死を乗り越えるゲーテの言葉

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年をとるということが既に、
新しい仕事につくことなのだ。
すべての事情は変わって行く。
我々は活動することを全然やめるか、
進んで自覚をもって、
新しい役割を引き受けるか、
どちらかを選ぶほかない。(ゲーテ

 

 一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749年~1832年)の言葉。彼は、ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者(色彩論、形態学、生物学、地質学、自然哲学、汎神論)政治家、法律家です。代表作は『若きウェルテルの悩み』『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』『ヘルマンとドロテーア』『ファウスト』など。



いま、日本では人生100年時代を迎えています。65歳で定年を迎えても、まだ30年以上の時間があります。年を取ってからできることが必ずあるはずです。それを自覚して進んでいくのか。そんなことをこのゲーテの言葉は教えてくれます。そして、「老い」の先には「死」があります。人類の歴史の中で、ゲーテほど多くのことについて語り、またそれが後世に遺されている人間はいないとされているそうです。彼は年をとるとともに「死」や「死後の世界」を意識し、霊魂不滅の考えを語るようになりました。

 

 

ゲーテとの対話』では、著者のエッカーマンに対して、「私にとって、霊魂不滅の信念は、活動という概念から生まれてくる。なぜなら、私が人生の終焉まで休みなく活動し、私の現在の精神がもはやこたえられないときは、自然は私に別の存在の形式を与えてくれるはずだから」(木原武一訳)と語っています。このゲーテの言葉を知ったわたしは、読書した本から得た知識や感動は、死後も存続するのではないかと本気で思っています。なお、このゲーテの言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2021年9月5日 一条真也