死を乗り越える相田みつおの言葉

 

人は自分の意思で
生まれてきたわけじゃない。
だから自分の意思で
死んではいけない。相田みつを


一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、日本の詩人・書家の相田みつを(1924年~91年)の言葉です。彼は、平易な詩を独特の書体で書いた作品で知られます。

 

 

独特の書体で書かれた数々の作品で知られる相田みつお。「書の詩人」、「いのちの詩人」と称され、親しまれています。相田の色紙を見ると、その書に勇気づけられます。生涯の師となる曹洞宗高福寺の武井哲応と出会い、在家ながら禅を学んだ彼は、書家を志して岩沢渓石に師事、本格的に書の修行を積みます。相田は長く不遇であり、師匠の紀野一義によると、詩の文言が顧客に受け入れられずに長く苦しんだといいます。そんな本音を言葉にし、書として描いてきた彼の色紙には人を引き付ける魅力があります。


苦しみを味わった人は、二種類に分かれるのではないでしょうか。世間を恨む人と、他社に対し、とても優しくなれる人です。相田は後者の代表です。彼の言葉から伝わってくる温かさは、苦労をしてきた人間がもつ優しさなのでしょう。相田のシンプルな言葉がもつ力強さに、わたしもいつも元気づけられています。この言葉に接すると、死も不幸なことではないと思えてきます。なお、この相田みつをの言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2022年11月2日 一条真也