。しかし、人間は困っている人にコンパッションを提供し、そのグリーフをケアすることもできるのです。そう、非道には人道で対抗すべきではありませんか! 松柏園ホテルの人道的コンパッション対応はヤフーニュースの記事にもなり、1100件を超える絶賛コメントが寄せられました。また、松柏園ホテルの公式サイトへのアクセス数はなんと140倍になったのでした。わたしは、社長として、「コンパッション・ホテル」としての対応、そして英断をした松柏園ホテル衣装部のみなさんに感動しました。一生に一度の晴れの日を悲しい事件で終わらせることなく、お客様のグリーフを共有し、そして新たな喜びのサイクルを呼び込んだメンバーを心から誇りに思います。

高齢者が多いことは北九州の強み!

 

今年、北九州市が誕生60周年を迎えます。門司・小倉・戸畑・若松・八幡の旧5市が合併に最終合意し、その調印式会場に選ばれたのが松柏園ホテルでした。わたし自身も60年前に松柏園で生まれたことから、「北九州市と自分は同い年の兄弟だ」と思ってきました。北九州市は、全国の政令指定都市の中でもっとも高齢化が進んでいます。世界一の高齢化率であることを考えると、北九州市は世界一高齢化が進んだ街と言えるでしょう。人口が100万人を切ったことから、北九州市の衰退が叫ばれています。しかし、わたしはつねづね、「高齢者が多いことは北九州の強み。それを悪いことと思い込んできたことが意気消沈してきた原因」と語っています。

コンパッション企業を目指そう!

熱心に聴く人びと

 

配偶者の死が自殺の要因となるケースも多いため、わが社は、近くで接する遺族の立ち直りを支援するグリーフケアを推進してきました。またNPO法人を設け、地域の独居高齢者らが集う「隣人祭り」を開き、孤独死防止を図ってきました。すべては、コンパッションに基づいた企業活動です。血縁や地縁の希薄化がみられる中、わが社では趣味などの新たな縁作りの手伝いにと、囲碁や俳句大会も開催しています。さらに、「ともいき倶楽部」「笑いの会」なども開催。こうした取り組みはコンパッション都市作りに通じます。全国で独居老人が増えていますが、わたしは、北九州市を高齢者特区にして、高齢者向けのショッピングセンターや娯楽施設、医療も受けやすくすることを提唱しています。孤独死しない隣人都市を作り、全国から独居老人が北九州に集まってくれば人口も増えます。

最後に道歌を披露しました

 

さらに、困窮者やシングルマザー支援も充実させ、「困ったら北九州に行ってみよう」という街にする。そうすれば、北九州市は世界一のコンパッション都市となるでしょう。それは、そのまま互助共生社会の実現でもあります。世界的に有名なイギリスの動物学者マッド・リドレーは、「他人を思いやるのは人間の本能である」と述べています。ならば、その本能である「思いやり」「利他」「互助」の精神に基づく経営を行うコンパッション企業は最強だと言えるでしょう。コンパッション営業、コンパッション・ウエディング、コンパッション・セレモニー、コンパッション・ホール・・・わたしは「これからも、コンパッション企業として、世のため人のために頑張りましょう!そうすれば、わたしたちも必ず良くなることをお約束いたします!」と述べてから、以下の道歌を披露しました。

 

人のため ただ人のため行へば
 めぐりめぐりて社(やしろ)栄えり

 


川俣副支配人に「コンパッション社長賞」を授与


川俣副支配人と記念撮影

 

社長訓示の後は、素晴らしいコンパッション対応をした松柏園ホテル衣装部に「コンパッション社長賞」を贈る授賞式を行いました。衣装部を代表して、川俣副支配人が登壇しました。わたしは、「北九州市二十歳の記念式典における貴チームのコンパッション溢れる対応は 日本中の方々に感動を与え かつ会社の名声を大いに高めることになりました この活躍は他の社員の模範となる素晴らしいものであります よってその功績を讃え 金一封を添えて表彰致します」と賞状を読み上げ、金一封とともに川俣副支配人にお渡ししました。そして、「これからも、お客様に寄り添う対応をした部署や個人には、どんどん『コンパッション社長賞』を贈ります。ぜひ、コンパッション企業の一員として励んで下さい!」と呼びかけました。

「今月の目標」を唱和

最後は、もちろん一同礼!

 

その後は「今月の目標」を全員で唱和し、最後はもちろん「一同礼」で総合朝礼を終えました。この後は、恒例の北九州本部会議を行います。丸3年間、コロナ禍にもかかわらず、黒字の確保はもちろん、ベストを尽くして走ってきました。コロナ4年目となる今年は、1月から歴代最高記録ラッシュで、ロケットスタートに成功しました。今年も、全社員が全集中の呼吸で全員の力を合わせて、最後まで前向きに走り抜きたいです!

今年も、最後まで走り抜こう!

 

2023年2月1日 一条真也拝